2021年6月末に TAMRON から SONY の APS-Cサイズミラーレス一眼カメラ用として発売された大口径超広角ズームレンズ「タムロン 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD (Model B060)」を購入しました。SONY α6600 と組み合わせて使っていくつもりです。毎度のことなのですが、TAMRON レンズの製品名は非常に長いので、このブログでは以下「タムロン 11-20mm F/2.8」と記述することにします。
実は望遠ズームも欲しいなと思っていて、SONY の「SEL70350G」とどちらを先に買うべきかずっと迷っていたのですが、サイクリングにカメラを持って行けばやはり風景写真を撮ることが多いのですよね。もっと画角が広ければ・・・という事もよくあったので、先に広角ズームを手に入れておく事にしました。
■ まずはレンズスペックの確認から
何はともあれ、まずはこのレンズの特徴を把握しておきましょう。主な仕様は以下の通り。
焦点距離 | 11 ~ 20 mm(35 mm 判換算 16.5 ~ 30 mm 相当) |
明るさ | F 2.8(ズーム全域) |
レンズ構成 | 10群 12枚 |
絞り羽根 | 7 枚(円形絞り) |
AF 駆動方式 | RXD(Rapid eXtra-silent stepping Drive) |
最短撮影距離 | 広角端:15 cm / 望遠端:24 cm |
最大撮影倍率 | 広角端 1 : 4(約 0.25 倍)/ 望遠端 1 : 7.6(約 0.13 倍) |
画角 | 105.2 ° ~ 71.35 ° |
手ブレ補正機構 | 無し |
フィルター径 | Φ 67 mm |
サイズ・質量 | Φ 73.0(最大)x 86.2 mm(長さ)、335 g |
その他特徴 | 簡易防滴構造、防汚コート、広帯域反射防止 (BBAR-G2) コーティング |
レンズ内手ブレ補正機構は搭載していません。広角レンズではそれ程手ブレ補正機能の有無は問題にならないとは思いますが、ボディ内手ブレ補正機構を搭載している α6600 との組合せが最適となることは間違い無いでしょう。ズーム全域で F2.8 を実現しているため、ボケ味を生かした撮影も楽しめます。
画像:TAMRON
ゴーストやフレアを抑制するコーティング技術も「BBAR(Broad-Band Anti-Reflection)-G2」へと進化し、逆光の厳しい条件下でも被写体のディテールを緻密に描き出してくれるそうです。
最短撮影距離が 15cm と、被写体にギリギリまで寄って撮影することが可能で、遠近感を生かしたワイドマクロ撮影も楽しめます。AF駆動はステッピングモーターですが、これまで同社の 17-70 F/2.8 を使っていて合焦が遅いと感じたことは無かったので、こちらのレンズでも問題になることは無いでしょう。
■ レンズ外観チェック
新しく買ったものを開ける瞬間はいつでも楽しいもの。付属品は花形フードとレンズキャップ。ユーザー登録しておけば修理費用が 1割引になる「TAMRON BASE」の登録案内も入っていました。時折写真コンテストなどが行われているほか、ファームウェア更新があった際には通知もしてくれるようです。
白基調の非常にシンプルなパッケージの中でボール紙を組み合わせてしっかりと中空状態で保持されていました。梱包にビニール類は一切使われていません。SONY もそうですが、カメラ関係のメーカーは早くから SDGs を意識した梱包をしているようですね。
APS-Cサイズミラーレス用のソニーEマウント大口径超広角レンズで F2.8 通しというのは世界初なのだそうです。同社の「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)」同様、レンズ鏡筒の可動部や接合部にはシーリングが配された簡易防滴構造となっています。過信は禁物ですが、屋外使用時の急な天候の変化でも多少の雨程度なら大丈夫でしょう。
超広角レンズはレンズ前玉が出っ張った、所謂 ” 出目金 ” になっていることが多いですが、11-20 F/2.8 はそれ程出っ張りが目立ちません。フィルター装着用の溝も切られていて、普通にプロテクターや PLフィルターなどを取り付けて使う事が可能です。ただ、ケラレが出る可能性があるので、” 薄枠 ” タイプのフィルターを使用するのがよいでしょう。
タムロン 11-20mm F/2.8 は焦点距離が 20mm の状態で一番レンズの長さが短くなります。広角端の 11mm にすると、右の写真の様に 15mm ほど鏡筒が繰り出されます。同社の 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD とはフォーカスリングとズームリングの位置が入れ替わっているのですが、ここは揃えてくれていた方が使いやすかったかも。設計上の制限か何かあるのでしょうかね?
