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20年近くに渡る超ロングセラーイヤホン!ハウジング素材に天然木を採用した audio-technica の ” 耳掛式 " イヤホン「ATH-EW9」をレビュー!

ATH-EW9 パッケージ 夏です!暑いです!音楽の世界に浸りたいと思っても暑苦しくてヘッドホンなんてしてられません!

普段はもう Bluetooth接続のイヤホンで充分ですが、じっくり聴き込む時はやはり有線接続のイヤホンも手放せません。とは言え手持ちの ONKYO製「E700M」という機種を購入したのは 4年近く前のこと。断線したりといったことさえしていませんが、さすがにちょっとへたってきてしまいました。

代わりのイヤホンをぼちぼち探していたのですが、現在主流の「カナル型」のイヤホンって耳栓をするような構造になっているので案外熱が籠もるのですよね。なるべく着けても暑苦しく無くて良さげなものは無いかと物色していると、audio-technica の「ATH-EW9」という ” 耳掛式 " のイヤホンがまだ売られていた事を知りました。なんと発売から 20年近く経っているのに現役なのですよ。凄くないですか?


今回実際に購入してしばらく使ってみましたので、レビューしておくことにします。

■ 今時珍しい有線接続の " 耳掛式 ” イヤホン

今時のイヤホンは Bluetooth接続の無線式のものがすっかり主流になりました。以前は Bluetooth接続のイヤホンというとブツブツ音が途切れたり、音質が悪かったりしたものですが、技術の発展によって音切れなんてほとんど無くなりましたし、LDAC や aptX などの高音質コーデックの登場により、無線接続のイヤホンでもゆっくりと音楽に浸ることが出来るようになっています。

ですが、有線接続のイヤホンに魅力を感じている人が一定数居ることも事実。お気に入りの高音質の DAP や DAC から出力された音を劣化すること無く楽しむことが出来ますし、なにより原理的に ” 遅延 ” というものが生じません。違和感を感じること無く映画やライブ映像に没頭することが出来ますし、夜間にスマホやタブレットでタイミングにシビアな ” 音ゲー ” などを楽しんでいる方にとってはやはり有線接続のイヤホンはマストアイテムと言っていいでしょう。

そんな有線接続のイヤホンの中でも、audio-technica の「ATH-EW9」は今となってはかなり異色の存在です。かつては ” 耳掛式 ” イヤホンも色々なメーカーから発売されていましたが、今や作っているメーカーがほとんど無くなってしまいましたからね・・・。

” 耳掛式 ” イヤホンはその名の通り耳に引っ掛けてぶら下げているだけなので構造上音漏れし易い(=外の雑音もよく聞こえる)ですし、現在主流となっている ” カナル型 ” のイヤホンに比べて低音の迫力はどうしても敵いません。一般的に高音質で音楽を聴くには不利な方式だと言っていいと思います。

ですが、今回購入した「ATH-EW9」、なにせ 20年近くも販売が続けられている超ロングランモデルです。そして音質的に不利になりやすいはずの構造にもかかわらず評判がいいんですよね、コレ。

ハウジング素材に木材を使用したことで発売当初に話題になっていた記憶は残っていますし、その当時も気にはなっていました。ただ、その頃は「イヤホンに 2万円近く出すなんて・・・」と思って見送ったのも覚えています。今回 e700M の代わりを探していて未だに販売が続けられているということに衝撃を受け、改めてどんな音なのか確かめてみたくなって購入に至ったという次第です。

「ATH-EW9」の主な仕様は以下の通り。

型式 ダイナミック型(ドライバーユニット径 28mm)
出力音圧レベル 105 dB / mW
再生周波数帯域 14 ~ 24,000 Hz
最大入力 100 mW(JEITA)
インピーダンス 29 Ω
重量 33 g

発売がかなり前なこともあって、所謂 ” ハイレゾ ” 対応のイヤホンではありません。構造上音漏れが大きいので、電車などで使用する際はボリュームに気をつける必要があります。防水性能は全く期待できませんし、室内用のイヤホンだと思って使った方がよさそうですね。

パッケージ内容は以下の通り。イヤホン本体には 0.6m の 3極コードが直付けされていますが、L型プラグの 延長コード(1m)と専用のソフトポーチが付属します。リモコンには対応しません。

パッケージ内容

取扱説明書については以下のリンクから PDF を入手することも可能です。

ATH-EW9 取扱説明書(PDF)


