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「NEC Aterm WX3000HP」を Wi-Fiアクセスポイントとして設定

さて、それでは先日購入した「NEC Aterm WX3000HP」を「ブリッジモード」に設定し、Wi-Fiアクセスポイントとして設定していくことにします。設定自体はどうという事も無いのですが、いくつか分かりにくかった部分がありましたので、そうした部分を調べながら作業を進めていきたいと思います。


WX3000HPブリッジモード WX3000HP のルーター機能を使わずに他のルータの配下に接続して WX3000HP を「ブリッジモード」で動作させるには、電源を切った状態で WX3000HP 背後にある「RT/BR/CNV モード切替スイッチ」を右に写真のように「BR」に切り替えて電源を入れればOKです。自動的に DHCP で IPアドレスを取得し、Wi-Fiアクセスポイントとして動くので、何も設定を変更せずにデフォルトのままでよいのであればこのまま使う事は可能です。
ちなみに「CNV」は「コンバーターモード」で、WX3000HP を Wi-Fi子機や中継機として使うためのモードですが、この秋のファームウェアアップデートで使えるようになるとの案内が出ているものの、2020年10月の時点で未だ実装されていません。しっかりして欲しいものですね・・・。

■ WX3000HP の IPアドレスを固定

ブリッジモードにして Wi-Fiアクセスポイントとして使用する場合、設定を変えたり管理したりしやすくするためにも IPアドレスは固定しておいた方が都合がよいです。

親ルーターにしている RTX830 の方で「dhcp scope bind~」コマンドを使って WX3000HP の IPアドレスを固定し、WX3000HP の管理画面に入りやすくしておこうと思ったのですが、どうもうまく固定することが出来ず、そうこうしているうちに WX3000HP の管理画面に入れなくなってしまいました。ping を送ってみても遮断されてしまっているようです。フィルターが怪しかったのですが、どのみちうまく固定出来ていなかったので WX3000HP の側でも IPアドレスを指定しておく事にしました。

それにはまずブリッジモードの WX3000HP の管理画面に入る必要があるのですが、上記の様にアクセス出来なくなってしまっていたので、一旦ノートPC(スタンドアロンにできればデスクトップPC でも構いません) に WX3000HP の LAN を接続し「強制DHCPサーバー」モードで起動します。

強制DHCPサーバー起動 ACアダプタのプラグを外した状態で WX3000HP の「SETボタン」を押しながらプラグを差し込んで起動し、CONVERTER ランプが緑で点滅しだしたら SETボタンを放します。1分程掛かるので気長に待ってください。強制DHCPサーバー起動中は CONVERTER ランプが 緑で点滅し、再起動すれば通常のブリッジモードに戻ります。
画像:WX3000HP ユーザーズマニュアルより

強制DHCPサーバーモードで起動できたら PC のブラウザのアドレスバーから「192.198.1.210」にアクセスすれば WX3000HP の管理画面に入ることができます。ユーザー名に「admin」、パスワードに管理者パスワード(既に変更済みなら変更したもの、初期状態なら本体裏のラベルに記載されている「Web PW」)を入力すればログイン可能です。

IPアドレス固定 管理画面に入ったら「基本設定」を開き、以下の様に設定しました。

 ・DHCPクライアント機能 :OFF
 ・IPアドレス/ネットマスク:192.168.100.2/24
 ・ゲートウェイ     :192.168.100.1
 ・ネームサーバー    :192.168.100.1

IPアドレスやゲートウェイ、ネームサーバーはご自身の環境に合わせて変更して下さい。
画面を下にスクロールして「設定」押して再起動し、WX3000HP に指定しておいた IPアドレスで管理画面にアクセスできればOKです。

後で分かった事ですが、WX3000HP の「送信元検証機能」が悪さをしていたのかも知れません。どうも間にスイッチングハブを挟んだりするとこちらが意図しない動作をすることがあるようです。OFF にすればこちらの設定を変えなくても管理画面にアクセス出来たかも?まあ無事に管理画面に入れるようになったので今となってはどちらでもいいですけど(笑)。

■ 管理パスワード変更

私は「こちらの記事」で動作確認時に予め変更していましたが、デフォルトの管理者パスワードは本体背面のラベルに記載されているので速やかに変更しておいた方が良いでしょう。

