SONY から実に 4年ぶりとなる APS-C ミラーレス一眼カメラの新型機「α 6700」が発売されました。「α 6400」の発売が 2019年2月、手ブレ補正機構が追加されてバッテリーも大容量のものに変更された「α 6600」の発売が 2019年11月ですからね・・・。「α 6600」後継機の噂はここ数年ずっと囁かれ続けていましたが、新型コロナやらそれに伴う半導体不足やらと色々ありましたから少なからず影響を受けたのは確かなのでしょう。
フルサイズ機の方はわりとコンスタントに更新されていただけに SONY はもう APS-C をやめてしまうのかとも思っていましたが、見捨てられていたわけでは無かったようです(笑)。そして長く待たされた分「α7R V」譲りの最新機能を満載しての登場となりました。
7月12日の発表を観て物欲を激しく刺激された私(笑)。購入資金捻出の算段を付けて予約開始日に予約を入れ、無事発売日に入手することが出来ました。α 6400 → α 6600 と中古のカメラを乗り継いできていましたから、カメラのボディを新品で買ったのは 20年前の Canon EOS Kiss Digital 以来となります。購入後しばらく使ってみましたので、α6600 との違いなどレビューしておくことにします。
■ α6700 のスペックを α6600 / 6400 と比較してみる
「α 6700」の発売に伴って「α 6600」は生産完了となりましたので、スチール撮影に主軸を置いた SONY の APS-C ミラーレス一眼のラインナップは「α 6700」と「α 6400」のみとなります。より安価なモデルが欲しければファインダーの無い VLOGCAM の「ZV-E10」を使ってくれということのようですね。「ZV-E10」はバリアングル式の液晶が採用されるなど動画向けの機能を充実させた機種ですが、基本性能は「α 6400」譲り。写真撮影も充分こなすことの出来る機種だと思います。
機種名 | α6700 (ILCE-6700) |
α6600 (ILCE-6600) |
α6400 (ILCE-6400) |
---|---|---|---|
ソニーストア価格 | 218,900円(税込) | 185,900円(生産完了) | 130,900円(税込) |
画像処理 | BIONZ XRx2 AI プロセッシングユニット |
BIONZ X | |
撮像素子 | Exmor R CMOSセンサー (裏面照射型) |
Exmor CMOSセンサー | |
有効画素数 | 約 2,600万画素 (動画撮影時約 1,990万画素) |
約 2,420万画素 | |
フォーカス検出 | ファストハイブリッドAF (位相差検出方式 / コントラスト検出方式) | ||
被写体認識AF | 人物、動物/鳥、鳥、昆虫 車/列車、飛行機 |
静止画:人物、動物 動画:人物 |
静止画:人物、動物 |
測距点数 | 静止画:最大 759点(位相差) 動画:最大 495点(位相差) |
425点(位相差 / コントラスト) | |
ISO 感度 | ISO 100-32000 AUTO(100-6400) (拡張:下限 50 上限 102400) |
ISO 100-32000 AUTO(100-6400) (拡張:上限 102400) |
|
ファインダー型式 | 1.0 cm(0.39型)約 236万ドット 電子ビューファインダー(XGA OLED) 倍率 約 1.07倍(35 mm 判換算 約 0.70倍) |
1.0 cm(0.39型)約 236万ドット 電子ビューファインダー 倍率 約 1.07倍(35 mm 判換算 約 0.70倍) |
|
液晶モニター形式 | 7.5 cm(3.0型)バリアングル TFT駆動 タッチパネル 画素数:約 104万画素 |
7.5 cm(3.0型)チルト TFT駆動 タッチパネル 画素数:約 92万画素 |
|
シャッター速度範囲 | 静止画(メカシャッター):1/4000-30秒、バルブ 静止画(電子シャッター):1/8000-30秒 動画撮影:1/8000-1秒 |
静止画:1/4000-30秒、バルブ 動画撮影:1/4000-1/4(1/3ステップ)、AUTO 1/60まで、オートスローシャッター1/30まで |
|
