ランニングは定期的に行っているのですが、膝や足の裏が痛くて思うように走れない事があったりするのでエクササイズに自転車も採り入れてみることにしました。車に乗るようになってからは疎遠になってしまったこともあって、なんだかんだマトモに自転車に乗るのは 20年ぶりくらいになるかも知れません。車ほどの移動能力は無いにしても、どこでも気軽に止まったり寄り道をしたり出来るという点でもカメラを持ってウロウロするにも良さそうです。
実は大学生の頃は TREK のマウンテンバイクに乗っていました。京都で下宿を始めた頃は今で言う ” ルック車 ” を買って通学やバイトの通勤に使っていたのですが、やはり色々と不具合やら不満やらが出てきてバイトで貯めた資金で買い替えたのですよね。確かクロモリフレームのやつだったかな。通勤通学以外にも何度か京都~神戸のプチ帰省に使ったりとそれはもうよく走ってくれました。
そんなわけで TREK にはちょっとした思い入れもあったのですが、なにせ最近の自転車事情に関する知識は皆無と言って良い状態だったので、まずは腰を据えて情報収集から始めることとしました。
■ クロスバイクにターゲットを絞って購入候補を探す
あまり高価なバイクを買っても今度は盗難などの心配事も出てくるというわけで、バイク本体の予算を 10万円程度に設定して情報収集を始めたのが 5月の終わり頃から。最初は ” クロスバイク ” というものがよく分かっていなかったこともあって サイクルベースあさひ 限定モデルの「BIANCHI BERGAMO」というエントリーロードバイクが中々お買い得な感じがしていいなと思って見ていました。
残念ながら自分に合いそうなサイズの納期は早くても 11月以降とのこと。新型コロナ禍のなかで自転車の人気が高まっていることに加え、ロックダウンなどの影響から各メーカーの生産能力の低下、輸送用コンテナや乗員の不足による海運市況の高騰と遅延などから今は世界的に自転車の大幅な供給不足になっていて、納期も延びてしまっているのだとか。特に主要パーツを生産しているシマノでは人気の高さも相まってパーツ不足が深刻な状況になっているそうです。
私の場合は特にレースに出たりしたいというわけでもないので、別にロードバイクにこだわる必要も無いのですよね。下調べを続けているとクロスバイクがちょうどロードバイクとマウンテンバイクの中間のような存在で、私がフィットネスに使ったり少し遠出をしたりするくらいならむしろこちらの方が良さそうだということが分かったので、クロスバイクを中心に探してみることにしました。まあこちらの方が更に供給不足が深刻になっているようなのですが・・・。
最終的に候補として残ったのが TREK の「FX 3 Disc」と Kodaa Bloom の「RAIL 700SL」。私が発注した時点では 2022年モデルの「FX 3 Disc」はまだ未発表で、予約すら始まっていない状況でしたが、「FX 3 Disc」は 2022年モデルでかなり大きな変更があったようなので、一緒に比較しておくことにします。今後購入される方の参考にでもして頂ければ幸いです。
FX 3 Disc(2021) | FX 3 Disc(2022) | RAIL 700SL | |
---|---|---|---|
ブランド | TREK | TREK | Kodaa Bloom |
設定価格(税込) | ¥94,600 | ¥99,000 | ¥95,700 |
重量 | 11.74 kg(M) | 11.38 kg(M) | 8.9 kg(480 mm) |
フレーム | Alpha Gold Aluminum | Alpha Gold Aluminum | “EAST-L”Triple butted Aluminum |
フォーク | FX Carbon | FX Carbon | Carbon |
変速 | 18段(2x9) | 10段(1x10) | 18段(2x9) |
シフター | (前)Shimano Acera M3000 (後)Shimano Acera M3000 |
(前)Shimano Deore M4100 (後)Shimano Deore M5120 |
(前)Shimano SORA (後)Shimano SORA |
ディレイラー | (前)Shimano Acera T3000 (後)Shimano Acera M3000 |
(後)Shimano Deore M5120 | (前)Shimano SORA FD-R3000 (後)Shimano SORA RD-R3000GS |
クランク | Shimano Acera MT210, 46/30T | Prowheel alloy, 40T | Shimano SORA FC-R3000 50/34T |
BB | Shimano BB-MT500 | ? | Shimano Tiagra BB-RS500 |
スプロケット | Shimano ALTUS HG200, 11-36T | Shimano Deore M4100, 11-46T | Shimano ALTUS HG201 11-32T |
チェーン | KMC X9 | KMC X10 | KMC X9 |
ブレーキ方式 | 油圧ディスクブレーキ | 油圧ディスクブレーキ | Vブレーキ |
ブレーキレバー | Shimano ACERA MT201 | Shimano ACERA MT201 | TEKTRO ML-520 |