フードを含め鏡筒にもプラスチックが多用されていますが、安っぽさは無く、持った時の感触もいいものに仕上がっています。17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD と並べてみましたが、さすが同じメーカーの製品だけなことはあってデザイン的な統一感が出ていていいですね。
■ Kenko のレンズプロテクターも併せて購入
タムロン 11-20mm F/2.8 は広角端で 15cm まで被写体に寄って撮影することが可能です。撮影に夢中になっていて被写体にレンズ先端を触れさせてしまうことも充分あり得る話なので、レンズプロテクターは付けておいた方がよいでしょう。フィルター径は 67mm なので以下の製品もお買い上げ。
プロテクトフィルターくらいならまだ安いので個別に買っておいても良いでしょうが、PLフィルターや NDフィルターなども揃えようとすると結構な出費になってしまいます。その点、タムロン製ミラーレス一眼カメラ用レンズの多くがこの 67mm のフィルターサイズを採用しているので、高価なフィルターなどを使い回すことができるのは非常に有り難いですね。
■ SONY α6600 に取り付けてみました!
SONY α6600 に装着してみました。17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD よりもこちらのレンズの方が明らかに外見上のバランスはいいですね。手に持った感じも非常にしっくりきます。
11mm の状態ではなんとなんと、ここまで被写体に寄った状態でも合焦してしまいます。人形の足下には完全にフードの先端が触れてしまっていますね。11mm の最大撮影倍率は 1:4 ですから、背後にぼかした背景を大きく採り入れた面白い写真も撮ることができそうです。” ワイドマクロ ” ってやつでしょうか。
35mm判換算で 30mm相当までいけるので、案外これだけ付けてフラッと散歩に出掛けるのもいいかも知れません。なにせ軽いですからね。
■ 撮影してみました
以下のサンプル写真は、はてなフォトライフ にアップロードする関係上、解像度のみ写真調整ソフトの「SILKYPIX DEVELOPER STUDIO JPEG PHOTOGRAPHY 10」を使って 1200x800 pix に落としていますが、その他は α6600 で JPEG 出力したそのままの状態で画質補正などは行っていません 。
まずは画角の確認を。左が 20mm、右が 11mm で撮影したものになります。11mm だとバックスタンド側の観客席もすっぽり写っていますね。
明石海峡大橋を下から見上げてみました。こちらも左が 20mm、右が 11mm で撮影したものです。
ワイドマクロもなかなか楽しいですね。F/2.8 と明るいので星景写真の撮影なんかにも良さそうです。
最後の喫茶店は非常にいいお店だったので近いうちに改めてご紹介したいと思います。
■ TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD (Model B060) を使ってみて
今回購入した「11-20mm F/2.8」と昨年入手済みの「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)」の 2本で 11mm~70mm(35mm判換算で 16.5mm~105mm相当)までの領域をカバーすることが出来るようになりました。「全画素超解像ズーム」も併用すれば 210mm相当までいけますね。
「11-20mm F/2.8」は大変軽く作られているので、自転車に乗って出掛けるときにこれをもう 1本持っていっても苦になることはなさそうです。実は「広角ズーム」って初めて使ったのですが、思っていた以上に色々と楽しめそうだということが分かりました。
ボディ内手ブレ補正機構のある α6600 或いは α6500 との組合せがベストでしょうが、広角レンズでは比較的手ブレ補正の有無の影響は少ないので α6400 などをお使いの方にもお勧めです。非常に良く写る上に広角ズームとしての価格もリーズナブルなので、旅のお供に 1本如何でしょうか。