スマホを iPhone SE(2020)から iPhone 13 mini に買い換えました。未だ収まる気配の無い新型コロナ禍の中では「Touch ID」による指紋認証が使える点は捨てがたかったのですが、よく自転車で出掛けるようになったこともあって、もう少し綺麗に撮りたいと思うことも増えたのですよね。
遠出をする時はだいたいミラーレスカメラも持って出ているのですが、道中にちょっと撮影しておきたいといった場合にはやっぱりさっと出してすぐに撮れるスマホは便利です。あと AirTag ですね。iPhone SE でも連携させることは出来るのですが、” UWB(Ultra Wide Band)” が使えないため、かなりアバウトな位置までしか特定することが出来なかったのです。
カラーはブルーにしてみました。色としては iPhone 12 mini のグリーンか iPhone 11 mini の黄色が綺麗だなと思っていたのですが、iPhone 13 mini には無いカラーですから仕方ありません。
私の場合、自転車やランニングに出る時は必ず持って出るので小ささ優先で ” mini ” 一択です。容量は楽曲ファイルなどもたくさん入れておきたいので 256GB のモデルにしておきました。
■ 基本性能の比較と製品チェック
9月に行われた iPhone 13シリーズの発表イベントを見た段階では年末までくらいに安くなった iPhone 12 mini を買えばいいかと思っていたのですが、カメラにセンサーシフト式の光学式手ブレ補正機能が搭載された事と、性能が良くなっているにも関わらずバッテリーの保ちが iPhone 12 mini より良くなっているらしいという事を聞いて気が変わりました。
機種名 | iPhone 13 mini | iPhone 12 mini | iPhone SE(第2世代) |
---|---|---|---|
価格(税込) | 128 GB : 86,800円 256 GB : 98,800円 512 GB : 122,800円 |
64 GB : 69,800円 128 GB : 75,800円 256 GB : 87,800円 |
64 GB : 49,800円 128 GB : 55,800円 |
CPU | A15 Bionic | A14 Bionic | A13 Bionic |
RAM | 4 GB | 4 GB | 3 GB |
サイズ | 64.2x131.5x7.65(mm) | 64.2x131.5x7.4(mm) | 67.3x138.4x7.3(mm) |
重量 | 140g | 133g | 148g |
ディスプレイ | 5.4型 Retina XDR(OLED) | 5.4型 Retina XDR(OLED) | 4.7型 Retina HD(液晶) |
解像度 | 2,340x1,080 pixel(476 ppi) | 2,340x1,080 pixel(476 ppi) | 1,334x750 pixel(326 ppi) |
コントラスト | 2,000,000:1 | 2,000,000:1 | 1400:1 |
最大輝度 | (標準)800 nit(最大)1,200 nit | (標準)625 nit(最大)1,200 nit | 625 nit |
バッテリー容量 | 2,406 mAh | 2,227 mAh | 1,821 mAh |
ワイヤレス充電 | 〇(Qi 規格) | 〇(Qi 規格) | 〇(Qi 規格) |
生体認証 | Face ID | Face ID | Touch ID(第2世代) |
Apple Pay | 〇 | 〇 | 〇 |
防水・防塵性能 | IP 68 (最大水深6メートルで最大30分間) |
IP 68 (最大水深6メートルで最大30分間) |
IP 67 (最大水深1メートルで最大30分間) |
コネクタ | Lightning | Lightning | Lightning |
※ 価格は 2021年12月現在の Apple Store価格
サイズは厚みが若干増えただけで iPhone 12 mini とほぼ同じ。増えた厚みでセンサーシフト式手ブレ補正機構とバッテリー容量の増加を実現させたといったところでしょうか。
イヤホンが付属しなくなり、充電器が付属しなくなり、随分とパッケージがコンパクトになったものです。USB Type-C に移行すればそのうちケーブルも付属しなくなってしまうのでしょうか。環境保護の一環とか言ってますが、絶対コレ体のいいコストカットですよね。とは言え、外箱の作りの良さも含め、多くのメーカーに影響を与えたパッケージング方法はさすがです。開けたときのワクワク感がありますね。