連続撮影速度 | Hi+時:最高約 11コマ/秒、Hi時:最高約 8コマ/秒、Mid時:最高約 6コマ/秒 、Lo時:最高約 3コマ/秒 | ||
連続撮影可能枚数 | JPEG Lサイズ エクストラファイン:143枚 RAW:59枚, RAW + JPEG:44枚 |
JPEG Lサイズ エクストラファイン:99枚, RAW:46枚, RAW + JPEG:44枚 | |
手ブレ補正機能 | イメージセンサーシフト方式 5軸補正、5.0段 動画時アクティブモード対応 |
イメージセンサーシフト方式 5軸補正、5.0段 |
✕ |
サイズ | 約 122.0x69.0x75.1 mm | 約 120.0x66.9x69.3 mm | 約 120.0x66.9x59.7 mm |
重量 | 約 493g | 約 503g | 約 403g |
※ 価格は 2023年8月現在のもの ※ 重量はバッテリー・メモリーカードを含む
価格の上昇を嘆く声も多いようですが、最新の画像処理エンジン「BIONZ XR」を 2基搭載した上で AIプロセッシングユニットを追加、有効約 2,600万画素の裏面照射型 ” Exmor R ” CMOSセンサーの採用、AF精度の大幅な向上など、むしろよくこの価格に抑えてくれたなというのが私の率直な感想です。
噂段階では $1,999 辺りの価格設定になるのではないかと言われていましたからね・・・。$1=¥150 の為替レートなら 30万円程度になる計算でしたからかなり頑張ってくれたのではないかと。
ボディはグリップがより深くなり、全体的なサイズも α6600 よりひとまわり大きくなりましたが、重量は逆に僅かとは言え軽量化されています。液晶モニターも「チルト」方式から「バリアングル」方式に変更されました。チルトがいいのかバリアングルがいいのか、好みによる部分も大きいかとは思いますが、私個人としては嬉しい変更点です。
機種名 | α6700 (ILCE-6700) |
α6600 (ILCE-6600) |
α6400 (ILCE-6400) |
---|---|---|---|
動画撮影(最大) | 4K 120p(38% クロップ) 4K 60p(6K オーバーサンプリング) |
4K 30p (4K 24p時は 6K オーバーサンプリング) |
|
メモリーカード | SD(UHS-I / II 対応)カードx1 | SD(UHS-I 対応)カード / メモリースティック兼用x1 | |
インターフェース | USB Type-C、マイク、ヘッドホン HDMIマイクロ端子(タイプD) |
microUSB、HDMIマイクロ端子(タイプD)、マイク、ヘッドホン | |
バッテリー | NP-FZ100 | NP-FW50 | |
静止画撮影可能枚数 | 約 550枚(ファインダー使用時) 約 570枚(液晶モニター使用時) |
約 720枚(ファインダー使用時) 約 810枚(液晶モニター使用時) |
約 360枚(ファインダー使用時) 約 410枚(液晶モニター使用時) |
連続動画撮影可能時間 | 約 190分(ファインダー使用時) 約185分(液晶モニター使用時) |
約 250分(ファインダー使用時) 約250分(液晶モニター使用時) |
約 125分(ファインダー使用時) 約125分(液晶モニター使用時) |
内蔵フラッシュ | ✕ | ✕ | ○ |
Wi-Fi | IEEE 802.11a/b/g/n/ac | IEEE 802.11b/g/n | |
Bluetooth | Ver.4.2 | Ver.4.1 | |
NFC 対応 | ✕ | ○ |
メモリーカードスロットはメモリースティックが非対応となり、SDカードが ” UHS-Ⅱ ” 対応となりました。CFexpress への対応も噂されていましたが、こちらは実現しませんでした。
バッテリーは α6600 と同じ「NP-FZ100」が採用されていますが、撮影可能枚数や撮影可能時間はかなり減っています。これは画像処理エンジンの変更や AIプロセッシングユニットの追加に拠る消費電力の増加が原因でしょう。α6400 では写真撮影でも予備バッテリーを持ち歩かないと不安だったのでそれよりは全然安心感があるとは思いますが、動画撮影を多用する方は予備バッテリーも必携となるでしょうね。
■ 今回はソニーストアで α6700 を予約購入!