管理画面にログインしたら、「メンテナンス」の「管理者パスワードの変更」から変更します。メンテナンスメニューが表示されていない場合は「詳細な項目を表示」をクリックすると表示されるようになります。パスワードは設定ボタンを押すと即座に反映され、管理画面からログアウトされて新しいパスワードで再ログインが必要になります。

パスワードは 10回入力を間違えるとロックされてしまいますが、その場合は電源の再投入で復旧します。最悪忘れてしまった場合は初期化してデフォルトのパスワードでログインして再設定してください。

■ ファームウェア更新

WX3000HPファームウェアアップデート

購入時点のファームウェアは「1.2.2」でした。このあたりのものからかなり安定性が良くなってきているそうです。現時点(2020年10月時点)の最新版は「1.3.0」となっているので取り急ぎアップデートしておきました。以前の NEC製ルーターはオンラインアップデート以外にファームウェアを別途ダウンロードしておいてローカルから適用することもできたのですが、現在はオンラインアップデートのみになっているようですね。

「時刻指定バージョンアップ機能」をONにしておくと毎日更新が無いかチェックを行い、更新されていた場合は自動的にアップデートしてくれます。深夜や早朝など Wi-Fi を使わない時刻を指定しておくとよいでしょう。尚、ファームウェアの更新には 3分程かかります。

■ バンドステアリング機能

「バンドステアリング機能」は、5GHz帯と2.4Gz帯をまとめて一つの SSID として管理し、周囲の Wi-Fiルーターの電波強度や使用されている周波数帯(バンド)などの利用状況を判別して混雑の少ないバンドで配下の端末から接続するように自動で振り分けてくれる機能で、設定は管理画面の「Wi-Fi(無線LAN)設定」→「Wi-Fi基本設定」から行うことが出来ます。

可能であればこの機能は有効にしておいた方が良いのでしょうが、うちの場合、5GHz帯の 11ac以降の規格に未対応の機器が残っている(ASUS Zenfone Max (M2) やスマートプラグなど)ため、残念ながら無効としておくことにしました。下の SS はうちの周囲の Wi-Fi電波状況なのですが、一軒家ばかりなので全然空いていますしね。

電波状況

マンションや団地などで Wi-Fi電波が密になっている環境ではこの機能は生きてくるだろうと思います。

■ オートチャンネルセレクト機能

「オートチャンネルセレクト機能」は、WX3000HP の起動時に周囲に存在する Wi-Fiアクセスポイントを検出し、2.4GHz帯、5GHz帯のそれぞれの帯域において空いていて電波状態の良いチャンネルを自動的に選択してくれる機能です。設定値は以下の 3種。

使用しない 停止
使用する(標準) 電源投入時に最適なチャンネルを選択
使用する(拡張) 動的に空いているチャンネルを選択

2.4GHz帯の 11a/b/g/n についてはもうかなり古い規格なので「使用する(拡張)」に設定しておいて WX3000HP に任せてしまって問題無いと思います。

5GHz帯について、Amazon のデバイス(Echo や fire TV など)を使用している場合は注意が必要です。と言うのも、Amazon のデバイスは 11ac 対応となっていても W53/W56 チャンネルに対応しておらず、W52 の 4つのチャンネル(ch36、ch40、ch44、ch48)しか使えないのです。この為、オートチャンネルセレクトを 5GHz帯で使用していると、それらのデバイスに接続出来なくなってしまう場合があります。

ただ、WX3000HP の 5GHz帯ではオートチャンネルセレクトを切ったとしても「W52+W53」か「W56」かでしか固定出来ないのですよね。なんで W52 のみで固定出来ないのかよく分かりませんが、取りあえず今のところ Amazon のデバイスに繋がらないという事にななっていないのでこのまま様子を見ることにします。もし繋がらなければ繋がるまで再起動でもするしかないのでしょうかね。

■ デュアル/クワッド/オクタチャンネル機能

これらの機能は、一般的には「チャンネルボンディング」と呼ばれている機能にあたるようです。これは、Wi-Fi通信で利用するチャンネルの帯域幅を束ねて高速通信を可能にする技術です。

  • 2.4GHz帯
     チャネルの幅を 20MHz から 40MHz に拡大することにより、約 2倍の通信速度を実現すること
     が可能となります。「使用する(自動切替)」「使用する(優先)」「使用しない」の三択で
     すが、初期値の自動選択のままで問題無いでしょう。

