今年の冬は暖冬と言われているそうですが、気温差が激しいですね・・・。確かに 12月とは思えない暖かさの日がある一方で、冬らしい厳しい寒さになる日もあったりして、サイクリングに出掛ける際は服装の選択に悩みます。1日を通して暖かい、寒いならまだいいのですが、午後から急に冷え込んだりもしますからね・・・。
今年の目標の 1つ、「自転車で往く神戸七福神めぐり」を満願成就するべく、摩耶山の山頂付近にある「忉利天上寺(とうりてんじょうじ)」へ行って来ましたので、その様子をご紹介しておきます。「神戸七福神めぐり」は、これまでに長田神社の「恵比須神」、生田神社の「弁財天」、湊川神社の「毘沙門天」、須磨寺の「福禄寿尊」、有馬・念仏寺の「寿老人」様を回ってきましたので、今回の「忉利天上寺」で 6箇所目となります。
先日 六甲山までヒルクライム した時は国道 428号線(有馬街道)と県道 16号線(明石神戸宝塚線)の交わる「小部峠」からアプローチしましたが、有馬街道は非常に交通量が多い、そして小部峠から神戸弘陵の辺りまでは道幅が狭い割に大型車なども多く、あまり自転車で走りたい道ではないので、今回は少し南の「洞川(どうがわ)線」から再度山方面に登っていくことにしました。
こちらは途中にある「洞川湖(どうがわこ)」。実はこの湖、自然に出来たものではなく、砂防ダムを造った結果生まれた人造湖なのだそうですが、見事に周囲の景色に溶け込んでいてお気に入りのスポットの 1つです。ちょっと時期を外してしまいましたが、紅葉も綺麗なのですよね。
「再度山ドライブウェイ」出た後北上して「関の茶屋(茶屋といっても今は自販機しかありませんが)」のある「五辻」の交差点へ。サイクリストが大好き(偏見?)なコーラを通常価格で買える貴重な休憩スポットです(笑)。ここから森林植物園の側を登って六甲山方面へ。
六甲山牧場まで登ってきました。摩耶山天上寺へ行くにはここから「奥摩耶ドライブウェイ」に入ります。この道は二輪自動車は通行禁止なのですが、自転車なら大丈夫。このまま六甲山に登るよりはマシですが、アップダウンが続くのでここからも中々にハードな道が続きます。
■ 摩耶山の山頂近くにある「忉利(とうり)天上寺」に到着!
六甲山牧場からも思いのほか距離があって疲れましたが、ようやく「忉利天上寺」に到着!
「忉利天上寺」 宗派:摩耶山真言宗 本尊:十一面観音菩薩、仏母摩耶夫人尊
住所 : 兵庫県神戸市灘区摩耶山町2-12
電話 : 078-861-2684
拝観時間 : 9:00 ~ 17:00
備考 : 拝観無料、有料駐車場有り
山号は「佛母摩耶山」。「忉利天上寺(摩耶山天上寺とも言う)は、孝徳天皇の勅願によってインドの高僧「法道仙人」によって大化 2年(西暦 646年)に開創された大変な古刹なのですが、1976年に賽銭泥棒が放火したため往時の建造物は仁王門など一部を除いて焼失してしまい、今の場所に移転、再建されています。なんて罰当たりなことを・・・。
自転車は西山門の側にある駐車場の方に置かせてもらってお参りすることにしました。これより上に駐車場は無いらしく、眺望スポットの「掬星台」に夜景を観に行く場合も車はここで置いて夜道を歩いて行く(10分程)必要があるそうです。熊が出たという話は聞きませんが、猪は出るかもなのでご注意を。
奥に見えるのが天上寺の西山門。ここから続く参道では結構な階段を上ることになるので、歩きやすい靴でお参りすることをお勧めします。
手水舎(瀬水舎)も立派なもの。最近よく見かける、人感センサーで水が出るタイプになっていました。手水舎の向かいには天竺堂という、インドより贈られた総大理石の摩耶婦人(お釈迦さまの生母)像が祀られたお堂がありますが、普段は扉が閉じられているようです。
ほんと、結構な階段です(笑)。階段を上りきると ” 若ガエル ” がお出迎え。
参道を登り切るとまず目に入ってくるのが「摩耶夫人堂」。全国でもここにしか無いのだとか。
鐘楼の「華曼荼羅の鐘」には四季に咲く 33種類の花々が鋳込まれているそうです。
こちらは「金堂(本堂)」。内部にはご本尊の十一面観音さまのほか、福徳円満の布袋尊像などたくさんの仏様がお祀りされていますが、内部は撮影禁止とのこと。
左は長寿を願う地蔵として人々の信仰を集めている「延命大地蔵尊」。右はインドより渡来し、孝徳天皇の勅願を受けて摩耶山を開かれた「法道仙人」の石像。
枯山水庭園もよく手入れされていて美しい。こちらは法道仙人が天竺より渡来し、摩耶山を開創したことをモチーフとした「仙人来朝之庭」。
こちらは「天空の大舞台」にある「通天門」。山の斜面に境内を作ったためこのような舞台になったようです。ここからの眺めがまた素晴らしい。
若干ガスってますが、空気が澄んだ日には小豆島まで望めるのだとか。ここからの景色は一見の価値がありますよ。
「お愛でたガエル」さまは撫でると家庭しあわせ、子孫健やかの御利益があるのだとか。ペカー!
