(新)タイトルいつ決めるのさ

何かの参考にして頂ければ幸いです。


▼ 当ブログはアフィリエイトサービスを利用しており、リンクにはプロモーションが含まれます ▼
当ブログではアフィリエイト広告により得た収益をブログの運営・維持に充てさせて頂いております。提携しております ASP につきましては「プライバシーポリシー」よりご確認下さい。
尚、企業様より商品またはサービスの提供を受けて掲載した記事につきましては、別途「PR・プロモーション」カテゴリに分類し、記事冒頭にその旨を分かりやすく記載するよう心掛けております。
当ブログ記事の記載内容や広告の掲載方法に関するご指摘がございましたら「こちらのフォーム」よりお問い合わせ下さい。

写真のネガフイルムをスキャンして PC に取り込んでみた

スマホのカメラが高性能化したおかげで誰でも簡単に綺麗な写真を撮ることが出来るようになって久しいですが、最近はカメラで写真を撮るときにフィルム交換が必要だったことを知らない人や、そもそも「写真のネガフィルムってなに?」って人も増えてきているのかも知れませんね。

先日荷物の整理をしていて昔撮った写真のネガフィルムがたくさん出てきたので、PC に取り込んでデジタル化しておく事にしました。もう今更「焼き増し」に出す気も起きませんし、ネガフィルムは置いておいても劣化していくだけですからね・・・。今回デジタル化しようとしているフィルムも保存環境が良かったとは言えないので、もう既にかなり痛んでいるかも知れません。

果たしてどれくらい需要があるのかは分かりませんが、今後手持ちのネガフィルムをデジタル化したいという方も居られるかも知れませんので、ちょっと記事にして残しておくことにします。

■ 写真のネガフィルムを PC に取り込む方法

ネガフィルム 昔は撮影済みの写真フィルムを現像に出すと、プリントされた写真と一緒にネガフィルムも右の様に短冊状にカットされて専用の袋に入れられた状態で一緒に帰ってくるものでした。この「ネガフィルム」は、写真の上下左右と色が反転された状態で写っています。PC に取り込むにはこの反転された色を元に戻す(ネガポジ変換)必要もあるわけです。
まずはこの写真のネガフィルムを PC で扱えるデータにする方法についていくつか考えてみましょう。

① 専門業者に依頼する

 富士フイルムなど写真関係の業者さんの中には、古い写真フィルムをスキャンしてデジタルデータ化
 してくれるサービスを提供してくれているところがあります。結婚式だとか子供が生まれただとか、
 大事な写真ならばやはりこういった専門業者にお願いするのが 1番でしょう。

 富士フイルムの場合は、フィルムから業務用の専用の機材でスキャンし、フィルムの劣化をある程度
 補正し、画像データ化した上で DVD メディアに焼いて送ってもらうか、「PhotoBank」というクラ
 ウド上にアップロードされたデータをダウンロードするかを選べるようです 。

 欠点はある程度の日数と費用が掛かること。富士フイルムの場合は、ネガフィルムを 5本お願いした
 とすると、基本料金 1,100円 + 2,475円(1本あたり追加で 495円、2022年5月現在)掛かるようです。
 フィルム 10本以上の申込で基本料金が無料になったり割引があったりするようなので、大量のフィ
 ルムを処理したい場合は手間と時間を考えると充分アリな選択肢となるでしょう。

 


② 専用のフィルムスキャナーを買うかレンタルする

 Kenko や サンワダイレクト から以下の様なフィルムスキャナーが発売されています。


 比較的簡単に取り込みができるようですが、決して安くはないです。データ化したいフィルムの本数
 が多く、専門業者に依頼すると高く付いてしまう場合などでは購入するのもいいかも知れません。
 「Rentio」などでレンタルするのもいいんじゃないでしょうか。

③ プリンター複合機のスキャナを利用する

 家庭用のプリンター複合機のスキャナを使ってネガフィルムを取り込む方法です。ただ、最近売られて
 いるプリンターにはフィルムスキャン機能はもう搭載されていないかも知れません。フィルムスキャン
 機能の無いプリンターでも出来ない事はないでしょうが、手間と時間は相当かかるかも知れません。

④ デジタルカメラを利用する

 レンズ交換式のデジタル一眼カメラを使ってネガフィルムを「撮影」する方法です。組み合わせるこ
 との出来るレンズが限られますが、Nikon の他にデジタル一眼カメラ用レンズも製造・販売している
 「焦点工房」から「デジタイズアダプター」というものが発売されているようです。


 フィルムをセットしたホルダーをレンズに装着し、ホルダー先端の拡散板を光源(LEDランプなど)に
 向けて撮影することでフィルムを「撮影」することが出来るというものです。撮影後は、SILKYPIX や
 Lightroom などのソフトを使って「ネガポジ変換」する必要があります。

 こちらも手間と時間はかなり掛かるでしょう。業者さんに依頼した方が安いかどうかはデータ化する
 フィルムの本数次第ですね。解像度はかなり高い画像が取得できるようです。

⑤ スマホのアプリを利用する

 有料アプリなので試していませんが、「NEGAVIEW PRO」や「FilmLab : Negative Film Scanner」な
 ど、いくつかネガフィルムをスマホに取り込むことが出来るアプリがあるようです。それ程高画質で
 データ化することは出来ないようですが、手軽と言えば手軽な方法でしょう。

 また、「PictoScanner」なる組立て式のスマホ用スキャナーも販売されているようです。果たしてこ
 れで綺麗にスキャンできるものなのかどうかは分かりませんが、興味のある方は試してみて下さい。

