自転車で車道を走っていて怖いのは釘やガラスなどの落下物の他にマンホール、路肩付近に出来た段差など色々あるわけですが、やはりなんといっても背後から迫ってくる車。道幅の広いところだとまあ普通は車の方で避けてくれますが、対向車が切れない狭い道や上り坂などでは、すれすれを通られて怖い思いをする時もあるでしょう(車に乗っていると自転車を追い抜く時も怖いものですが・・・)。
特に最近ではエンジン音のしない電気自動車も増えて来たので、気が付いたら横に居たなんてこともあります。脇に避ける場所があれば車を先に行かせたり、信号待ちで止まった際に数台程度であれば先に行ってもらうようにしていますが、すぐ横に側溝があって避けることが出来なかったり、路肩に砂利が浮いていて下手に避けようとするとタイヤを取られて反って危険(何度かヒヤッとしました)ということもあるので、どうにも出来ない事もままあります。
せめて後ろから車が近づいてくるのが分かれば多少は違うのにな・・・と思ったら、さすがですね!既に「リアビューレーダー」という、後方から迫ってくる車両を検知して報せてくれる製品が発売されています。しかもよく分からない中華メーカーからでは無く、スマートウォッチやサイクルコンピューターで定評のある Garmin が発売してくれているのですよ。
リアライトと兼用になっている「RTL515」というモデルと、ライトを省いたぶん若干安価になった「RVR315」というモデルが用意されています。こちらが Garmin のプロモーション映像 ⬇⬇⬇
さてこの画期的な「リアビューレーダー」、とにかくどんなものか一度触ってみたいという方も居られでしょう。TREK では直営店全店で 12月末まで「GarminxTrek セーフティキャンペーン」という、この「リアビューレーダー」をお借りして実際に体験する事の出来るキャンペーンが実施されています。
非常に気になる製品でしたので、この機会に私も体験させて頂いておくことにしました。これはガジェット好きとしては見逃せないアイテムだと思います。
お邪魔したのは「TREK Bicycle 神戸須磨」。実はこちらのお店、TREK が日本で初めて直営店を開いたお店なのですよね。神戸を足がかりに 2021年12月現在、直営店だけで 21店舗にまで拡大しています。今は大規模な改築工事をしている(本館は 23年5月まで営業)須磨海浜水族園の真ん前にあります。
3階建てで 1階と 2階が店舗になっており、1階がテックの受付と主にクロスバイク、キッズバイクの展示、2階がロードバイクをメインにパーツやアクセササリーなどが置かれているようです。
お店周辺の地図はこちら ⬇⬇⬇ 数台ですが駐車スペースもあります。
こちらのお店、アパレルやアクセサリーの購入で何度か利用させて頂いていますがとにかく接客が素晴らしいお店です。自転車専門店と言うと敷居の高さを感じて入りにくいというイメージを持たれている方も居られるかも知れませんが、心配無用です。ちょっと見たいだけと言えば放っておいてくれますし、何か尋ねれば的確な答えを返して頂けます。試乗も予約は特に必要無いとのことなので、試乗可能なものの中で希望の車種が空いていればかなり融通を効かせて頂けるようです。あ、試乗する場合は身分証明書だけは持っていって下さいね。定休日は火曜日、営業時間は 11:00~19:00 です。
■ 「Émonda ALR 5 Disc 」をお借りしてリアビューレーダーを体験!