ローター/ブレーキセット | Shimano TourneyTX RT26 | Shimano TourneyTX RT26 | Shimano ALVIO BR-T4000 |
タイヤ | Bontrager H2 Comp, 700x32c | Bontrager H2 Comp, 700x32c | Continental ULTRASPORT 700x28c |
2021年モデルの FX 3 Disc に採用されている「Acera」は、ロード用コンポーネントで言う「Claris」的な位置付けのようですね。クロスバイクは元々マウンテンバイクから派生したものである事から MTB用のコンポーネントを採用するのは自然な流れですが、「RAIL 700SL」の方は「SORA」をベースにしたコンポーネントで組まれており、かなりロードバイクに近い構成になっているようです。
ギア比を見てみると、2021年モデルの FX 3 Disc は最小 1 : 0.83 最大 1 : 4.18。RAIL 700SL の方は 最小 1 : 1.06 最大 1 : 4.55 となっています。最小ギア比が 1倍を割っているという事は、クランクを 1回転させても後輪は 1回以下しか回らないという事なので、より少ない力で坂道を登る(遅いですが)事が可能です。一方、最大ギア比が高いと言うことは、脚力は必要になりますが、より高速巡航に適しているという事を意味しています。
この点から考えると、うちの近所はどこに行くにも坂が多いのでどちらかというと FX 3 Disc の方が向いていそうですね。RAIL 700SL は、国内メーカであることや重量が 9kg を下回るというのも非常に魅力的でしたが、軽量化の影響か登坂時には剛性感に欠けるなんてレビューも見かけます。ほんとは乗り比べて実際に確かめてみるのが一番なのでしょうが、なかなかそうもいきませんしね・・・。
2022年モデルの「FX 3 Disc」はフロントが 1段となった代わりにコンポーネントのグレードが「Acera」から「Deore」に大幅に引き上げられるようです。ただやはり、私の住んでいるところでは少なくともフロントは 2段ある方が有り難いかなと思いました。フロントシングル化は全体重量の軽減に繋がるほか、チェーン外れなどのトラブルに遭う確率が大幅に減るというメリットはあるようですけどね。
■ 「ジーンバイクス 神戸西」さんへ
どれにするかまでは決めていなかったものの、クロスバイクを買う事に決めてからかなり早い段階でランニング途中に一度「TREK Bicycle 神戸須磨」にお邪魔して「FX 3 Disc」の実車に跨がらせてもらってサイズ感の目安を確認させて頂いていました。ちょうどいくつか設定しているランニングコースの 1つからちょっと足を伸ばせば行ける距離にあったのですよね。
「TREK Bicycle 神戸須磨」で対応して下さった方の接客が非常に丁寧でしたのでこちらで買おうかなとも思ったのですが、一番見たかった「Rage Red」というカラーの車体の在庫が無く、その時点ではまだ車種も決定していなかったので、取りあえずもう少し考えますと言うことでその日は退却。
TREK のバイクは対面販売しかしていないらしく、うちの近くで買うとしたら直営店の「TREK Bicycle 神戸須磨」か三宮にあるワイズロード辺りになるのですが、ワイズロードの方も在庫状況は直営店以上にかなり不安定な様子。ですが、もうひとつレビューを見ていて気になっているお店がありました。それが今回私がお世話になった「ジーンバイクス 神戸西」さんです。お店の外観からしてなかなかなおしゃれ感。
こちらは TREK直営店ではなく ” コンセプトショップ ” という位置づけです。なんでも国内初の TREK直営店となった「TREK Bicycle 神戸須磨」の立ち上げ期から関わって居られた方が独立して開業されたのだとか。大阪・枚方にオープンしたお店が今年で 3周年を迎えたそうで、現在は 2店舗で運営されています。在庫状況を HP でこまめに更新してくれるほか、電話での問い合わせにも丁寧に答えて頂けました。
場所はちょうど JR明石駅と西明石駅の中間くらい、国道 175号線沿いの東側に位置しています。定休日は毎週木曜日。営業時間は 12時~20時までと、開店が少し遅めなので行かれる方は注意してください。
うちからの距離はだいたい片道 15km~16km といったところでしょうか。普段ランニングしている距離で考えると往復ではかなりオーバーする距離になってしまいますが、LSD(Long Slow Distance)だと思って頑張って走って行ってみることにしました。まあ、帰りは暑さのせいもあってかなり後悔することになったわけですが(苦笑)。
一応電話で在庫の確認と取り置きをお願いした上で伺ったのですが、やはり実車の色を目で見て確認するというのは大きいですね。ちょうど納車を控えた整備中の同色のバイクがお店にあって、見た瞬間「コレだ!」となってしまい、その場で契約して帰りました。
ちゃんとしたお店だと店頭在庫があっても注文を受けてから再度グリスアップや注油、ホイールバランス調整や変速機調整、各所のボルトの点検などを行った上で引き渡してくれる関係上、ある程度納車までの時間は掛かるようですね(調整済で「即納」となっているものは除きますが)。アフターサービスを初め、この辺りの安心感はやはり通販では得られないところでしょう。
■ 納車の日を迎えました!