■ Canon PIXUS MG8130 を使ってネガフィルムを PC に取り込んでみた

「Canon PIXUS MG8130」は、2010年に発売された古いインクジェット複合プリンターですが、この頃はまだ Canon と Epson が毎年のように家庭用プリンターの高画質化・高機能化を競いあっていた時代でした。フィルムスキャン機能も実装されており、内蔵されていたスキャナの CCDセンサーには解像度が 4800x4800dpi(フィルム読み取り時は 4800x9600dpi) という高品質なものが採用されていました。

幸いうちにはまだ現役の「MG8130」があるので、今回はこちらのプリンターでフィルムスキャンしてみることにします。翌年発売の「MG8230」までは CCDスキャナーが搭載されていてフィルムスキャン機能もあったようですが、最近のモデルではもう省かれてしまっているのですよね。コストダウンのため、画像センサーも CIS方式のものになっているようです。

フィルムガイド取外し-1 LEDランプ


MG8130 の原稿台カバーを開け、裏に取り付けられている「FAU保護シート」を外すと、右の写真の赤〇で囲った部分に LEDの透過照明ユニット が配置されています。この光を写真フィルムに透過させてスキャナーの CCD で読み取るのですが、最近の機種ではこの「透過照明」ユニットが省かれているのでフィルムスキャンが出来ないのですよね。

ランプカバー 格納されたガイド


さて、取り外した「FAU保護シート」を裏返すと、「フィルムガイド」が格納されています。これは無くしてしまわないようにうまく工夫されて収納されているなと感心しました。

フィルムセット-1 フィルムセット-2


フィルムガイドをパカッと開けて、写真フィルムをガイドの左に詰めて上下逆さまに挟みます。

フィルムセット-3 フィルムセット-4


フィルムホルダーを閉じ、フィルムホルダー上の白線マークと、フィルムのコマとコマの境が合っているかを確認して微調整します。写真は 1度のスキャンで 6コマまで取り込むことが可能です。

フィルムガイドセット ネガフィルムを挟んだフィルムガイドを MG8130 の原稿台ガラスの左右の溝に合わせてセットします。

今回は 35mm のスリーブフィルム(6コマ繋がったもの)をセットしましたが、1コマずつプラスチックなどのホルダーに入れられた「マウントフィルム」もスキャンすることが出来るようです。「カラーネガフィルム」のほか、「白黒ネガフィルム」「カラーポジフィルム」も取り込めるようでした。

フィルムガイドをセットし、MG8130 の原稿台カバーを閉じたら制御ソフトの「MP Navigator EX 4.0」を起動します。「焼き増し」したいだけならプリンター本体で操作しても構いません。

MP Navigator EX

デフォルトの状態では読み取り解像度が 1200dpi になっているので、「詳細設定」から 4800dpi に引き上げます。但し、解像度を高くするとスキャンに掛かる時間が伸びますので、さほど重要では無い写真ならそのままでもいいかと。

プリスキャン 「スキャン」ボタンをクリックすると、内部 LED照明のキャリブレーションに続いてネガフィルムのプリスキャンが行われます。フィルムカメラの場合は撮り直しが利かなかったので、失敗写真も結構あるかと思います。画像一覧の中から必要な写真にだけチェックを入れて再び「スキャン」ボタンをクリックすると、いよいよ本番のフィルムスキャンが行われます。
実際にフィルムスキャンしてみた感想ですが、「非常に時間が掛かる!」これに尽きます。最高画質の 4,800dpi でスキャンした場合、写真を 1枚取り込むのに 4~5分掛かります。36枚撮りフイルム 1本ならざっと 3時間、フィルムの入れ替えに掛かる時間(位置調整やゴミ取りなど込みで)を考慮すると 3時間半程度は掛かると思って良いでしょう。まあ実際には不要な写真は本スキャンしなくていいので、それよりは短くなるかと思いますが・・・。

フィルムスキャンの結果が以下の写真です。ブログ掲載のため、解像度をスキャン時の 6816x4496px から横 1200px にまで落としています。また、左側の写真は解像度以外は触っていないスキャン時のままのもの、右側は市川ソフトラボラトリーの写真調整ソフト「SILKYPIX JPEG Photography 10」を使って軽く処理した後のものです。(SILKYPIX JPEG Photography 10 については「こちらの記事」でどうぞ。)

処理前-1 処理後-1


何年前でしょう・・・。鈴鹿サーキットに行った時のものですね。ネガもかなり劣悪な環境に置いていたので、きちんと保存していればもっと綺麗にスキャン出来たのかも知れません。

処理前-2 処理後-2


あ、写真自体のクォリティについては何もおっしゃらないで下さい(笑)。ピントは甘いし枠には入っていないしで大概な写真ですが、思っていたよりも綺麗に取り込むことが出来ました。久しぶりに懐かしい友人の姿なんかも。確か親父の「Canon AE-1 プログラム」を借りて持って行ってたんだと思います。

MG8130 でも思ったよりいい状態でフィルムスキャンすることが出来ました。とは言え、写真のクォリティに拘りたいのであればデジタル一眼カメラに「デジタイズアダプター」を取り付けて RAW で撮影するのが一番いいのかなと思います。それなら後から色々とパラメーターを弄って調整することも出来ますしね。まあ時間と手間をどれくらい掛けられるかにも拠るでしょう。

リサイクルショップなどで状態の良い MG8130 / MG8230 が手に入るようでしたら費用を抑えることが出来るかも知れません。画質にある程度妥協出来るようでしたらこちらの手段も検討してみて下さい。