ATH-EW9 本体

特徴的な「ATH-EW9」のドライバーユニット。ハウジングの外装は北海道産のアサダ桜の無垢材を削り出したものが使われているそうです。深みのある色合いが高級感を醸し出していますね。同じくアサダ桜のハウジングを使用した「ATH-AWAS」というヘッドホンも発売されていますが、そちらは安く買えたとしても 10万円以上・・・。ちょっと試してみるかという気にはなれません(苦笑)。

ATH-EW9 外側 ATH-EW9 内側


「ATH-EW9」はイヤーフックをこのように広げた状態で耳に乗せ、ハウジングを閉じて挟み込む感じで装着します。イヤーフックの支点のところは上下に動くようになっているので、ある程度は耳の大きさに合わせてフィット感を調節することが出来るようになっています。最初はどう着けるのかちょっと悩みましたが、慣れてしまえばどうということはありませんね。

専用ケース

付属のポーチにはこのように収納することが可能です。「ATH-EW9」はハウジングが大きく、イヤホンコードの左右の長さが違うので、普通のイヤホンのように DAP などにグルグル巻き付けて持ち歩くという事が出来ません。断線を防ぐ為にもソフトポーチに収納する癖は付けておいた方が良さそうです。

メーカー保証期間はドライバーユニットの故障が 3年間、それ以外(コードの断線など)は 1年間となっています。まあこれまでにドライバーユニットの故障というのには当たったことはありませんが、長めの保証が付いているのは有り難いですね。

更に audio-technica の製品は、保守部品が入手し易いという点が魅力です。しかも下記の表の通り、非常にリーズナブルな価格設定となっています。保守部品は SONY なども入手性はいいのですが、あちらは意外といい値段がするのですよね・・・。

交換用イヤーパッド【HP-EM9】左右一組 ¥1,100(税込)
ラバーサポート(左右一組) ¥440(税込)
延長コード ¥550(税込)
ポーチ ¥1,100(税込)

保守部品はオーディオテクニカのオンラインショップで購入可能(送料 400円)です。また、交換用のイヤーパッド(HP-EM9)についてはサウンドハウスなどでも入手出来るようです。一番早く劣化しそうなラバーサポートパーツは直営ショップでしか取扱が無いようですが、送料込みでも 1,000円以下で延命出来るかと思うと素晴らしいですね。

サウンドハウス


「ATH-EW9」はまだ今のところは生産継続中のようですが、ドライバーユニット等「補修用性能部品」というパーツについては製造打ち切り後 6年間は提供されるとのことです。発売から 20年近く経っているのに少なくともまだ 6年は安心して使えるというのは本当に凄いことだと想います。

■ いやはやこれは驚いた

さてこの「ATH-EW9」、” 耳掛式 ” という構造上耳の穴にぴったりと収まるわけではありません。先程も書いたように音漏れもすれば周囲の雑音も聞こえてきます。一方ヘッドホンほどぴったりと密着するわけでも無いので、正直音質についてはそこまで期待していませんでした。

ところがどっこい!いい音で鳴るじゃないですか!さすがにイヤーパッドが耳を覆ってしまう SONY MDR-1AM2 のように低音から高音までしっかり鳴るという訳にはいきませんが、意外なほど低音も出ています。遮音性の期待出来ない構造でこれには本当に驚きました。設計の古さなんて感じません。総じて評判がいいのも頷けます。特別苦手な音楽ジャンルは無いんじゃないでしょうか。

欠点もありますよ。まずはなんと言っても有線式であるがための接続コードの煩わしさ。TWS に慣れた身としてはやはり面倒くさいですね。また、耳に掛けるハウジングが片側で約 17g と、ちょっと重量があるせいもあってか、長時間耳に掛けていると痛みが出て来ます。使わない時は都度ポーチに収納しておかないとコードが片付きませんし、断線や落として壊したりしてしまわないかという不安もあります。

とは言え高級感があるわりに比較的手を出しやすい価格帯ですし、やはり北海道産のアサダ桜を使用したウッドハウジングは美しく、所有欲も満たしてくれます。価格以上の満足感は得られるでしょう。

保証の効いている間は勿体ないのでやるつもりはありませんが、いずれ MMCX化して Pioneer XDP-20 とのバランス接続にチャレンジしてみたいと思います。4極バランスケーブルの方は ONKYO DIRECT で投げ売りされている Pioneer の JAC-BM12C1 を既に確保済みですし(笑)。

XDP-20 と

ところでこの「ATH-EW9」、audio-technica の HP上では「生産完了」というような表示こそ出ていないものの、長期欠品中の状態が続いているようです。生産開始から 20年近く経っているロングラン商品ですが、在庫を持つショップも減ってきており、このままディスコンとなってしまう可能性も無いとは言えません。気になる方は早めに入手しておく方がいいかも知れません。