まだまだ暑い日は続きますが、メインPC のケース天井に付けていた排気ファンのうちの 1つからガラガラと異音がするようになってしましました。2年半程前に Amazon で買った安物(そのくせ無駄に光る)でしたが、恐らくベアリングがいかれたのだと思われます。
交換するついでに現在ケース前面の吸気ファンとして使っているものを天井に移設し、以前から気になっていた、CPUクーラーで有名な Noctua製のファンを吸気ファンとして使ってみることにしました。Noctua のファンは耐久性の高さが魅力なのは当然として、静粛性も非常に優れているのですよ。
うちの PCケースには 12cm のファンを取り付ける事が出来るのですが、12cmファンと言っても Noctua の製品だけでもかなりの種類があります。そこで、とりあえず候補に絞っていた PWM対応の以下の 3製品について比較検討してみることにします。
それぞれの特徴を見比べてみると以下の表のようになります。
機種名 | NF-A12x25 PWM | NF-S12A PWM | NF-F12-PWM |
---|---|---|---|
サイズ | 120 x 120 x 25 mm(取り付けネジ間隔:105x105 mm) | ||
タイプ | 風量重視 | 風量重視 | 静圧重視 |
コネクター | 4-pin PWM | ||
ベアリング | SSO 2(SSO:Self-Stabilising Oil-pressure、流体軸受け) | ||
回転数 (L.N.A. 使用時) |
450~2000 rpm (450~1700 rpm) |
300~1200 rpm (300~900 rpm) |
300~1500 rpm (300~1200rpm) |
消費電力 | 1.68 W | 1.44 W | 0.6 W |
電圧 | 12 V | ||
電流 | 0.14 A | 0.12 A | 0.05 A |
風量 (L.N.A使用時) |
102.1 ㎥/h (84.5 ㎥/h) |
107.5 ㎥/h (83.2 ㎥/h) |
93.4 ㎡/h (74.3 ㎥/h) |
静圧 (L.N.A使用時) |
2.34 mm-H2O (1.65 mm-H2O) |
1.19 mm-H2O (0.73 mm-H2O) |
2.61 mm-H2O (1.83 mm-H2O) |
ノイズ (L.N.A使用時) |
22.6 dBA (18.8 dbA) |
17.8 dbA (10.7 dbA) |
22.4 dBA (18.6 dbA) |
MTTF | 150,000 h | ||
保証 | 6年間 | ||
備考 | 「NH-U12A」に付属 | 静音 | 低消費電力 |
風量の単位を ㎥/h(立法メートル毎時間)表記から cfm(立法フィート毎分)表記に換算するには 0.5885 を掛ければ算出することが可能です。「風量」がその名の通り風を起こすことの出来る量を表しているのに対して、「静圧」はどれくらい遠くまで風を送ることが出来るかという力を表しています。
PCケース内部には色々と障害物がありますので、特に CPUファンやケースの吸気ファンとしては静圧が大きいファンの方が向いているのではないかと思います。逆に排気ファンは風量重視の方が良いでしょうね。ただ吸気量より排気量の方が大きくなってしまうとケース内部が負圧になってケース内部にホコリが貯まりやすくなってしまうので全体のバランスが大事ですね。
風量も静圧も共に優れているのは「NF-A12X25 PWM」ですが、それもそのはず、このファンは 2019年に発売された「NH-U12A」という CPUクーラー用に新開発されたファンなのですよね。ただ如何せん価格が・・・。なんとファン 1個で 4,000円オーバーです!さすがにちょっと高すぎるのでこちらは見送ることにしました。評判は非常にいいんですけどね・・・。
■ 「NF-F12 PWM」を購入!
ということで今回は静圧性能に優れた「NF-F12 PWM」を購入してみました。もうパッケージからしてただの冷却ファンじゃないです。これでもかって言うほどの過剰梱包!まあ幾分かは価格に転嫁されているのでしょう(苦笑)。
ファンを固定するパーツも一般的なネジではなく、振動を軽減する防振ブッシュが付属しています。他にも延長ケーブルや、分岐ケーブル、ファンの回転数を抑えて更なる静音化を実現させるための抵抗入りのケーブル(L.N.A.)などが付属していました。
固定する際にファンとケースなどが接するファンの四隅にも防振用のシリコンパッドが取り付けられています。保証期間 6年、MTTF 15万時間という長寿命や各所に施された気配りなどを見てもコストが掛かっているのは一目瞭然。ここまでされると価格にも納得せざるを得ませんね。
■ NANOXIA Deep Silence 1 に組み込んでみました
現在メインPC のケースとして使っているのは、「NANOXIA」というドイツのメーカーの「Deep Silence 1(Rev.B)」という製品です。購入したのは 2016年ですからかれこれ 6年使い続けているんですね。
ドイツメーカー製らしく非常にしっかりした作りなのですが、重量がケースだけで 11.5kg 近くもある超重量級ケースです。ちなみにこのケースに付属していた冷却ファンにはまだ問題は出ていません。ですが、今回は元からあったファンを天井に移設し、このケースの前面吸気ファンとして「NF-F12-PWM」を組み込んでみることにします。
前面吸気ファンの取付部はこのようになっています。取り付けネジは使わず、ファンの周囲をツメで挟んで固定していただけのようですね。
「NF-F12-PWM」を取り付けてみたところ、微妙に厚みがあるのか、うまくツメに嵌まりませんでした。そこで直接ケースに触れない側の防振パッドは取り外しました。また、若干固定が甘いようでしたので、インシュロックを使って縛りつけるようにしてみました。
この PCケースは吸気ファンの掃除がしやすいようにフィルターが取り外し式になっていて、更にファンを固定している扉自体も開閉出来るようになっているのですが、この扉の開閉も問題無いようです。
電源を接続し、動作も確認することが出来ました。マザーボード側で回転数の制御も問題無いようです。それにしてもさすがの Noctuaファン。風も奥まで届いているようですし、最大回転数にしても本当に静かです。Noctua の特徴と言えばこの独特なファンのカラーリング。好き嫌いがかなりはっきり分かれるらしく、最近では無難な黒色のモデルも発売されていますが、私は結構好きなんですよね(笑)。
どうせなら全部の冷却ファンを Noctua で統一してしまいたいところではありますが予算が・・・ということで、今後調子の悪くなるものが出てくるようでしたら少しずつ置き換えて行く事にしましょうかね。