須磨海岸にある「神戸市立須磨海浜水族園」がリニューアル工事のため、2023年5月31日を以て全館閉園となります。リニューアルオープン後は所有者が神戸市から民間の「グランビスタ ホテル&リゾート」に移り、「神戸須磨シーワールド」の名称で 2024年の春にホテルやレストランなどを併設した海浜リゾートパーク施設として生まれ変わる予定です。
実は神戸は日本の水族館発祥の地とされているそうです。1895年(明治 28年)に京都で開かれた「内国勧業博覧会」に協力する形で和田岬に「和田岬水族放養場」を開設。その 2年後に開かれた第二回「大日本水産博覧会」に合わせて「和田岬水族館」を建設したことに始まるのだとか。
現在の「須磨海浜水族園」は 1987年に老朽化した前身の「須磨水族館」を建て替えて作られたものです。「須磨水族館」は 1957年に神戸市によって建設され、当時は東洋一の規模を誇ったそうです。長らく神戸市民に親しまれてきた「須磨海浜水族園」も老朽化が目立つようになり、この度民間業者による再整備と運営でリニューアルされることになりました。
既に閉園まで 1ヶ月を切っていますが、閉まってしまう前にもう一度観に行っておくことにしました。水族館なんて観に行くのいったい何年ぶりのことでしょう(笑)。撮影OK とのことなので、たっぷりの写真と共にご紹介しておきます。
2023年5月3日の時点で入園可能なのは本館のみ。「イルカライブ館」「世界のさかな館」「アマゾン館」「ラッコ館」「さかなライブ劇場」などは既に取り壊されて再整備の真っ只中です。水族園としての規模は大幅な縮小となりましたが、代わりに入園料が大きく割引されています。
大人(18歳以上) | 中人(15~17歳) | 小人(小・中学生) | 幼児 |
700円 | 400円 | 300円 | 無料 |
団体割引やシニア割引、障害者割引などもあるそうです。詳しくは「こちら」からご確認ください。閉園まで期間が無いことから当然ながら年間パスポートの受付は終了しています。代わりに「スマスイ・スマイルパス」という、閉園まで何度でも入園可能なフリーパスポートが販売されているそうです。
「神戸市立須磨海浜水族園」
住所 : 兵庫県神戸市須磨区若宮町1丁目3-5
電話 : 078-731-7301
営業時間 : 9:00 ~ 17:00(GW 期間中は 20時まで)
休館日 : 閉園までなし
駐車場 : なし(須磨海浜公園第一駐車場(有料)は利用可能)
備考 : 各種カード・電子マネー・QRコード決済利用可能
入園は閉園時間の 1時間前まで
アクセスは、電車を利用する場合は JR なら「須磨海浜公園」駅、山陽電鉄なら「月見山」で下車。南へ徒歩 5分~10分程度です。JR の場合は「須磨」駅で下車して新しくなった海側の遊歩道をブラブラと歩いてくるのも良いでしょう。自転車の駐輪スペースは本館の入り口付近に少しあります。
車で行く場合、専用の駐車場はありませんので、併設の「須磨海浜公園第一駐車場」などを利用する必要があります。また、国道 2号線に面しているため、西行きの場合はいいですが東行きの場合は交差点の右折がちょっとややこしくなっているのでご注意下さい。
入り口横にある券売機でチケットを購入し、受付で見せて入園という流れです。電子マネーや QRコード決済は券売機では使えませんので、窓口の方へ申し出て下さい。
館内に入るとまずは正面に 1,200t もの水量を蓄えた「波の大水槽」がお出迎えしてくれます。
サメやエイなどが優雅に泳いでいました、館内の照明の反射が多く、取りあえずエイの顔だけ撮影。
「コーラル・バリアビリティ」と名付けられた水槽では色とりどりの魚が珊瑚を突いたり影に隠れたりしていました。いやあ、癒やされます。
これ、神戸・明石界隈では ” くぎ煮 ” でお馴染みの ” イカナゴ ” だそうです。最近海が綺麗になりすぎたとかで不漁が続いて高騰しているのですよね。今年のシンコ漁解禁日初日には、明石・魚の棚商店街で朝一番が 4,000円 / kg あたりの高値で販売されていたそうです(1週間後には 1,500円 ~ 1,800円 / kg 程度には落ち着いたようですが)。
コブダイが居ました。なんだか頭が良さそうですが、中身は脂肪が一杯に詰まっているそうです(笑)。
インド洋や紅海で見られる「ツユベラ」だそうです。
穴子はこうやって筒状の物の中に入るのが好きらしい。あぶれた子が入りたそうにウロウロしてました。
円筒形の水槽の中を鰯の大群が回遊していました。こちらも硝子の反射がキツかったので寄って撮影。結構な迫力だったのですがちょっとこれでは伝わりませんね・・・。
ウツボはいつ見ても恐ろしい。
こちらは高級魚の「クエ」でしょうか。
みんな大好きチンアナゴ。結構動くのでなかなか上手く撮れない・・・。
たくさんの子を抱えたタツノオトシゴ。実はこちら、雄なのだそうです。
隣には魚なのに巣穴を作る「イエローヘッドジョーフィッシュ」が。めっちゃ見張ってます(笑)。
明石海峡と言えばやはりタコですよ!
