先日サイクリングに出掛けた際に、昼食を取るためサイクルコンピューターの記録を一時停止させようとして操作を誤り、保存処理を行ってしまいました。こうなってしまうとライドデータの記録再開が行えず、前半と後半といった具合にアクティビティデータが 2つに分かれて記録されてしまいます。
Garmin のスマートウォッチやサイクルコンピューターなどを使っている方なら一度や二度は経験があるのではないでしょうか?今回は、そのような場合に分割されてしまったアクティビティデータを 1つに結合して Garmin Connect にアップロードし直す方法についてメモしておく事にします。
■ Garmin デバイス内に記録されたアクティビティデータを取り出す
Garmin のデバイスを使って記録されたアクティビィティデータは、通常はスマホを経由して「Garmin Connect」にアップロードされるでしょう。「Garmin Connect」から複数に分かれてしまったアクティビティデータをダウンロードしても構いませんが、PC と USBケーブルで接続して直接入手した方が手っ取り早いのではないかと思うので、ここではこちらの方法をご紹介しておきましょう。
記録されたアクティビティデータは「fit」というファイル形式で Garmin のデバイス内部に保存されるようになっています。このファイルには、測位衛星を使って取得した移動データや時刻、各種センサーからの情報などが記録されているようです。
下は「Edge 840」を USB Type-C to Type-C ケーブルを使って PC に接続し、Windows 11 のエクスプローラーで中を覗いてみた様子です。Forerunner 955 のようなスマートウォッチの場合は、付属のチャージングケーブルや、充電コネクタの変換アダプター などを使って PC に繋いで下さい。
「Edge 840」の場合は「Activities」というフォルダに「日付-記録開始時刻.fit」という命名規則で保存されるようです。今回はこのうち 6月19日に 2つに分かれて記録されてしまったデータを統合したいので、PC 内部の適当なフォルダにコピーしておきます。もちろん USBメモリなどを使っても構いません。
尚、Garmin のデバイス内部にはシステム稼働に必要なファイルが多数記録されています。特にプロテクトなどは掛かっていませんので、対象外のファイルを誤って削除してしまったり上書きしてしまったりしないよう充分注意して操作して下さい。完全に復元出来るかは分かりませんが、作業開始前に念のため全体のバックアップを取っておくのも良いでしょう。
■ 「FIT File Tools」で取得したファイルを統合
取り出した「fit」ファイルは Windows 標準の「メモ帳」アプリでは文字化けしてしまってとても読めたものではありません。「Notepad++」というアプリを使えば一応中身を見ることはできましたが、意味の分からない文字の羅列となっているので手作業で結合するというのは困難でしょう。どうやらバイナリデータが記録されているようです。
そこで「FIT File Tools」という Webアプリケーション群を使って結合作業を行ってみることにします。
上記ページから「File Combiner」の「Launch」ボタンをクリックします。
すると下の様に FITファイルをアップロードする画面が表示されます。
使い方は簡単!結合させるために予め Garmin のデバイスから抜き出しておいた FITファイルをエクスプローラーから「Step 1」の所にドラッグ&ドロップし、「Step 2」の「Go !」ボタンをクリックするだけです。ファイルの順番などを意識する必要もありません。
しばらくするとアクティビティデータの結合されたファイルが生成されるので、ダウンロードして任意のフォルダや USBメモリなどに保存しておきます。
■ 「Garmin Connect」にアップロード!
アクティビティデータの結合作業が終わったら「Garmin Connect」にアップロードしましょう。
「Garmin Connect」にログインして画面左側のメニューバーから「アクティビティ」→「すべて」と進むとこれまでに「Garmin Connect」にアップロードされたアクティビティデータの一覧が表示されますので「データのインポート」をクリックします。
「データのインポート」という画面に移ったら先程結合させた「FIT」ファイルをドラッグ&ドロップし、「データのインポート」をクリックすると「Garmin Connect」にアップロードが行われます。
この時、「このファイルは既にアップロード済みです」というメッセージが表示されてアップロード出来ない場合は、「Garmin Connect」にアップロードされている結合前のアクティビティデータを削除してみてください。その後改めて結合済みのデータをアップロードすれば上手くいくはずです。
結合前のデータも残しておきたい場合は、先程の「FIT File Tools」で「Time Adjuster」という機能を利用すれば結合済みのアクティビティデータの登録日時を変更することが出来る様です。私はどのみち結合前のデータは要らないので削除しましたけどね。
アップロードした結合済みのアクティビティデータは、PC の「Garmin Connect」だけでなくスマホやタブレットの「Garmin Connect」アプリでも詳細を確認する事が可能です。
もしサイクルコンピューターなどのデバイスの方でも結合済みのアクティビティデータを確認できるようにしたい場合は、再び USBケーブルでデバイスと PC と接続し、「Activities」フォルダにデータをコピーして下さい。上記は Edge 840 にデータを戻した場合ですが、概要の確認は出来るようになります。ケイデンスや心拍のデータは端末の方では確認出来ないようなので、「Garmin Connect」の方で行って下さいね(そちらでは詳細なデータの確認が可能です)。
ちなみに昼食休憩などで「Edge 840」のアクティビティデータの記録を一旦止めたい場合は、右下のボタンを押下して一時停止し、そのまま左上のボタンからスリープモードに移行させるのが良さそうです。これならスリープを解除して「再開」操作を行えば続きからデータの記録を行ってくれます。ただ、この場合は間違って「電源オフ」を選ばないよう注意が必要ですね。