久しぶりに PlayStation 4 のゲームを買いました。メタルギアシリーズで有名な小島秀夫監督がコナミから独立して「コジマプロダクション」を立ち上げられてから初の作品となる「DEATH STRANDING」です。「人を選ぶゲーム」との評価が一般的なようですが、正にその通りだろうと思いました。ただ刺さる人はとんでもなく深く刺さる、そんなゲームでしょう。
ゲームの舞台となるのは、「デスストランディング」という現象により物質と反物質が反応していくつかの主要都市を巻き込む「対消滅(voidout)」が発生して分断され荒廃してしまった近未来のアメリカです。この世界の人々は残った都市やシェルターででそれぞれ孤立して生活することを余儀なくされており、主人公のサム・ポーター・ブリッジズ(ノーマン・リーダス)が名前の通りポーター(運び屋)として様変わりしてしまった各地を巡って物資を届けつつ、孤立している人々の絆を再び繋ぎ直す、「アメリカを再建するための旅に出る」という物語です。
「DEATH STRANDING」が初めて作品として発表されたのは 2016年の E3 ですが、赤子を抱えて嘆き悲しむ素っ裸のノーマン・リーダスと魚の死骸が散乱する砂浜を見て立ち尽くす映像が流れるだけでした。その後も何度か映像が追加されましたが、一体どのようなゲームになるのかさっぱり分からなかったため、予約を入れるべきかどうかは迷っていました。予定通りにすんなり発売されるかどうかもわかりませんでしたしね。
↓↓ は発売日が告知された際のトレーラー映像です。もう完全に映画の世界です。
小島監督と言えば「メタルギアソリッド V ファントムペイン」の為に作り上げた「Fox Engine」というゲームエンジンが有名ですが、あまり穏便ではないような感じでコナミを退職されたようなので、当然ながら本作で使う事はできません。
本作では代わりに「DECIMA(デシマ)」というオランダの会社のゲームエンジンが使われています。なんでも採用するゲームエンジンを探して世界中を飛び回っていた時に「一緒に作り上げていきたい」と未契約の状態にも関わらずその場でソースコード一式の入ったメモリーを渡されて意気投合したのだとか。しっかりした検証を行った後正式契約し、それこそ「共同」で「DEATH STRANDING」に向けたゲームエンジンの改良作業に当たったのだそうです。
尤もコナミに残った「Fox Engine」の方はコナミがコンソールゲームからモバイルゲームに舵を切り替えた事や主要開発者の方が既に退職されていることもあって改良も出来ず、最近ではお蔵入りの状態にあるようですね。他社にも供与していれば儲けられたでしょうに勿体ない話です。
その「DECIMA」エンジンですが、非常に優秀な出来になっているようですね。PlayStation Pro で4K 60fps でプレイしていても引っかかるようなことも無く非常に快適に高画質でのプレイが可能です。キャラクターのモーションも素晴らしく、荷物を背負いすぎてよろめく感じや下り坂で止まらなくなってしまってバシャーンと荷物をぶちまけてしまう様子など本当に「人間くさい」動きをしてくれます。
主人公のサムを担当する津田健次郎さんを初め、小島監督と言えば!の大塚明夫さん、井上喜久子さん、水樹奈々さん、坂本真綾さんなど日本語音声の声優陣も非常に豪華です。(1名だけどうしようもない棒読みの方が居られましたが・・・。)もちろん英語音声ではノーマン・リーダスやマッツ・ミケルセンの声でゲームを楽しむこともできますのでお好みで。
「スペシャルエディション」以上のパッケージには「DEATH STRANDING:Timefall」というミュージックアルバムのダウンロードコードが同梱されていて 44.1kHz 320kbps の MP3ファイルとして入手することができます。「通常版」を購入した場合でも後から外部の販売サイトで入手することも可能で、その場合はストアで提供されているフォーマットになります(例えば iTunes Store の場合は 44.1kHz 256kbps AAC-LC でエンコードされた m4a ファイルになります)。
このゲームに参加しているミュージシャンは知らないアーティストばかりでしたが、とにかく選曲が秀逸なのですよね。私は「通常版」を購入していたのですが、あまりに楽曲が気に入ったので結局後からこの「Timefall」も購入してしまいました。こんなことなら最初から「スペシャルエディション」を買っておけば良かったかな(笑)。
サウンドトラックアルバムとしては劇中歌を集めた下のリンクのアルバムなども発売されています。