確実に発売日に手にするべく、今回はソニーストアで予約購入しました。発売から日の経った製品ならともかく、実はソニーの新製品はソニーストアで購入するメリットが大きいのです。各種クーポンや株主優待券などを使えば他のショップの価格以下にもなりますし、定期的に付与されるクーポンを利用すれば「3年ワイド」または「5年ベーシック」の保証が無料で付いて来るのですよ。
長期保証は追加料金さえ支払えば付ける事の出来るショップも多いですが、ソニーの「ワイド保証」は水没や落下による損傷にまで対応してくれます。これはカメラなど、落とすと致命的な事態に陥ってしまうカメラやレンズには特に魅力的です。まあ家財保険などに頼る手もありますが。
アクセサリー類はこれまで使っていたものを流用していくつもりですが、液晶保護フイルムはそうもいきませんからね。今回は SONY の「PCK-LG2」という純正ガラスシートを併せて購入しました。
梱包材は紙素材からのみ作られていて、見事にプラスチックやビニール袋が排除されています。SDGs にうるさい欧米市場で揉まれて来た企業だけのことはありますね。
付属品はバッテリー、アイカップ、ストラップのみ。シューキャップとフロントキャップは装着済みですが、ACアダプタや USBケーブルは同梱されていません。いまどきスマホ用の充電器や USBケーブルを持っていない方は少ないかとは思いますが、もし無ければ買って来ないと充電出来ませんのでご注意を。ちなみに届いた時点でバッテリーはスッカラカンでした。使い始める前に充電が必要です。
同梱の「スタートガイド」には初期設定を行うための必要最小限のことしか書かれていません。「ヘルプガイド(Web 取扱説明書)」へのアクセスは必須でしょう。
尚、「ヘルプガイド(Web 取扱説明書)」は「印刷用 PDF」としてダウンロードすることが可能です。スマホなどに入れておけば便利に使えるんじゃないでしょうか。
ボディ前面にダイヤルが追加され、各ボタンの配置なども結構変わっています。個人的には C1ボタンの位置がとても押しにくく感じますし、メニューボタンももう少し右寄りの方が使いやすかったかな・・・。各所で言われているように、グリップは α6600 よりも更に深くなってとても握りやすくなりました。
電源スイッチは α6600 などから角度が変わったため、始めて触った時の違和感はかなりありましたが、前ダイヤルが追加されたことによってダイヤル操作中に意図せず電源が切れてしまわないよう配慮されたもののようです。まあこれはしばらく使っていれば慣れるでしょう。
メモリーカードスロットは α6600 / 6400 ではバッテリースロットと一緒になっていたものがボディ左側に移動しています。実は発売前の噂段階ではデュアルスロットになると言われていたので、私、追加で SDカードを購入してしまっていたのですが、こちらは完全に勇み足となってしまいました(苦笑)。 まあ予備が出来たということにして新しく購入した方をメインで使う事にします。ちなみにUHS-Ⅱ ではなく、UHS-Ⅰ対応の SDカードですが、私は動画はほとんど撮りませんし、長時間の連写もしないのでこれで充分でしょう。もし必要なようであれば買い換えを検討します。
バッテリーには所謂 ” Z バッテリー ” と呼ばれる「NP-FZ100」が採用されています。α 6600 でも採用されていたものと同じ 7.2V 16.4Wh(2,280mAh)のバッテリーですが、α6400 などで使われていた ” W バッテリー ” の「NP-FW50」の倍の容量があります。α6400 は特に冬場など低温環境下ではほんとにすぐにバッテリーが無くなってしまっていましたからね・・・。大容量モデルの採用は非常に助かります。
α6700 は USB PD 対応とのことですが、規格上は 9V3A(27W)までの充電に対応しているようです。とりあえずうちでは 9V2A と 5V3A モードでの動作は確認しました。私の場合、普段の充電は「BC-QZ1」という α 6600 でも使っていた SONY純正のバッテリーチャージャーを使うので、USB PD での充電に頼るとしたら泊まりがけで旅行に出掛ける時くらいだろうと思います。
α6600 用の SmallRig の L型ブラケット(LCS2503) は残念ながら流用出来そうにありません。取付自体は可能なのですが、SDカードスロットや USBポートへのアクセスに問題がありますし、バッテリーポートもあと僅かながら完全には開きません。毎回着脱するのも面倒ですからね・・・。
取りあえず 先日購入した Leofoto の三脚 に付属していたアルカスイス互換プレートを取り付けておくことにしましたが、もう少しすると SmallRig の α6700 用プレートが Amazon でも入手出来るようになりそうなので、正式発売されたら取り付けたいと思います。カメラボディの底面保護にもなりますからね。
■ 純正の液晶保護ガラスシートを貼付
屋外で使用することの多いカメラにはやはり液晶画面の保護シートは貼っておきたいところ。今回は SONY 純正の「PCK-LG2」というガラスシートを使ってみることにしました。液晶画面のサイズが僅かに変わっているため、α6400 や α6600 用として売られているフイルムは使用できません。α7 Ⅳ 用のフイルムなら適合するようなので購入の際はご注意下さい。
HAKUBA だったり Kenko だったり、社外品の保護シートには貼付前の画面クリーニング用のウェットティッシュが付属していたり貼りやすい工夫がされていたりするものですが、「PCK-LG2」には残念ながらそうしたものの用意はされていません。
ぱっと見位置決めがちょっと難しそうだなと思ったので、養生テープを表側に貼っておきました。これなら両手で位置決めが行えるのでお勧めです。
