「nasne」はネットワークに接続することで家の中のみならず外出先からもテレビや録画済みの番組の視聴などを行えるネットワークレコーダです。家庭用のハードディスクレコーダーと似たようなものですが、nasne 自体は HDMI端子などの映像出力端子を装備しておらず、同じネットワーク上にある機器(テレビであったり PC・スマホであったり)のソフトを使って視聴する必要があるという違いがあります。
Wi-Fi こそ搭載していませんでしたが、有線LAN の引けるところであれば、例え屋根裏だろうと物置の中だろうとどこにでも設置することができます。地上波・BS・CS の 3波チューナーと 2.5インチのハードディスクを内蔵しており、単体で番組の視聴を行ったり DLNA を利用して別の部屋で録画済みの番組を観たりといったことが可能でした。
画像:SONY
元々は PlayStation 3 の周辺機器として 2012年に登場しましたが、アップデートを重ねて PC やスマホ・タブレット、PlayStation 4 などでも使用できるようになりました。ただ、ハードウェアもマイナーチェンジを何回か行っていたとはいえ基本設計は同じだったため時代に合わなくなってきていた事と主要パーツの生産完了などから残念ながら 2019年6月に生産終了が発表されて市場から姿を消す事となりました。
■ バッファロー製後継機の発売時期が 3月末に決定!
ソニーによる nasne事業の終焉を惜しむ声も多かったようで、パソコン周辺機器メーカーの「バッファロー(旧メルコ)」がソニーから事業の移管を受けて 2021年春に後継機を発売すると発表したのが 2020年10月。そしてつい先日、待ち望まれていた発売日がこの 3月末に決まったそうです。
旧 nasne は販売開始以降内蔵ハードディスクの容量が 500GB から 1TB へ変更されたこと以外にハードウェアに大きな変更がされること無く販売が続けられていました。このため、FAT32 というファイルシステムに起因する拡張ディスクの容量制限やファイル共有プロトコル(SMB)のバージョンが古さにより生じる問題など、現在使うにはいくつか不便な点が生じています。今回後継機が発売されるにあたってどのような改良がされているのか、ちょっとチェックしてみることにしましょう。
BUFFALO製 nanse(NS-N100) | SIE製 nasne(CUHJ-15004) | |
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参考価格(税込) | ¥29,800 | ¥24,200 |
内蔵ストレージ | 2TB | 1TB |
拡張ストレージ | 最大 6TB | 最大 2TB |
外部ストレージファイルシステム | XFS | FAT32 |
筐体設計 | 静音ファン | ファンレス |
ファイルサーバープロトコル | SMB 2.0 | SMB 1.0 |
チューナー機能 | 地上デジタル、BSデジタル、110度CSデジタル | |
本体サイズ | 約 44.5x135x187 mm | 約 43x136x189 mm |
本体重量 | 920g | 約 460g |
※ 4K・8K 衛星放送には非対応
外部ストレージのファイルシステムが XFS に変更され、2TB を越える外付けHDD を扱えるようになったのが最大の特徴でしょう。ファイル共有プロトコルについても、セキュリティ上の懸念から非推奨とされている SMB 1.0 から SMB 2.0 へ変更されました。既に Windows 10 では SMB 1.0 までにしか対応していない機器は基本的にエクスプローラー上から見えなくなっていた(SMB 1.0 を有効化すれば使えないことはありませんが)ので、これでまた新生nasne を文字通り「NAS」としても利用することも出来るようになるでしょう。
外観はほとんど変化が無いようですが、内部は大きく変更されている模様です。心臓部のトランスコーダチップは ViXS社の XCODE 4210 が既にディスコンになっているのでまず間違い無く変更されているでしょうね。ファミ通のインタビュー記事 を読む限り OS なども変更されているそうです。「静音ファン搭載」となっていますが、筐体サイズにほとんど変更が無いことからチップセットのファンのことではないでしょうか。重量が倍になっているのは何でしょうね?プラッタが 1枚増えたとしても HDD の重量はそれほど変わらないと思うのですが、この理由についてはよく分かりません。
nasne自身は映像出力端子を持ちませんので、ネットワーク上に接続した機器のアプリケーションを使って視聴や録画予約を行う事になるわけですが、新生nasne の発売当初から対応する機器は以下の通り。
このうち、スマホ・タブレット用アプリである「torne mobile」については既にアプリのアップデートが行われていて対応しますが、「Video & TV SideView」については切り捨てられてしまうようです。私が買っていたのは「Video & TV SideView」の方だったのに・・・ううっ・・・。
Sony Store から購入する事のできる Windows PC 用アプリの「PC TV Plus」が引き続き利用出来るということにはホッとしました。一応税込で 3,300円(拡張パックを購入しない場合)しますからね・・・。こちらはサブモニターに TV を表示させて視聴するのに非常に重宝しています。
PlayStation 5 への対応は少し遅れて 2021年の年末商戦期を予定しているとの事です。PlayStation 5 版の「torne」の開発が必要なのはもちろんでしょうが、現状の PlayStation 5 は DLNA などに対応していませんので、そちらの実装を先にする必要があるという事なのでしょう。その頃には PlayStation 5 からも NAS に保存したファイルの再生が出来るようになるのでは無いかと期待しています。
当面は Amazon 内のバッファローダイレクト専売となりそうです。
長らく沈黙していた「トルネフ」も久しぶりに tweet を再開したようですね。それも連投のはしゃぎっぷり!トルネフ、お前リストラされてなかったんやな(笑)。