1億年以上前からほとんど姿形を変えてないと言われる古代魚の「ガー」も展示されていました。中でも ” スマスイ ” の「ロングノーズガー」は、須磨海浜水族園生まれでなんと 46歳にもなるそうで、「ガー爺」と呼ばれて親しまれているそうなのですが、写真を撮り忘れるという大失態。
こちらは「ヘラチョウザメ」。” サメ ” と付きますが、所謂 ” 鮫 ” の仲間では無く、” チョウザメ目 ” という全く別の種類なのだそうです。こちらも太古から姿形の変わっていない「生きた化石」と呼ばれる生きものの 1種です。この長い鼻の先にある大きなヘラで生きものが出す微弱な電気を感知するのだとか。
クラゲもいいですね。ここだけでもボーッといつまでも眺めていられる気がします。
2階へ上がるとお土産屋さんとフードコートがありました。一応屋上でペンギンなどを見ながら食べることが出来るようになっているようです。バンドウイルカのぬいぐるみはちょっと買いかけましたがなんとか自重(笑)。一部の商品は オンラインショップ でも買えるようです。
屋上に出ると工事中の新施設が一部見えました。こちらはシャチのショーをすることになる施設でしょうか。
屋上ではマゼランペンギンの他にアザラシやリクガメなどを間近に見ることが出来ました。以前はカピバラも居たようですが、3月に死んじゃったようですね・・・。ペンギンも動き回れる範囲が狭くてちょっと可哀想な感じ。時間が合えば餌やりを見ることが出来るそうです。
ゆっくり見て回ってもだいたい 1時間ちょっとあれば全部見れる感じでしょうか。本館のみの営業ということで規模としては小さいですが、いいリフレッシュになりました。個人的にはクラゲや珊瑚礁の水槽の前ならいくらでもボーッとしてられます(笑)。三宮に出来た ” atoa(アトア)” の方もそのうち一度くらいは観に行ってみましょうかね。
■ 再整備完了後のグランドオープンは 2024年春!
再整備工事完了後は、「神戸須磨シーワールド」の名称で 2024年春のオープンを目指しているそうです。イルカやシャチのパフォーマンスを観たり、シャチが泳ぐ姿を見ながら食事を楽しむことが出来るレストランなどが出来るのだとか。
完成予想図:須磨海浜水族園・海浜公園 再整備プロジェクト
全体像は上のイラストのような感じになるみたいです。海岸沿いの遊歩道は既に水族園前から JR須磨駅 の少し奥まで整備されて通れるようになっています。今年の夏は海水浴客で混むことでしょう。
須磨水族園の本館 2階には施設の模型が展示されていました。かなりの規模になりそうな感じ。
東にある立体駐車場のビルは一足先に完成していて、5月1日から利用できるようになっているそうです。平日は最初の 1時間が 300円、以降 60分毎に 200円が追加され当日最大料金は 700円、土日祝日は 最初の 1時間が 400円、以降 60分毎に 200円追加で最大料金の設定は無いそうです。7月 8月は海水浴客で混みそうですが、料金体系も変わるようなのでご注意下さい。「こちら」などで確認されることをお勧めします。
駐車場は事前精算式で現金払いのみ。クレジットカードや電子マネー類は利用できないそうです。
南側の海岸沿いにある遊歩道の方に回ってみました。正面の三角屋根の建物が本館ですが、これで見納めとなりそうです。「神戸須磨シーワールド」の料金設定は、大人 1日券が 3,100円、中学生以下が 1,800円程度になりそうです。” スマスイ ” の頃よりは随分上がってしまいますが、その分見応えのある施設になってくれることを期待したいですね。