発注から約 1週間。ついに納車の日がやってきました!夕立が来そうな感じはしないでもありませんでしたが、幸い天候もなんとか保ちそうだったので今回はバスと電車で引取に伺いました。
オプションでお願いしていたボントレガーのスタンドとリアラックの取付も完璧です。別で買って持って行っていたボトルケージを取り付けたいので工具を貸して貰えないかお願いしてみたところ、なんとサービスでちゃちゃっと取付もして頂くことができました。ありがとうございます!
股下の長さを計ってシートポストの高さを調整して頂いた後、約 1時間ほど空気の入れ方から(仏式バルブは初めてでした)安全な乗り降りの仕方、変速機の操作説明までしっかりとレクチャーもして頂けました。昔乗っていたマウンテンバイクは「グリップシフト」と呼ばれるシフターだったので、ちょっと操作に慣れるまでは戸惑いそうだっただけにここでしっかり教えて頂けて良かったです。
ジーンバイクスさんでは自転車を購入した人に「オーナーカード」を無料で発行して頂けます。安全点検やプリライドメンテナンスという通常価格¥5,000 のメンテナンスメニューが購入したバイクに乗っている間ずっと無料になるほか、オーバーホールやパーツアップグレード、修理などの作業工賃がずっと半額になるという至れり尽くせりの特典を使わせて頂くことが出来るそうです。今はコロナで休止されていますが、ショップライドや整備方法のワークショップなどのイベントも開かれていたようですね。
TREK のバイクは正規販売店(直営店及びコンセプトショップ等)で 2020年以降に発売された製品を購入した場合、最初の購入者に限りフレームセット(フレームとフォーク)に生涯保証が付帯するそうです(事故など 例外 になる場合は除く)。その他のパーツ類の保証期間は 2年間とのこと。
FX 3 Disc のリアホイールは普通のクイックリリースですが、フロントはフォークの先端に切れ込みの無いスルーアクスル型のクイックリリースという一風変わった機構が採用されています。これがフォークの剛性と強度アップに貢献しているのだとか。フロントフォークはカーボン製でとても軽く、路面からの振動吸収性に優れているとのこと。長距離のライドでは手首の負担軽減という形で差が現れて来そうです。
クランクにはズボンの裾の巻き込みリスクとオイルによる汚れを軽減してくれるチェーンガードが標準装備されています。ペダルはちょっと芋っぽいので早めに交換したいかな・・・。
FX 3 Disc 以上のグレードの TREK のクロスバイクには、Bontrager の「Satellite IsoZone City Grip」という振動吸収性能に優れたグリップが採用されています。透けて見える白い部分がゲルになっていて手首への衝撃を緩和してくれます。グリップ形状も非常に持ちやすく出来ていて、疲れたらグリップの平らな部分に手の平を乗せるという乗り方も可能です。
お店で一緒に購入した ABUS のしっかりした鍵とチェーンオイルなどを受け取って、乗り心地を確かめながら帰路につきました。お店の方にはまた 1ヶ月後点検でお伺いしたいと思います。
いやはや軽快軽快!そしてさすがシマノのコンポーネント!シフトチェンジの反応も早いですし前後のディスクブレーキも非常によく効きます。BB にはシマノの「ホローテック」という規格のものが採用されていて非常に耐久性も高いそうです。ただ、聞いてはいましたがやはりお尻、かなり痛くなりますね。こればっかりは慣れるしか無さそうです。
明石海峡大橋をバックにパシャリ。ただしこちらの写真は後日改めてサイクリングに出掛けたときのものです。納車当日にも写真は撮っていたのですが、あいにく天気があまり良くなかったのでリベンジしに行きました。おかげでなんだか雑誌の表紙のような写真が(笑)。
車だと目的地に行って辺りをウロウロする程度になりますが、自転車なら途中気の向くままにどこでも寄り道したり写真を撮ったりとカメラとは非常に相性が良さそうです。新型コロナも依然終息の気配すらないのであまりどこか人の多いところに出掛けるという事もし難い状況が続いていますが、体力作りとダイエットに励みつつ、いつかは遠出出来るように備えておくこととしましょうかね。
FX 3 Disc に合わせて買ったアクセサリー類などについてはまた別の機会にご紹介したいと思います。