ラベルライターは 1つあると資料ファイルの背表紙に貼って整理整頓に利用したり、スパゲッティ状態のケーブルを見分けし易くしたり、子供の持ち物に貼る名前シールを作成したりとなかなかに便利なモノです。キングジムの「テプラ」が有名だと思いますが、他にもブラザーの「P-touch」やカシオの「ネームランド」など様々な製品が発売されています。
最近ではパソコンやスマホと連携させて仕上がりのイメージを見ながらラベル作成を行うことのできる製品も発売されています。そこで以前から気になっていた、スマホを使って手軽にラベルシールを作成することが出来るキングジムの「TEPRA Lite(LR30)」を使ってみました。
注意が必要な点が 1点。この製品、入力用のキーボードなどが一切本体に用意されていません。スマホやタブレットと Bluetooth で接続し、アプリでラベルを作成して印字する仕組みになっているので、スマホを持っていない場合は全く使う事ができないという点にだけはご注意下さい。
基本的に本体と印字用のテープは別売りとなっています。本体とテープ 4本、乾電池に収納ボックスまでセットになっている商品も販売されているので、ちょくちょく使う予定があるのであれば最初はこちらを買った方がいいかも知れません。ただ、本体の価格は下がってきているのでまあお好みで・・・。
本体の大きさは 71 (W)x46 (D)x76 (H) mm。手の平に乗る大きさです。本体重量は約 132g とのことですが、単4電池 4本と印字用テープを中に入れるので 180g 程になり、ちょっとずっしりした感じを受けます。小型かつ電池式なので TEPRA Lite とスマホさえ持っていけばどこでもラベルを作って貼れるというのは非常に便利ですね。本体カラーのバリエーションは青と白の 2色。白の方を持っているのですがあまりに飾りっ気がないのでそのうち両サイドにプラモデル用の塗料でも塗ってみようかと思っています。
電池は付属していませんでしたので、Amazon Basic のニッケル水素電池を使う事にしました。「尼ループ」などと呼ばれているやつですね(笑)。感熱式の印字ヘッドを使っているせいか意外に電池を喰うようなのでこうした充電式の電池を使う事をお勧めします。
両サイドの蓋を開けてそれぞれラベルテープと電池を入れるようになっています。蓋はカットボタンを上にした状態でサイドカバーの下側から持ち上げるようにするとすんなり開けることが出来ます。
上面には電源ボタンとカットボタンが配置されています。残念ながら印字したテープを自動でカットしてくれる機能まではありません。所謂ギロチンカッターになっていて、このボタンを押し込むことでラベルのカットが可能です。
使用可能なラベルテープは 11、13、15 mm の 3種類の幅の物。TEPRA Lite 専用のフィルムテープの他、「こはる」という同社のテーププリンター用のアニマル柄やイラストがバックになったテープも利用することが出来ます。「こちら」に互換性のあるラベルテープの一覧が載っています。
ラベルテープ排出口にある LED は以下の表のように TEPRA Lite の状態を示しています。
LED(白) | Bluetooth の状態 | 消灯 | 電源OFF | ゆっくり点滅 | Bluetooth接続待機中 | 点灯 | 電源ON・印字待機中 | 点滅 | 印刷中 |
LED(橙) | バッテリー状態 | 点滅 | バッテリー電力低下・要交換 | エラー | 点灯 | アプリ確認・再起動など行ってみる |
■ アプリのインストールとペアリング
まずは App Store または Google Play から「TEPRA Lite」アプリをインストールします。費用は掛かりません。各ストアで直接検索してインストールして下さってもOKです。
動作可能な OS は、iOS版が iOS 11.0以降(iPad OS でも動作可能)、Android版が Android 6.0以降となっています。但し、Android 6 のサポートは 2020年12月以降打ち切られるそうなので、今後追加される機能などが利用出来ない可能性があります。スマホの「Bluetooth」機能を ON にしておき、 TEPRA Lite の電源を入れる。
「TEPRA Lite」は Bluetooth を使って印刷データのやり取りを行いますので、スマホ・タブレットの Bluetooth機能は ON にしておく必要があります。10分間何も操作しないと節電のために自動的に電源が切れるようになっているようです。
■ 実際にラベルを作ってみました
それではラベルを作ってみます。アプリの「新規作成」を選ぶと真ん中の画面になりますので、文字を入力したり絵文字を選んだりするだけで本当に簡単にラベルを作成する事ができます。真ん中の画面の「プリント」のところに緑の点が点いているのが分かるかと思いますが、これはTEPRA Liteとの通信が確立していてすぐに印字できる状態であることを示しています。TEPRA Liteの電源が入っていなかったりするとここに赤い点が点きます。
注意が必要なのが、「プリント」をタップするとTEPRA Lite の電源が入っていて Bluetooth で接続されている状態だといきなり印字が始まるという点。ワンクッション置いた、印字開始の確認画面などは表示されないままいきなり印字されたテープが出てくるので気をつけてさい。
左の写真のような感じで印字されたラベルが出てきます。後は上のカッターを押してカットするだけ。
それ程多数用意されているわけではありませんが、絵文字や文字枠、テンプレートなども何種類か登録されています。パーツを組み合わせてオリジナルの似顔絵なんかも作れるようですね。印字品質は 180 dpi の 64 dot 止まりなので、それ程綺麗に印字させることは出来ません。カタカナや感じなどで斜めに走る線がある場合は結構ジャギーが目立ちます。
右は 11mm 幅のテープを使った印字サンプルです。文字サイズは 7 pt ~ 36pt で設定可能で、このように途中で改行を入れたり、違う文字サイズやイラストと混在させたりといった事が可能です。勿論たて書きのラベルを作成する事もできます。
ただ、感熱式のラベルなので長期保存した場合は文字が薄れてきたりするかも知れませんね。長期間使わない場合は、本体からテープを取り出して、テープが入っていたアルミの袋に密封して冷暗所で保管しておく方が良いようです。余白の指定が出来ず、左右に無駄な領域が出来てしまう点はちょっと残念。
10月からは、4、6、9、12、18、24mm の 6種類の幅のテープカートリッジに対応し、360dpi で印字する事が出来るようになった、上位機種の「TEPRA PRO」も発売されています。
こちらはオートカッターも搭載しているようです。単 3形アルカリ乾電池x6本(ニッケル水素電池も使用可能)が必要と、電力消費は増えているようですが、ACアダプタにも対応しています。ただ、電池と ACアダプタは共に別売となっている点にはご注意ください。