iPhone SE(2020)と並べてみました。カタログ値から分かるとおり、ほんの僅かに iPhone 13 mini の方が小さいです。ただ、丸みを帯びたデザインから角張ったデザインに変わっているので持ち心地は全く違いますね。個人的には iPhone 13 mini の方が断然持ちやすくて好みです。
期待されていた充電コネクタは Lingtning のままでした。カメラレンズ部分は 1mm 程の出っ張りがありますが、ケースに入れて使うつもりなのでここは問題なし。SONY の Xperia などでは随分前から電源ボタンの指紋認証が出来るようになっているので、ここは頑張って欲しかったところですね。
iPhone 間の機種変更は、新旧の機種を近付けただけで開始され、モヤモヤした画像を旧機種のカメラで読み取るだけでほぼ自動的にやってくれるので相変わらず楽でいいですね。使っていたアプリのインストールまで勝手にやってくれます(一部アプリの消去・再インストールが必要)。
iPhone の移行作業が終わったら、古い機種を手放す前に必ず使っていたアプリを 1回は起動して問題無く使えるかどうか確かめておきましょう。特に銀行やクレジットカード系、パスワード生成アプリ(Google Authenticator など)、キャッシュレス決済アプリ(PayPay や楽天Pay など)は重要です。
私の場合、Google Authenticator は引継ぎ作業が、楽天Payアプリは一旦アプリを削除して再インストールする必要がありました。尚、Apple Pay で登録していたクレジットカードも新しい機種で再登録する必要があります。
新しい iPhone の「設定」アプリで Apple ID に「!」が付く場合は、一旦ログアウトしてから再ログインして見て下さい。iPhone 移行時に「復元」されたことになっていて、古い iPhone の情報でログインされた状態になっている場合があるようです。
■ 保証期間と AppleCare+ for iPhone
iPhone の保証期間は原則として購入から1年間、AppleCare+for iPhone に加入すれば 2年間に延長されます。保証期間の残りは、「設定」→「一般」→「情報」から確認することが可能です。
また、Apple製品は購入から 30日以内ならば AppleCare に加入することができるのですが、「今から〇〇日以内であれば~」とApple Careに加入可能な期間を表示してくれるようになっているのは有り難いですね。また、Apple のサイトの「保証状況の確認」から、修理サービスや無償電話サポートを受けられる状態かどうかの確認もすることができます。
iPhone 13 mini の場合の保険料は以下の通り(保険料は機種によって異なります)。
Apple Care+ for iPhone 13 mini | 18,800円(税込・一括) |
950円(税込・月額) | |
Apple Care+ for iPhone 13 mini 盗難・紛失プラン |
20,800円(税込・一括) |
1,050円(税込・月額) |
2年間加入する場合はやはり一括払いの方がお得になります。盗難・紛失までが +2,000円でカバーされるというのもまた悩ましいところではありますね。いずれのプランでも「エクスプレス交換サービス」を利用することが可能です。
修理サービスの内容については Apple の「こちらのページ」で詳しく書かれていますが、分かりやすいようにちょっと整理しておきます。iPhone 12 からは背面ガラスも保証対象となっているのですね。
Apple Care+ for iPhone 加入時 | Apple Care+ for iPhone 未加入時 | |
---|---|---|
画面・背面ガラス | 3,700円(税込) | 30,800円(税込) |
過失・事故 | 12,900円(税込) | 51,480円(税込) |
バッテリー交換 | ※ 0円(税込) | 8,140円(税込) |
バッテリー交換費用が無料になるかどうかは、概ねバッテリーの最大容量が 80%以下になってしまっているかという点が基準となるようですが、最近の iPhone はほぼ全面がガラス素材で覆われています。落としたり割ったりしないと余程の自信があるなら別ですが、10万円近くの端末を使うのであればやはり加入しておいても良いのではないかと思います。+2万は確かに厳しいですけどね。
「自分で修理する権利」を Apple が受け入れたことによって米国では 2022年から補習に必要なパーツ・工具・マニュアルの提供を始めることになったそうですが、日本でどうなるかはまだ不明ですし、細かい作業になる事は必至です。将来的にバッテリー交換くらいは自分でやってみたいと思っていますが、とりあえず 2年間は素直に Apple Care+ に頼ることにしました。