養生テープが無ければ別にセロテープでも構いませんよ。おかげで気泡も入らず綺麗に貼り付ける事ができました。「PCK-LG2」は硬度 9H、防指紋・防汚コーティングがされているとのことですが、指紋が付いてもさっと拭けばすぐに綺麗になりますね。ちと価格が高めですが悪くない保護シートだと思います。
■ α6700 の初期設定
スマホとの連携は必須ではありませんが、「Creators' App」というアプリを使ってスマホと連携させることで初期設定が少し楽になったり、撮影データに位置情報を書き込んだり出来るようになります。アプリのダウンロードはもちろん無料!以下のバッジか、各アプリストアで「Creators' App」で検索してインストールしてください。以前の「Imaging Edge Mobile」は使えません。
「Creators' App」のインストールによって、「Creators' Cloud」というクラウドストレージへのアクセスも可能になります。ソニーのカメラユーザーには無料で 25GB の容量が割り当てられます(有料で拡張可能)なので、利用しない手は無いでしょう。
カメラ側の初期操作は電源を入れてスマホで「Creators' App」を立ち上げて指示に従うだけです。
「Creators' App」には SONY のアカウントでログイン可能です。「写真」へのアクセスと「通知」の送信を許可し、アプリのホーム画面から「カメラと接続する」へ進んで下さい。位置情報は Bluetooth接続でスマホから α6700 に撮影場所などの情報を撮影データに書き込むのに用いられ、Wi-Fi接続はスマホに画像を転送したりリモート撮影を行う際に使用されますのでそれぞれ許可しておきましょう。
スマホとのペアリングに難しいところはありません。アプリと α6700 に同じ番号が表示されているのを確認するくらいで、指示に従ってポチポチしていれば完了します。スマホと連携させない場合は日付の設定などをカメラを操作して行う必要があります。
位置情報の連動はてっきり初期状態で有効になっているのかと思っていましたが、セットアップ後改めて有効化してやる必要があるようです。Wi-Fi設定はスマホのものを共有することが出来るので、カメラ側でわざわざアクセスポイントの設定をしなくて済むのは楽ですね。
PC で RAWデータを処理したい方は、SONY純正アプリの「Imaging Edge Desktop」が利用可能です。「Creators' App」を含め、使い方などについては近日中に別記事でご紹介出来ればと思います。Adobe の「Lightroom Classic」は先日 α6700 にも対応したそうです。私が使っている「SILKYPIX」はまだ対応待ちなので、当面は「Imaging Edge Desktop」のお世話になることになりそうです。
■ 撮影サンプル
少しですが撮影サンプルを載せておきます。はてなブログ の画像アップローダー「はてなフォトライフ」の制限から SILKYPIX Developer Studio Pro 11 を使って画像サイズを 1200x800 pix に下げていますが、他は α6700 の JPEG出力時(エクストラファイン、Lサイズ)のままです。
記念すべきファーストショットはミクさんにお願いしました(笑)。TAMRON 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD(Model B070)、クリエイティブルック ” ST ”。暗めの部屋だったので ISO感度が上がってややノイズが出ていますが、ブログ掲載程度なら問題無いかと。
TAMRON 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD(Model B070)、+ 0.33EV、WB 太陽光、クリエイティブルック ” VV ”、PLフィルター着用。
TAMRON 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD(Model B070)、- 0.33EV、WB 太陽光、クリエイティブルック ” FL ”。
SONY E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS(SEL70350G)、- 4EV、WB AWB、クリエイティブルック ” ST ”、「超解像ズーム(2x)」使用。α 6600 や α 6400 にもあった「全画素超解像ズーム」は「超解像ズーム」と呼称が変わっていますが α 6700 でももちろん健在です。 RAW での画像記録が出来なかったり、被写体認識AF の使用が出来なかったりと制限もありますが、SEL70350G との組合せでは 35mm 版換算 525 mm 相当の 2倍、1050 mm 相当で手持ち撮影出来てしまうので、トリミング無しでここまで月を大写しにすること可能です。
TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD(Model B060)、WB 太陽光、クリエイティブルック ” VV2 ”。「クリエイティブルック」はかなり使いやすい機能ですね。” VV2 ” はやや派手になりがちのようですが、逆光時に使うと非常にいい感じになります。
TAMRON 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD(Model B070)、WB 日陰、クリエイティブルック ” VV2 ”。RAW現像しなくても「クリエイティブルック」の切替だけでかなり印象を変えることが出来ますよ。
SONY E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS(SEL70350G)、+ 0.33EV、WB 太陽光、クリエイティブルック ” ST ”。柿を食べに来たメジロの眼にもしっかりピントが来ています。被写体認識AF は非常に優秀。
■ 待望の正統進化モデルの登場!
