先日の大雨の中の落雷の影響でとうとう nasne が逝ってしまったようです。と言ってもたぶん誘導雷が原因となったわけでは無く、運悪く HDD が動いている最中に電源断とかになってしまったようです。一応電子機器の繋がるコンセントには雷ガード機能を持った電源タップなりコンセントなりを使っているのですが、他の機器は全く影響を受けていませんでした。まあ nasne だけで済んで良かった・・・。
ちょっと暗くて分かりにくいかも知れませんが、右の映像のように全ての LED がずっと明滅したままになってしまいました。こうなってしまうと本体背面のボタンを押しても電源すら切れないようで、どうやら ACプラグを引き抜くしか出来る事は無い模様。ACプラグを抜き差しして強制的に再起動してみましたが、HDD にアクセスし始めたタイミングで上記の状態になってしまうようです。
購入したのは 2014年の 9月。もうすぐ 7年というところでしたから、まあよくここまで保ってくれたと言ってよいでしょう。症状から考えてまあ HDD の故障でしょうね。ぼちぼち寿命を迎えるかも知れないなとは思っていましたからショックはそれ程受けていません。
SONY の nasne は既に製造販売終了品。最初期の 500GB の HDD を搭載したモデル(CECH-ZNR1J)の修理受付は既に終了となっていますが、一応まだ 1TBモデル(CECH-ZNR2J 以降)の修理受付は行われているようです。但し、恐らく本体交換となる上に、その場合の料金が 19,690円(税込)。どのみち録画していた番組を蘇らせることはできないので、このまま廃棄してしまった方が良さそうですね。どうしても修理したいという方は「こちら」から申し込んでください。
■ せっかく(?)なので分解してみる
販売開始当初の nasne は HDD を交換することも出来たようなのですが、ある時点からファームウェアアップデートによってその手段は塞がれてしまいました。仕組みはよく分かりませんが、元々搭載されている HDD とがっちり紐付けが行われてしまうらしく、交換した HDD は認識してくれないそうです。購入時に早速分解して HDD のイメージバックアップを取っていれば換装する方法も無いでは無いようですが、そんなもの取ってませんしね。
もうどのみち廃棄するつもりなので分解して中を見ておくことにします。まず隠しねじを 4箇所外し、はめ込みの爪を浮かせてカバーを外します。爪は右の写真の赤〇印のところにあります。結構固いので分解するときは怪我の無いようにご注意を。
HDD を取り出すには基板を取り出して裏側の 4箇所の固定ねじを外す必要があります。さて、取り出した HDD のチェックに便利なのが以前から何度か紹介している「HDDデュプリケーター」。元々は HDD のクローンを作成するための機械ですが、簡易的な外付けHDD とすることも出来るのでこのような場合に重宝します。HDDデュプリケーターについては以下の記事もご参照頂ければ幸いです。
搭載されていたHDD は意外にも信頼の HGST製でした。てっきり Seagate のものが使われているとばかり思っていました。500GBモデルの初期ロットで不具合から発売延期の原因になったことがありましたが、その事もあって切り替えていたのですかね?2014年3月の製造ですよ。ほんと、よく保ってくれました。
デュプリケーターに挿して PC に繋ぎ、HDD をチェックしてみようとしたところ、「ビービービー・・・」という小さなブザー音が電源投入時に出るだけで全く認識してくれませんでした。稼働時間や不良セクターが出ているか見てみようと思ったのですが、それ以前の問題だったようです。完全にご臨終ですね。
試しに裸の基板に取り出していた HDD を乗せて ACアダプタを接続してみたところ、さっきと同じで起動シーケンス中に異音を発した後右の映像のように LED が乱舞する状態になってしまいます。やはり HDD の故障で間違いなさそうですね。基板に問題は無さそうなので HDD の換装ができれば復活できるのですが、著作権の関係でがんじがらめに紐付けされてしまっていますからね。是非も無し。
nasne には ViXS Systems社の「XCODE 4210」という映像処理チップが搭載されています。恐らく販売終了となったのはこのチップの在庫状況などにも拠るのでしょうね。既にディスコンとなって久しいようです。オンデマンド配信が増えた影響もあってテレビ録画は以前と比べてかなり下火になっているようですし、心臓部の変更となるとほぼ新規開発みたいなものになってしまいますので SONY としては割に合わないと判断されてしまったのでしょう。
ついでなので(?)HDD もばらしてみました。分解にはトルクスドライバーが必要です。プラッタは 2枚入っていました。最初は HDD が動いていない様子だったのでスピンドルモーターの故障かなと思っていたのですが、どうやらアクチュエーターの方だったようです。ディスクはちゃんと回転していました。
幸い PC周辺機器メーカーの BUFFALO から nasne の後継機が発売されています。録画済みの番組を引き継ぐことは出来ませんが、ただの引継ぎ販売ではなく色々と改良も加えられている様子なので、購入してみましょうかね。価格は 1万円程上がってしまいましたが、HDD は最初から 2TB のものを搭載していますし、外付けHDD の容量制限も大きく緩和されています。
何より nasne は iPad などと連携させることができるので、nanse のある生活に慣れていた身としてはこれが無いと不便なのですよね。後継機が発売されたばかりの頃は人気集中による品切れと転売による価格の吊り上げで入手しにくい状況が続いていましたが、ようやく買いたいときに正規の価格で買える状況になってきたようです。