  • 5GHz帯
     チャネルの幅を 20MHz から 80MHz に拡大する「クワッドチャンネル」と 20MHz から 160MHz
     に拡大する「オクタチャンネル」機能の設定が行えます。共に初期値は「使用する」になってい
     て、周囲の Wi-Fi電波状況によって自動で切り替わるのでこのままで良いでしょう。

■ マルチSSID機能

デフォルトではOFFになっていますが、「aterm-XXXXXX-g(2.4GHz帯の場合)」「aterm-XXXXXX-a(5GHz帯の場合)」という「プライマリSSID」の他に、「aterm-XXXXXX-gw」「aterm-XXXXXX-ax」という「セカンダリSSID」を使用することが出来ます。「ネットワーク分離機能」を併せて使用することにより、プライマリとセカンダリの SSID のネットワーク同士での通信を遮断しておくことが出来るので、「来客用のWi-Fi」が必要な場合は設定しておくとよいでしょう。

■ 暗号化モード

「WPA3」については「こちら」の記事でも簡単に触れていますが、WX3000HP では「WPA」「WPA2-PSK(AES)」「WPA3-SAE(AES)」の 3種類の暗号化形式を使用することが出来ます。2.4GHz帯のセカンダリSSID でのみ「WEP」も利用出来ますが、セキュリティ的に重大な問題があるのでできる限り利用を避けるべきです。

「WPA3」は 2018年に発表された最新のセキュリティ規格ですが、普及はまだまだこれからといった所で、現在の主流は「WPA2-PSK(AES)」となっています。それぞれの世代には互換性はありませんが、過渡期での利用のために「WPA/WPA2-PSK(TKIP/AES)」と「WPA2-PSK(AES)/WPA3-SAE(AES)」という後方互換性を持つ「Transition Mode」も用意されています。

「WPA2-PSK(AES)/WPA3-SAE(AES)」を選んでおけば WPA2 までにしか対応出来ないクライアント端末は WPA2 での接続、WPA3 に対応しているクライアント端末は WPA3 での接続となるのでだいたい問題は無いと思いますが、うちの場合 Zenfone Max(M2) が 2.4GHz帯でこの互換モードでは接続出来なかったので、2.4GHz帯では WPA2-PSK(AES)、5GHz帯では WPA2-PSK(AES)/WPA3-SAE(AES) としておくことにしました。これで少なくとも iPad Pro(2018)と iPhone SE(2020)は WPA3 を使用する事が出来ます。

但し、「WPS」を使って Wi-Fi中継機やイーサーネットコンバーターとして子機を WX3000HP とペアリングする場合などは WPA3 を利用することは出来ず(互換モードも使えません)、WPA2-PSK 以下で接続する必要があるようです。

■ TVモード

今ひとつよく分からない機能なのですが、Wi-Fi接続した PC やテレビで安定したストリーミング映像を視聴することのできる機能なのだそうです。QoS の優先制御関係の機能なのでしょうかね?この機能は 5GHz帯でのみ有効にできるようです。まあ特にデメリットも無さそうですし、デフォルトで有効になっているのでそのままで良さそうかなと。

■ 見えて安心ネット

WX3000HP には「見えて安心ネット」というどの端末が繋がっているのかを目で見て確認することの出来る機能が用意されています。「見えて安心ネット」へは WX3000HP の管理画面下部にあるバナーからアクセスする事が可能です。

見えて安心ネット

MACアドレスと紐付けしておく事で繋がっている機器のセキュリティ規格や Wi-Fi規格の確認の他、「こども安心ネットタイマー」を組み合わせたゲーム機やタブレットなどを接続出来る時間の管理などを行うことができるのでお子さんの居られる家庭でも便利でしょう。


以上で Wi-Fiアクセスポイントとして使う場合の設定についての理解もだいたい出来たので、ネットワークの帯域幅や実効速度を測ることのできる「iPerf 3」を使って計測してみました。「iPerf」の使い方については以下の記事で紹介していますのでご参考にして頂ければ。

iperf結果 有線接続のメインPC を iPerf のサーバーとし、Wi-Fi 6 の 802.11ax に対応した iPhone SE(2020)をクライアントとして接続させて計測しています。うちの有線ネットワークは 1000BASE-T なので最大 1Gbps までの通信速度となっており、Wi-Fi 6 を生かし切る事は出来ませんし、今回テストした経路にはメインルーターやスイッチングハブなども間に挟んでいるので参考程度に見て下さい。このような条件下ですし、あまりたいした差は出ないかなと思っていただけに顕著な差が出たことは意外でした。Wi-Fiルーター自身の処理能力の向上なども効いているのでしょうかね?