α 6600 からの乗り換えですが、4年分の進化は充分体験する事が出来ると思います。フルサイズセンサーを搭載した α7c を買った方がいいと言う方が居られるようですが、画像処理エンジンの世代が違いますし、AI プロセッシングユニットも搭載していないので、今から α7c を購入するのはあまりお薦め出来ません。登場が噂されている ” α7c Ⅱ ” は魅力的ですが、かなり価格が上がるんじゃないでしょうか?
手ブレ補正機能は α 6600 と同じイメージセンサーシフト方式の 5軸 5段補正とのことですが、α 6700 の方が体感で効きが良くなっているような気がします(もちろん気のせいかも知れませんが)。「動画時アクティブモード」の方は私が動画撮影をほとんどしないので評価出来ません。
被写体の追従性は驚くほど向上しています。人物などは骨格を AI が認識して逆光下でも高い精度で追従するそうです。今は暑すぎて鳥もあまり見かけないのでほとんど試せていませんが、秋になって涼しくなったら野鳥撮影にも出掛けてみたいと思います。
グリップも明らかに α 6600 より握りやすくなりました。前ダイヤルの追加も便利ですし、バリアングル液晶の使い勝手も私にとっては良好です。変更された操作ボタンの配置については使っていればそのうち慣れるでしょう(C1 ボタンだけは納得いきませんが)。液晶パネルのタッチセンサーも、以前はフォーカスポイントの指定くらいしかまともに出来なかったのが、タッチ操作によるメニュー切替やピンチイン・ピンチアウトなどの操作ができるようになり、スマホライクな操作感になりました。
惜しむらくは、α 6600 にあった Wi-Fi で PC へ撮影データーを転送する機能が無くなってしまったこと。家に帰ってきてカメラを転送モードにしておくだけで勝手に PC に RAWデータまで取り込んでくれて非常に便利だった(時間は掛かりましたが)のですが、α 6700 では USBケーブルでカメラと PC と接続するか、メモリーカードを取り出してカードリーダーから読み込ませるかしか出来なくなってしまいました。
上位の「α 7」シリーズでは「FTP 転送」という機能が実装されているのですが、残念ながら α 6700 には用意されていません。カメラ自体の能力としては充分実装出来るはずですし、Wi-Fi もせっかく高速な規格(11ac)を積んでいるので、是非なんとかして欲しいなと思うばかりです。
早速ファームウェアのアップデートがありましたが、最近のカメラのファームウェアって 1GB 近くもあるのですね。ダウンロードサイズを見た時は驚いてしまいました。今回はバグフィックスのみだったようですが、SONY のカメラはしばらくして大型の機能追加がされることもあるので、今後にも期待したいところです。FTP転送についてはチャットサポートから要望として伝えておきました。賛同される方がいらっしゃったなら是非要望の伝達を!人数が増えれば実現の可能性も高くなるかも知れません。
カメラを買い換えたら写真の腕が上がるなんて都合の良いことは残念ながらありませんが、AF の追従性の向上は全ての人に恩恵をもたらすでしょう。これからも自転車に乗ってあちこちに α 6700 を持ち出してたくさん写真を撮っていきたいと思います。チャリとカメラ、相性抜群ですよ!