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Wi-Fi 6 に対応した「NEC Aterm WX3000HP」を購入しました

先日、下の記事で最近の無線LANルーターのトレンドとなっている技術について簡単に整理してみたのですが、大方のイメージは掴むことが出来たので、実際に買い替えることにしました。

買い替えるにあたって、メインルーターは今使っている RTX830 にそのまま任せておき、新しい無線LANルーターは単に Wi-Fiアクセスポイントとして使うつもりなので、ルーティング性能についてはあまり考慮に入れませんでした。予算を 1万数千円前後に設定し、出来れば Wi-Fi 6 と WPA 3 に対応している機種を探してみることにしました。今後これらの規格に対応した機種は確実に増えてくるでしょうし、あまりに低価格の機種では同時にいくつもの機器を利用出来るようには作られていないのですよね。

メーカーは使い慣れた NEC にしようと思います。場合によっては今まで使っていた WG-1800HP2 を Wi-Fi子機として使う可能性も考えていますので。

■ 機種選定

2020年10月現在、NEC から発売されている Wi-Fi 6 に対応した無線LANルーターは、「WX6000HP」と「WX3000HP」の 2機種だけです。つい先日「WG2600HP4」という機種が発売されましたが、こちらは Wi-Fi 5 止まりです。どうやら「WX」型番が Wi-Fi 6、「WG」型番が Wi-Fi 5 という分け方になっているようですね。検討を始めた頃は先代の「WG2600HP3」も購入候補に入れていたため、これら 3機種についてちょっとスペックの比較を行ってみます。

WX6000HP WX3000HP WG2600HP4
発売日 2020.1.23 2020.5.14 2020.10.8
実売価格 ¥30,000 前後 ¥12,000 前後 ¥10,000 前後
無線LAN規格 Wi-Fi 6
(IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax)
Wi-Fi 5
(IEEE802.11a/b/g/n/ac)
接続環境 3階建て(戸建て)、4LDK(マンション)
アンテナ数 送信 8x受信 8(5GHz帯)
送信 4x受信 4(2.4GHz帯)
送信 2x受信 2(5GHz帯)
送信 2x受信 2(2.4GHz帯)
送信 4x受信 4(5GHz帯)
送信 4x受信 4(2.4GHz帯)
ストリーム数 8 ストリーム(5GHz帯)
4 ストリーム(2.4GHz帯)
2 ストリーム(5GHz帯)
2 ストリーム(2.4GHz帯)
4 ストリーム(5GHz帯)
4 ストリーム(2.4GHz帯)
規格値 4,804 Mbps(5GHz帯)
1,147 Mbps(2.4GHz帯)
2,402 Mbps(5GHz帯)
574 Mbps(2.4GHz帯)
1,733 Mbps(5GHz帯)
800 Mbps(2.4GHz帯)
セキュリティ規格 WPA3/WPA2/WPA WPA3/WPA2/WPA/WEP WPA3/WPA2/WPA/WEP
無線セットアップ WPS WPS WPS
サイズ 51.5x200x215 mm 48x170x129.5 mm 38x170x129.5 mm
重量 0.9 kg 0.7 kg 0.5 kg
消費電力 30 W 16 W 13.5 W
備考 WAN のみ 10Gbps 対応 中継機能は秋以降に追加予定 メッシュ中継機能搭載

※ 「実売価格」は 2020年10月現在のおおよその値です。

この他に「WX6000HP」はフリーWi-Fi 向けの規格である「Wi-Fi CERTIFIED Enhanced Open」「Wi-Fi CERTIFIED Enhanced Open Transition」という聞き慣れない規格にも対応しています。これによって公衆無線LAN を今まで以上に安全に使う事が出来るという事なので、小型店舗や飲食店などへ設置する場合などまで考慮されているようですね。まあ家庭で使う場合はここまで必要無いと思います。

「WG2600HP4」は、「メッシュ中継機能」を搭載した新モデルですが、無線LAN の実効スループットは先代の WG2600HP3 よりやや低下しているようです。また、WPA3 には対応していますが、Wi-Fi 6 には未対応です。

アンテナ構成だけ見れば「WG2600HP4」の方が「WX3000HP」より良く電波が届きそうです。なんでここをケチっちゃったんでしょうかね。また、「WX3000HP」の Wi-Fi中継機能は 2020年10月の時点で未搭載で、秋頃のファームウェアアップで対応すると告知されています。ここ最近 NEC から発売される無線LANルーターはこのような「未完成」の状態で発売される事が多いようです。いくら後から機能追加ができるとはいえ、ちょっとこういう売り方は感心できませんね・・・。

■ 結局 Aterm WX3000HP を購入することに決定!