金堂の裏にもお地蔵様がたくさんあります。
御朱印を頂きに鐘楼の側の御供所に。
蛙さまに見送られながら天上寺を後にします。
なるほど、「天空の大舞台」はこんな感じにせり出していたのですね。
紅葉のピークは逃してしまいましたが、それでもなかなかのもの。「摩耶山天上寺」は、「関西花の寺二十五ヶ所霊場会」にも属しているそうで、四季折々の様々な美しい花を楽しむことが出来るお寺としても知られています。また、春から夏にかけては南から北へ、秋になると南へと 2,000km 以上も ” 渡り ” をする個体もあるとされる「アサギマダラ」が好物のフジバカマを求めて飛来することでも有名なのだとか。とにかく見所たくさんの「摩耶山天上寺」、是非訪れてみて下さい。
■ 少し脚を伸ばして眺望スポットの「掬星台(きくせいだい)」へ
せっかくここまで登ってきたので、「日本三大夜景」の 1つとされている摩耶山の「掬星台」にまで脚を伸ばしてみることにします。もっとも、夜景の時間まで居ると帰りはほんとの真っ暗な夜道になってしまいますので暗くなる前に退散しますが。
天上寺の所でも書きましたが、掬星台付近の最後の駐車場は天上寺西山門側の有料駐車場です。これより先に少し進むと車も入れなくなるのでご注意下さい。夜景スポットなだけに、特に夏場の夜間などは待機列が出来る事もあるようです。自転車はそのまま頑張って掬星台までどうぞ。
市街地方面からは摩耶ケーブルと摩耶ロープウェーを乗り継いで上がってくることも出来ますが、「摩耶ケーブル駅」がちょっと不便な場所にあるようですね。運行スケジュールもどうも不安定なようで、風が吹いて止まったり、整備のために運休していることなどもあるので、事前によく調べてから出掛けることをお勧めします。運賃は 2023年12月現在で大人往復 1,560円だそうです。ハイキングで登る方は不安定な場所もありますので、登山向きの靴は使った方が良いかと思います。怪我したらつまんないですよ。
掬星台に到着!おお、確かにこれはなかなか!標高は 702m らしい。
掬星台はこのような公園になっていて、摩耶ロープウェーの駅のほか、カフェレストランやレンタサイクルの貸出(冬期は休業っぽい?)なども行っているそうです。到着したのが 16時過ぎだったのですが、この時点で気温 3℃ ・・・。寒かった(笑)。
まずは広角で!開放感たっぷりで非常に気持ちの良い場所です。
望遠に付け替えて六甲大橋、六甲アイランド大橋から大阪湾の夢州、舞州方面でしょうか。
神戸大橋と神戸ポートターミナル。最近は豪華客船がよく入港していますが、この日は居ませんでした。
こちらはメリケンパークオリエンタルやホテルオークラ、川崎重工の造船所などが見えていますね。確かに夜景はさぞかし綺麗なんだろうと思います。寒かったですが、余りに気持ちよくて 30分程持ってきた珈琲を啜りながらボーッとしてしまいました。いつか頑張って椅子を持って上がってこよう・・・。
■ 御朱印を頂いてきました
六甲山へ登って一軒茶屋まで行った時ほどではありませんが、六甲山牧場から摩耶山までもまたアップダウンがあるので、やはり獲得標高で 1,000m は越えてきますね。何カ所か落石防止工事で片側交互通行になっている場所があったので、特に下りはご注意ください。
なるべく日暮れ前に帰れるようにしたつもりでしたが、冬至前ということもあって日が落ちるのがほんと早いですね。まあこの辺りも道がだいぶ分かってきたので、以前よりは随分走りやすくなりました。
まずこちらが忉利天上寺の御朱印。
「神戸七福神めぐり」には専用の御朱印帳が用意されていて、それぞれの神様のイラストが予め添えられています。摩耶山天上寺は布袋様。御利益は、笑門来福、夫婦円満、子宝、開運、商売繁盛、無病息災とさまざま。布袋様の持つ大きな袋は「堪忍袋」なのだそうです。
本当は紅葉のピークに合わせて摩耶天上寺をお参りしようと思っていたのですが、なかなか予定通りにはいかないものですね・・・。妙に気温が高い日が続いたりしたこともあって今年は紅葉のピークが特に分かりにくかった気がします。これで「自転車で往く神戸七福神めぐり」も残すところは再度山の「大龍寺」のみとなりました。なんとか今年中に達成出来そうです。