というわけで、リアビューレーダーの体験をしたいと申し出たところ、試乗車に取り付けて体験させて頂くことになりました。試乗車はカーボンのものでもいいとのことでしたが、自分がもし買うとしたらアルミなのでとお伝えしたところ、Émonda ALR 5 Disc をご用意して頂くことができました。
お借りした TREK の「Émonda」シリーズは、TREK のロードバイクのラインナップの中ではヒルクライム向けとされているモデルのようですね。ただその割には「ALR 5 Disc」のドライブトレインはクランクが 50/34 に対してスプロケットが 11-28 と高速仕様になっているようでした。脚を鍛えて登れということなのでしょうか(笑)。Shimano 105シリーズのコンポーネントを搭載しています。
「ALR 5 Disc」はアルミ製ですが、ペダル抜きの完成車重量が 9.04 kg(56サイズ)と、9 kg を切りそうな勢いです。私の FX 3 Disc は色々と余計な物を取り付けているせいもありますが、思わず「軽っ!」と言ってしまいました(後日「Madone SLR」のフレームを持たせて頂いて更に驚愕しましたが)。
生まれて初めてロードバイクというものに乗った(笑)ので、シフト操作に慣れるまでちょっと戸惑いましたが、なるほど、クロスバイクとは全く別の乗り物ですね。軽く踏み込めばすぐに 30km/h 程度は出ますし路面からの振動の吸収性能が高くて非常に走りやすかったです。試乗時間は大体 20分くらいを目安にということでしたので、御崎公園付近まで行って帰ってきました。
さて、肝心の「リアビューレーダー」です。まずは取り付け状況から。
お借りしたのはリアライト付きの「RTL515」。見ての通りですが意外に縦のサイズがあるので、サドルバッグを併用する方は取り付け方法を少し工夫する必要がありそうです。本体のサイズは「RTL515」が 39.6x98.6x19.7 mm で 71 g、リアライト機能の無い「RVR315」は 40x72x20 mm で 51 g とのこと。充電端子は裏側の下部にあり、microUSB が使われています。自転車用品はまだ microUSB を使う事が多いようですが、そろそろ Type-C に移行して欲しいところ。
防水性能も IPX7 対応と十分。付属の「ユニバーサルシートポストマウント」で取り付けられていましたが、バンドでマウントを固定する方式のため、より保持力の期待出来る他社のアタッチメントに取り替える方も居られるようです。
「RTL515」「RVR315」のどちらの機種も ANT+ と Bluetooth での接続に対応しており、Garmin Edge シリーズはもちろんのこと、各社のサイクルコンピューターやアプリを使ったスマートフォンでの表示にも幅広く対応しています。対応デバイスのリストを見ていると、なんと Garmin のスマートウォッチでも表示できる模様。どのように表示されるのか気になりましたが、今回は Garmin Edge 530 も一緒にお借りしました。こちらも以前から一度触ってみたかった機種です。
さすがに走行中に撮影するわけにもいかないので停車した状態でレーダーの挙動を見てみました。
何事も無い状態では左端の画面の様に普通のサイコン表示ですが、車が近づいてくると両サイドが赤くなり、自車の位置が赤丸点で、迫り来る車の位置が白丸点で表示されます。真ん中の 2枚で白い点が近づいているのが分かりますでしょうか。車が通過すると画面両端が緑で表示されて安全になった事を報せてくれます。車が連なっているときはちゃんと白丸点が複数個表示されて分かるようになっているのは凄い!
Garmin のリアビューレーダーからは「ミリ波」という、濃霧や雨天などの天候の影響を受けにくく、逆光などの悪条件にも強い電波が照射されており、最大で 140m 後方からの車両の接近を検知することが出来るそうです。最近では車の自動運転用の障害物レーダーとしても使用されている技術ですね。
交通量の多い幹線道路や道幅の狭い峠道などを走行する機会が多い方には特に後方確認が楽になる非常に便利なガジェットだと思います。最終的には自分の目で振り返って安全確認をすべきですが、路上駐車している車を避ける時なんかにも非常にありがたいものとなるでしょう。リアライト付きの「RTL515」で 2.6万円程度、ライト無しの「RVR315」で 1.8万円程度と決して安くはありませんが、価格に見合う安全性は得られるのでは無いかと思いました。一度使ってみると如何に便利かがよく分かるでしょう。
お店の方も私自身もすっかり忘れてしまっていたのでキャンペーンの懸賞の応募はし損ねてしまいましたが(笑)、非常に貴重な体験をさせて頂くことが出来ました。こういう機会があるとやはりロードバイクも欲しくなってしまいますね・・・。まあ資金的な問題と置き場所の問題があるので少なくとも今は手を出すつもりはありませんが・・・。
冒頭にも書いたとおり、今年の年末まではリアビューレーダーの体験キャンペーンが続いているはずなので、興味のある方は TREK の直営店に遊びに行かれては如何でしょうか。そろそろ 2022年モデルの車体も入荷し始めているようなので見せて頂く事も出来るかも知れませんよ。