現在 Canon の PIXUS MG8130 というプリンターを使用しているのですが、ヘッドの目詰まりによって上手く印刷出来ない事が増えて来ました。日常的にプリンターを使用していればこの種の問題は起こりにくいのですが、印刷頻度が少ないとどうしても「目詰まり」が生じ易くなってしまいます。
通常であればプリンタの機能として用意されている「クリーニング」や「強力クリーニング」を行う事で、インクを大量消費することと引き換えに大体の場合は目詰まりが解消されるのですが、長期間放っておいた場合などでは残っていたインクが乾燥して印刷ヘッドに固着してしまう場合があります。
クリーニングが終わった後に「テスト印刷」をするとインクがきちんと出ているかどうか確認する事が出来るのですが、今回はどうやらマゼンタが全く出なくなってしまったようでした。顔料の黒もかなり怪しげな状態です。最近はたま~にクリックポストの宛名を印刷するくらいでしたからね・・・。
PIXUS MG8130 は購入してからもう 10年程になります。メーカー修理は 2016年に打ち切りになってしまっていますし、仮に修理できたとしても 1万円程度は掛かって来るでしょう。最近の普及価格帯のプリンターは価格が下がっているので、修理に出すくらいならさっさと買い換えてしまった方がいいというケースの方が多いと思われます。というわけで、最悪再起不能になってしまったなら買い換えを考えようと、以前から一度試してみようと思っていた「プリンタヘッドの洗浄」を行ってみることにしました。
但し、こちらで紹介している方法は製造メーカー非推奨の方法です。あくまでも最終手段とお考え下さい。最悪の場合、プリンタヘッドに致命的なダメージを与えてしまう可能性があります。特にプリンタヘッドに取り付けられている基板は濡らさないよう十分注意して下さい。もし何か不具合が生じたとしても私の方では一切の責任を負いかねます。
それでは作業を始めていくことにします。事前に用意しておくものはプリンタヘッドを浸けるためのコンビニ弁当などの容器くらいです。プリンタヘッドが入り、2cm ほどお湯が入るならカップ麺の容器などでも構いません。作業が終わったら捨ててしまえるのでこのような場合にはちょうどいいのですよね。



まずは MG8130 のスキャナ部分を持ち上げてインクタンクを全て取り外します。インクタンクを取り外したらプリントヘッドを固定している赤枠で囲ったグレーのパーツを上に引き上げます。特にロックなどはされていないので簡単にできるはずです。緑枠で囲ったパーツがプリンタヘッドになります。



プリンタヘッドを手前に倒すような感じにすると外れるはずです。プリンタヘッドを取り外す時は、ノズルの部分や緑色の基板に触れないよう注意してください。
先に容器にノズル部分が漬かる程度のお湯を張っておき、ノズル部分を下にしてプリンタヘッドを漬け込みます。すると、右の写真のように真っ黒なインクが浸み出してきます。お湯は湯沸かしポットの 90℃くらいのお湯で問題無いようです。色の付いてしまっているフィルターの部分にも上からスポイトなどで水を張ってやって大丈夫です。
ただ、この時プリント基板部分を濡らさないように十分注意してください。水没させてしまうと腐食に繋がる恐れがあります
何度かお湯を入れ替えながら作業を繰り返していると次第に色が浸み出さなくなってきます。この状態にまで綺麗になったところで浸けたままにして 1時間ほどほったらかしにしておきました。

容器から取り出したら水気を切り、ティッシュペーパーなど吸水性に優れたものの上にプリンタヘッドを下にして置き乾燥させます。30分程放置した後ひっくり返してもう 30分ほど乾かしておきました。夏場は乾きが早くていいですね。インクの色が付いていたスポンジの様な部分がかなり綺麗になっているのが分かるかと思います。

しっかり乾燥させたら後は取り外した時と逆にプリンタヘッドを本体にはめ込み、グレーの固定パーツを戻してインクをセットするだけです。
印刷テストを行ってみました。大丈夫なようですね。今回は費用も掛かりませんでした。「プリンタヘッドクリーニング液」なるものも販売されていますが、そうしたものを試すのは先にお湯で試してからでもいいのではないかと思います。
これでもうしばらく頑張ってくれそうです。何度も言いますが、基板部分だけは濡らさないように気をつけること。これだけは気をつけて下さい。あと、くれぐれも「自己責任」でお願いしますね。