■ 通信機能関係の仕様比較
iPhone 13 mini は e-SIM 併用でのデュアルSIM構成が可能、Wi-Fi 6 へも対応と隙はありません。
機種名 | iPhone 13 mini | iPhone 12 mini | iPhone SE(第2世代) |
---|---|---|---|
対応 SIM | デュアルSIM(nano-SIM と eSIM) | デュアルSIM(nano-SIM と eSIM) | デュアルSIM(nano-SIM と eSIM) |
LTE | 4x4 MIMO と LAA対応ギガビット級 LTE | 4x4 MIMO と LAA対応ギガビット級 LTE | 2x2 MIMO と LAA対応ギガビット級 LTE |
VoLTE | 〇 | 〇 | 〇 |
Wi-Fi | 2x2 MIMO対応 Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax) | 2x2 MIMO対応 Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax) | 2x2 MIMO対応 Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax) |
Bluetooth | 5.0 | 5.0 | 5.0 |
UWB | 〇 | 〇 | ✕ |
5G 対応 | 〇(Sub-6) | 〇(Sub-6) | ✕ |
国内版の iPhone 13シリーズは ” 5G ” に対応していますが、” Sub-6 ” のみの対応で、範囲が狭く遮蔽物などに弱い代わりに高速通信が可能とされる ” ミリ波 ” には未だ対応していないようです。一方、位置情報システムへの対応は、GPS、GLONASS、Galileo、QZSS(みちびき)に加えて中国の ” 北斗 ” にまで対応しているようです。北斗への対応は素直に歓迎できるとも思えませんが・・・。
■ カメラをチェック
iPhone 13 Proシリーズのトリプルカメラには敵いませんが、iPhone 13 mini のデュアルカメラはこれまでで最も高性能なものが搭載されているそうです。数値上は iPhone 12 mini のものと変わらないものの、センサーの高性能化と手ブレ補正機構の進化が大きく寄与しているようですね。
機種名 | iPhone 13 mini | iPhone 12 mini | iPhone SE(第2世代) |
---|---|---|---|
アウトカメラ | 1200 万画素x2(広角+超広角) | 1200 万画素x2(広角+超広角) | 1200 万画素(広角) |
f値 / 1.6(広角)/ 2.4(超広角) | f値 / 1.6(広角)/ 2.4(超広角) | f値 / 1.8 | |
センサーシフト式光学式手ぶれ補正(広角) | 光学式手ぶれ補正(広角) | 光学式手ぶれ補正 | |
広角レンズ:7枚 超広角レンズ:5枚 | 広角レンズ:7枚 超広角レンズ:5枚 | 6枚 | |
2倍の光学ズームアウト 最大5倍のデジタルズーム |
2倍の光学ズームアウト 最大5倍のデジタルズーム |
最大5倍のデジタルズーム | |
ポートレートモード ポートレートライティング ナイトモード |
ポートレートモード ポートレートライティング ナイトモード |
ポートレートモード ポートレートライティング |
|
インカメラ | 1200 万画素(TrueDepth) | 1200 万画素(TrueDepth) | 700 万画素 |
f値 / 2.2 | f値 / 2.2 | f値 / 2.2 | |
ポートレートモード ポートレートライティング ナイトモード |
ポートレートモード ポートレートライティング ナイトモード |
ポートレートモード ポートレートライティング |
ビデオ撮影 | 4K HDRビデオ撮影 (最大 60fps・Dolby Vision) |
4K HDRビデオ撮影 (最大 30fps・Dolby Vision) |
4Kビデオ撮影(最大 60fps) |
1080p HDビデオ撮影(最大 60fps) | 1080p HDビデオ撮影(最大 60fps) | 1080pビデオ撮影(最大 60fps) | |
センサーシフト式光学式手ぶれ補正(広角) | 光学式手ぶれ補正(広角) | 光学式手ぶれ補正 | |
2倍の光学ズームアウト 最大3倍のデジタルズーム |
2倍の光学ズームアウト 最大3倍のデジタルズーム |
最大3倍のデジタルズーム | |