WX3000HP の欠点は以下の様なものですね。

  • ログが見れない
     どういうつもりなのか知りませんが、最近の家庭用の NEC製ルーターは全部ログ閲覧機能が削除
     されてしまっているようです。これでは何か障害が起きたとしても分かりにくいのですよねえ。

  • 詳細な説明書が付属していない
     個々の機能の確認は Webマニュアルで行うしかないようです。ただこれ、WX3000HP の管理画面
     の構成とWebマニュアルの説明項目の表示形式が揃っていないことがあって必要な情報が探しにく
     いのですよね。用語の説明なども無いので、暗号化モードの違いなど分からなければ自分で調べる
     必要があります。

  • 不完全な状態での発売
     中継モードが未実装の件です。いくらオンラインアップデートが出来るからと言ってこのような状
     態で発売するのは正直どうかと思います。まあ今回私は親機として使うので直接関係は無いのです
     がね・・・。そしていつ実装されるのやら(苦笑)。
    ⇒ こちらに関しては 11月30日付けで中継機モードが実装されました。

とは言え、少なくともブリッジモードに設定して Wi-Fi のアクセスポイントとして利用する場合の安定性は悪くないようです。以前 WG-1800HP2 を利用していた時は iPad などの利用時に時々通信が詰まったり、家の対角にある一番電波の入りにくい部屋で Amazon FireTV を使っている途中で映像が途切れて観れなくなったりといった事がありましたが、WX3000HP に更新してからはほぼそうした事も無くなったようで、母(今ではすっかり Fire TV のヘビーユーザーです)からの苦情(?)が来なくなりました。

WG-1800HP2 の 3ストリームから WX3000HP では 2ストリームに減ってしまうので、電波が弱くなるようだったら中継機の設置も考えないといけないかなとも思ってただけに問題が解消したようで何よりです。Wi-Fi Analyzer でウォッチしていてもアンテナの出力レベルはほとんど変わっていないようです。


※ 追記 ※


11月30日付けでファームウェア「2.0.2」がリリースされ、この秋実装予定とされていた Wi-Fi中継機機能がようやく使えるようになりました。約束が実行された事自体はいいのですが、どうもこのファームウェア、安定性が良くないようで、何かのタイミングで WX3000HP の 2.4GHz と 5GHz の LED は点いているのに実際には電波が出なくなることがあるようです。一旦こうなってしまうと再起動するしかないようで、Wi-Fi Analyzer で確認しても電波が消えてしまいます。前バージョンの「1.3.0」ではほぼ安定していたのですが、中継機モードの実装を無理やり公言してしまっていた「この秋」に押し込んだのでしょうか?十分な検証がされていないまま見切り発車でリリースしたように感じます。

その後、親ルーターにしている RTX830 の方で WX3000HP のIPアドレスの固定方法を、

「dhcp scope bind (番号)(IPアドレス)(MACアドレス)」
「dhcp scope bind (番号)(IPアドレス)ethernet(MACアドレス)」


と変えてから(WX3000HP の側でも今まで通り固定させています)一応電波が出なくなると言う事は無くなったようなのですが、それでも稀に iPad などと接続できなくなり、結局 WX3000HP を再起動ということがこの 3週間に 2回程起きています。元に戻せないファームウェアのアップデートで不安定になるのはほんと勘弁して欲しいです・・・。Twitter などで他にも不具合を訴えている方は居られるようですし、NEC にとりあえずメールで報告くらいはしておいた方がいいですかねえ・・・。
(2020.12.19)


※ 追記 ② ※


12月22日付けでファームウェア「2.1.1」がリリースされています。オートチャンネルセレクト機能に不具合があったとのことで、その修正などが行われたようです(リリースノート)。これで少しはマシになってくれればいいのですけどね。しばらくまた様子を見たいと思います。残る公約は今冬中に [W56] の 5.6GHz帯における 144ch へ対応するということですが、また不安定になったりしないことを祈ります。
(2020.12.23)