尚、PC版については「Steam」などから 2020年夏に発売されることが決まっているそうです。必要スペックについては現状分かっていませんが、それなりに高いスペックが要求されるでしょうね。価格は 7,590円で予約は「こちら」から行うことが出来ます。海外通販サイトに抵抗がなければ「Green Man Gaming」で予約するのもよいでしょう。発売前でも割引を行っている事もあるのでタイミング次第では少し安く購入することができます。(万が一のトラブルに備え、決済時は PayPal を通して置いた方が良いかと思います。)
ゲーム序盤はほんとに何も分からないままいきなり「デスストランディング」の世界観の中に放り出されます。なにやら荷物を回収して持っていけばいいらしいということしか分からず、しばらくの間は武器も無く道も無いゴツゴツした岩場を徒歩のみの状態で進めなければならないので面倒くさいと思ってリタイアしてしまう人が居るというのも無理からぬ話だと思います。
特に序盤はムービーも多いですし、とにかく全く新しいコンセプトの作品なので、プレイを始めてからしばらくは???となるでしょう。ですが、乗り物に乗れるようになり徐々に武器も増えてくる頃には面白さが分かってくるのではないでしょうか。とにかく自由度が非常に高いので「BT」や「ミュール」といった敵の中を最短距離で進むもよし、ロッククライミングをしながら危険地域をできる限り回避するもよしと、どのような配送ルートを取るかはゲームをする人次第です。
「オンラインゲーム」ではないのでひたすらソロで進めていく事になりますが、PSN に加入していれば何度も通った道にはやがて道ができるようになりますし、他の人が残していったザイルや梯子、休憩施設などを利用することができるので人との繋がりは常に感じるでしょう。バッタバッタと敵をなぎ倒しながら爽快にゲームを進めていきたいという人に向かないのは明らかですが、インフラの整備が出来るようになってくると「箱庭」的なゲームが好きな人はかなり嵌まると思います。かくいう私も既に 100時間以上プレイしていますが、道路やジップラインなどの構築に嵌まってしまって未だにクリアしておらず、中盤辺りをウロウロしている始末です(苦笑)。
正直小島監督がコナミを退職されてからここまで早く完成度の高い作品を作り上げられるとは思ってもいませんでした。「配送」と「繋がり」いうテーマを選んだのもなんともタイムリーです。ストーリーも良く練られていますし、時折クレジットと共に流れ出す音楽がまた雰囲気ぴったりで格好いいのですよね。ほんとに映画をみているようで痺れてしましました。やりこむほどに味のしみ出してくる「スルメ」ゲームです。今後の小島監督作品にも期待せずにはいられません。
クリアしました!最後までちゃんとプレイしたゲームはほんとに久しぶりです(苦笑)。途中で一旦難易度を「Normal」から「Hard」に変えて最初からやり直したので思いのほか時間がかかってしまいましたが・・・。「Legend of Legend」の評価が欲しかったのですよね。最終盤の大型BT戦では死にまくりましたが、突破できた喜びはひとしお!少しの間放心状態になってしまいました。その後もしばらくプレイが続き、いよいよエピローグへ・・・。このエピローグ部分、たっぷり 2時間はあるので時間があるときに見ないとヤバいです。ストーリー的にもきっちり区切れがついた納得のいく結末だったので大満足。
いやあ、ほんとうに楽しかったです。尚、ゲームクリア後も未消化の配達クエスト消化のためにプレイを続けることは可能です。ということで相も変わらずゲームワールドをウロウロしています。配送は続くよどこまでも~♪
PC版の発売日が 2020年6月3日に決まったそうです。「パッケージ版」「ダウンロード版」が発売され、「ダウンロード版」については「Steam」の他「Green Man Gaming」などでも予約できるようになっています。PC版では「フォトモード」「ハイフレームレート対応」「ウルトラワイドモニター対応」といった高性能 PCユーザー向けの拡張機能が追加実装されるそうです。具体的な要求スペックについての記述は今のところまだありません。
「DEATH STRANDING DIRECTOR'S CUT」として PlayStation 5 へ対応したバージョンが発売されました。これから初めて DEATH STRANDING に触れる方は是非こちらで遊んでみて下さい。装備の追加や、「訓練場」「レース場」といった新要素に加え、ストーリーやミッションなどが追加されているようです。PlayStation 4版を持っている場合は、1,100円(税込)でアップグレード可能だそうなので、私も近いうちに試してみようと思います。ゲームする時間があまりないのですよね・・・。