WX3000HP外箱 「WX6000HP」のアンテナとストリーム数の多さ(複数機器接続時のパフォーマンスの高さ)は魅力でしたが、メインルーターとして使うわけではありませんし、さすがにただの Wi-Fiアクセスポイントに 3万円近くは出せないということで、「WX3000HP」の方を購入する事に決めました。デュアルコアCPU とインテル製の Wi-Fiチップを搭載しているようです。推奨接続台数も 36台と十分に余裕がありそうです。
Amazon では「AX3000HP」という型番で販売されていますが、こちらは別に Amazon専売モデルという訳では無く、単に「WX3000HP」の簡易パッケージ版(所謂「茶箱」)で、製品自体としては全く同じもののようです。


筐体デザインは随分オーソドックスになりました。WG-1800系 や WG-2600系のデザインははっきり言って好みでは無かったのでこちらの方が全然シンプルでいいと思います。USBポートはもう随分前から無くなってしまっているのですね。HDD を繋いで簡易NAS として使えたので、2TB までなどの容量制限こそありましたが、ちょっとバックアップを取ったり夏場に冷却ファンの電源を取ったりするのに便利だったので残念です。

WX3000HP

上位の「WX6000HP」は、WANポートが 10GBASE-T に対応していますが、「WX3000HP」の方は全ポートギガビットイーサ止まりです。とは言え、うちの光回線自体が「フレッツ 光ネクストファミリー・スーパーハイスピードタイプ隼(長すぎ!)」の 1Gbps 止まりなので WX6000HP を買ったところで生かし切れないのでこちらで十分です。

WX3000HP一式 付属品は ACアダプタの他に CAT5e の LANケーブル(1m)とスタンド兼壁掛パーツにマニュアル類でした。マニュアルと言っても同梱されているのは簡易設定マニュアルだけなのですね。以前は付属していた詳細なマニュアルは Webでしか提供されないようです。しかもこの詳細なマニュアルは HTML形式の Webマニュアルしか提供されていないようです。ここはせめて PDF で提供して欲しかった (ノД`)。PDF のマニュアルならば NAS に放り込んでおけば iPad などで見れるので便利だったのですけどね・・・。
ちなみに詳細な機能説明のされた Webマニュアルは下のリンクから見ることができます。

ユーザーズマニュアル(機能詳細説明)


SoC は Intel AnyWAN GRX350シリーズの「GRX350A3BC160 S LMQ3(800 MHz / 2 core)」で、Wi-Fi 6 対応のために PCIe 2.0 で接続された Home Wi-Fiチップセット WAV600シリーズの「WAV654A 1MC」と組み合わせて使われているらしいです。


とりあえず WAN には接続しないままの状態で一旦ルーターモードで起動してノートPC に接続し、簡単な動作確認を済ませました。こういう場合に古くてもノートPC が 1台手元にあると非常に便利です。

管理者パスワード変更 工場出荷状態からルーターモードで起動した場合は、デフォルトで DHCPサーバーも動いているので、Webブラウザを立ち上げたら「192.168.10.1」にアクセスする事で「クイック設定Web」なる管理画面が起動します。「ユーザー名」には「admin」と入力し、本体裏のラベルに書かれている「Web PW」を入力すればOKです。ログインしたらまずは「メンテナンス」から管理者パスワードを変更しておきましょう。「設定」ボタンを押すのを忘れずに。

WG2600系は起動が遅いと聞いていましたが、WX3000HP はそれ程時間が掛かるわけでは無いようですね。管理画面のレスポンスも良く、今まで使っていた WG-1800HP2 よりキビキビ動くようです。

ACアダプタはかなり大型です。WG-1800HP2 のように電源本体がケーブルの途中にあるタイプならコンセント周りがすっきりするのですが、ちょっと隣の差し込み口に邪魔になる大きさです。最大消費電力は 16W と低いのですが、ルーター本体の発熱はやはりそれなりにあるようなので、あまりエアフローの良くない場所には設置しない方がよいでしょう。

Intel の無線LANアダプターを搭載したノートPC などで、ドライバーが古いと 802.11ax や 802.11ac のアクセスポイントに接続出来ない可能性に関して注意喚起が出ている点には注意して下さい。対象となっている Wi-Fiアダプターが搭載されている場合は速やかに更新しておきましょう。

長くなってきてしまったので、WX3000HP を Wi-Fiアクセスポイントとしての設定や、個々の機能を使う上での注意点などについてはまた別の記事にて。


※ 追記 ※


11月30日付けでリリースされたファームウェア「Ver.2.0.2」によって、ようやく WX3000HP を Wi-Fi子機と Wi-Fi中継機として利用出来るようになりました。「時刻指定バージョンアップ」が有効になっていれば放っておいてもそのうち最新版に更新されますが、1週間ほど掛かることもあるそうなので、すぐに適用したい場合は管理画面の「ファームウェア更新」にある「更新」ボタンを押せばOKです。改善点は他にもあり、「バージョンアップ履歴」から確認することが出来ますが、別の何らかの不具合が起こる可能性も無いとは言えませんので一応ご注意を。
(2020.12.1)