シネマティックモード・タイムラプス撮影 QuickTakeビデオ対応 |
タイムラプス撮影 QuickTakeビデオ対応 |
タイムラプス撮影 QuickTakeビデオ対応 |
iPhone 13 mini の場合、広角カメラが 画角 80°、35mm判換算の焦点距離が 26mm 相当、超広角カメラは 画角 114°、焦点距離で 14mm 相当に、iPhone SE(2020)のカメラは画角が 75°、焦点距離が 28mm 相当となるそうです。
サイクリングついでに垂水の「恋人岬」で試し撮りしてきました。” 岬 ” ・・・ではない気がしますがまあいいです(笑)。画像サイズのみ落としていますが、色味を含め他の要素は弄っていません。
左が iPhone 13 mini の「広角」、右が「超広角」です。もう冬なので木や草の色が良くないですが、空などの発色はかなりいいと思います。iPhone 12シリーズでは Proモデルにしか搭載されていなかった ” Deep Fusion ” 機能が搭載された影響もあるようです。解像感もいいのではないでしょうか。
明石海峡大橋方面です。同じく左が iPhone 13 mini の「広角」、右が「超広角」です。逆光下ではフレアやゴーストがやや出るようですね。逆光下ではなるべく強い光源が直接レンズに入らないようにするか、撮影位置を変えてみるなどの工夫が必要になりそうです。
明石の大蔵海岸の方へ移動して夕景を撮ってみました。右はデジタルズームで最大倍率にしたものですが、iPhone 13 mini のデジタルズームは画質低下が大きいですね。あまりズームには頼らない方が良さそうです。盛大なゴーストも出てしまっていますがフラッシュ部分が写り込んでいるような気がします。望遠が欲しければ iPhone 13 Pro / Pro Max を購入した方がいいと思います。
こちらは左が iPhone 13 mini、右が iPhone SE(2020)で暗所で撮影したものです。iPhone 13 mini の方が解像感が高く、立体感も感じられる気がするのですがどうでしょう?超広角レンズが加わったことで撮影の幅は格段に広がりました。
今更ですがガラケーに付いていたカメラの頃から考えるとスマホのカメラの進化は凄まじいものがありますね。ハイキングや旅行などで荷物をできるだけ減らしたい、けど写真も撮りたいといった場合でもスマホだけで十分と思えるレベルになっています。サイクリング中に撮りたい風景に出会ったときでもさっと出してすぐに撮れる手軽さは非常にありがたいものです。だいたい α6400 も持って出ていますが、準備に若干時間も掛かりますからね。
■ iPhone SE(2020)と比較して
Geekbench 5 で SoC の性能を比較してみました。iPhone 11 と同じ A13 Bionic を搭載した iPhone SE(2020)との比較ではシングルスコアで 30%程度、マルチスコアで 60%程、グラフィックの性能についても 48% ほどの性能の伸びがあるようです。iPhone 12 mini との比較ではそれぞれ 15%程の伸びに留まっているようですから買いかえを検討するほどでは無いかも知れませんね。
両者はほぼ同じサイズですが、iPhone 13 mini ではノッチこそ上部にあるものの、上下の余白が無くなってディスプレイのほぼ全面が画面となっているため、同じ 4x6 でアイコンを並べても表示に余裕を感じる事ができます。どちらも手の平にすっぽりと収まるので片手だけでほとんどの操作が可能ですが、iPhone 13 mini は角張ったデザインになったおかげで引っかかりが良くなり、ホールド感がかなり向上したように感じます。
指紋認証の出来る TOUCH ID を搭載していないので、外で Apple Pay を使ったりする際にやや手間が掛かるのは事実ですが、まあこれはそのうち慣れるでしょう。
それよりも思っていた以上にバッテリーの保ちが良いことが嬉しいです。SoC 製造プロセスの微細化と省電力化が大きく寄与しているのでしょうね。サイクリングに出掛けて Google Map などでちょくちょく位置を確認したりしていると iPhone SE(2020)ではかなりバッテリーの消耗が激しくて不安になる事もあったのですが、今のところ iPhone 13 mini ではかなり余裕が出来たように感じます。
この「mini」シリーズは iPhone 13 で最後になるのではないかと噂されているようですが、事実だとすれば非常に残念に思います。確かに大きなサイズのスマホは画面が見やすいというのはよく分かりますが、ランニングやサイクリングなどに持ち出すにはこれくらいのサイズ感が一番使いやすいんじゃないかと思うのですけどねえ・・・。大事に使っていきたいと思います。