先月25日に神戸電鉄粟生線で行われたサイクルトレインに参加してきましたので、その様子をご紹介しておきます。実は私、「サイクルトレイン」というものに乗るのは初めてです。それどころか、「輪行」すらしたことが無いのですよね。私の Checkpoint にはリアキャリアやらスタンドやら色々取り付けているので、輪行しようとするとそれらを取り外したりする必要があるのですが、いちいち面倒くさくて・・・(笑)。
神戸電鉄では 2014年頃から毎年やっているかどうかまでは分かりませんが、秋にサイクルトレインの運行実験をしているようです。昨年は往路が「長田駅」~「樫山駅」、復路が「押部谷駅」~「長田駅」の間で運行されていたようですね。サイクルトレイン自体にもずっと興味がありましたし、ブログ的にも美味しい(笑)ということで、今年は喜び勇んで参加して来た次第です。
当日のタイムスケジュールは以下の様になっていました。
8:30 ~ 8:50 | 神戸電鉄「長田駅」集合・受付・説明 |
9:24 | 神戸電鉄「長田駅」出発 |
10:43 | 神戸電鉄「粟生駅」到着、ミーティング後解散して自由行動 |
15:20 ~ 15:40 | 神戸電鉄「押部谷駅」で再集合・受付 |
16:04 | 神戸電鉄「押部谷駅」出発 |
16:34 | 神戸電鉄「長田駅」到着、挨拶のあと解散 |
参加定員は 40名の先着事前申込制。うち 10名は「モニター参加枠」として、車内での自転車の固定実験へ参加する代わりに無料となります(一般参加枠は 1,000円/人)。
参加者の年齢制限はありませんが、自転車保険への加入と(種類は自由)、自走などで自力で「押部谷駅」に向かえることが条件です(但し未成年者のみでの参加は不可、未就学児は要保護者同伴)。申込時には、住所、氏名、電話番号、年齢、メールアドレス、自転車全長、自転車重量の申告が必要でした。予約後送られてくる eメールを当日受付で提示する形です。
私は自転車をどう固定するのか非常に興味がありましたので、もちろん「モニター参加枠」での参加を申し込みました。先着 10名とのことですぐに埋まってしまうかと思ったのですが、皆さん何かを警戒しているのか、はたまた単に面倒くさそうと思ったのか、意外になかなか枠が埋まりませんでした。この種のイベントでは天候が気になるかと思いますが、キャンセルは前日まで可能と、かなり参加しやすかったと思うのですけどね。
■ 集合は神戸電鉄有馬線「長田駅」
集合場所は神戸電鉄「有馬線」の「長田駅」。神戸電鉄は、「新開地駅」から出た「有馬線」が「鈴蘭台駅」で「有馬線」と「粟生線」に分かれ、小野市の「粟生駅」まで続いています。駅に辿り着くために坂を登らなければならない「長田駅」より「新開地駅」の方が断然有り難いのですが、乗降客も多そうなのでこちらの駅になったのでしょう。
受付時間は 8:30~8:50 の間だったのですが、来る途中の長田神社近くでいきなり前輪がパンクしてシュコシュコ 携帯ポンプ で空気を入れていたりしたこともあってちょっと焦りました。私の Checkpoint はチューブレスレディなので多少の穴は開いたとしてもシーラントが防いでくれるのですが、抜けてしまった空気ばかりは入れてやらないと仕方ない・・・。
こちらは受付の様子です。受付場所には 8時半過ぎに到着。神戸電鉄長田駅の周りがかなり分かりにくくてちょっとウロウロしてしまいました。間に合って良かった(苦笑)。
集まった自転車はクロスバイクと MTB、ロードバイクがちょうど同じくらいの比率でしたかね。参加者は 30名ほどで、募集定員には達しなかったようですが、そもそもこの日に神戸電鉄のサイクルトレインがある事自体知らなかった人も多かったかも?
9時頃に挨拶と乗車時の注意点などの説明を受けた後、反対側のホームへ。通常運行の合間を縫ってサイクルトレインの専用列車を走らせているため長田駅での停車時間は短かったらしく、乗車はそこそこ慌ただしい感じに。でも係の方はかなり訓練していたようで、乗車そのものはスムーズに事が運びました。
■ 長田駅~志染(しじみ)駅の間で自転車の固定実験
今回のサイクルトレイン専用列車は 4輛編成。自転車の固定実験が行われるのはそのうち 1輛のみです。
こちらは実験が始まる前のものですが、他の 3輛はこの様な感じで乗っていたのでしょう。実際、車内が空いているのであればこうやって手で支えていれば問題無いような気はします。譲り合いの精神さえあれば・・・ね・・・。ただ、こういうものは性善説でやっていると良い結果にならない事も多いもの。その為の固定実験ということなのでしょう。
電車が動き出すとすぐに自転車の固定実験が始まりました。伸縮性のあるロープとベルクロ 2本が割り当てられ、吊り革や手すりなどを使って好きに固定してみて欲しいと。え?!丸投げ?!と思いましたが(笑)、色んな固定パターンを見てみたかったということなのでしょう。
左は私がドアの手すりを使って固定してみたもの。リアラックが上手い具合に固定に役立ってくれて、思った以上にしっかりと固定する事が出来ました。右の方は手すりからロープをトップチューブに回し、ベルクロを使って左右の座席の手すりにホイールを固定する事にしたようですね。
いきなりですが、私としては今回のドア付近に固定する方法が一番安全で邪魔にならないように感じました。進行方向次第でずっと開かないドアがあるのであればこのドアの手すりに固定するというのはかなりアリなんじゃないかと。
左は座席の上にある吊り革を使って固定するよう指示のあったグループ。こちらもどうやって固定するのかはお任せだったので、皆さん試行錯誤されていました(笑)。この方法でも倒れないようにするという目的は充分に果たせますが、座席のかなりの場所を占有するのが難点ですね。
右側は自転車店などでもよくディスプレイに使われている、車輪の前後を挟んで自立させるタイプ。こちらは手軽なのですが、電車の揺れによってかなり自転車も揺れてしまい、傷が付く恐れがあるかも知れません。また、大きく揺れた時にはちょっと危ないかも?もう少しラックが重ければマシになりそうですが、そうするとラックを移動させて固定するのが困難になるという・・・。
自転車を持って座席をグルグル移動しながら色んな固定パターンを試した後、記念エンブレムを持っての撮影タイムや、道中のクイズラリーの説明など盛りだくさんであっという間に時間が経過。30分程停車する志染(しじみ)駅では停車中の車内で自転車をすれ違わせたりする実験が行われました。盛りだくさんで中々の忙しさ(笑)。個人的には自転車を立てて固定するタイプのラックがあればスペースも取らずいいのではないかと思いました。
実験の後、志染駅ではまだ少し停車時間があるとのことで一旦ホームへ降りて車両の撮影をしてきました。前後でデザインが異なっていたのですね。5000系と言うのでしょうか?「ハッピートレイン」の愛称で親しまれている車両だったようです。
志染駅を出発した後、今度はスタッフの方が一般利用者の役になって車内で誰かが座席に座っている状態で自転車が移動した場合などを想定した実験を行い、しばし他の参加者やスタッフの方達と談笑したり感想を述べたりしつつ、20分程で「粟生(あお)駅」に到着。
粟生駅でも自転車 2台が同時に降車したり、入れ違いで乗降したり人とすれ違ったりと色々なパターンを試しました。実際には同時に乗降することは無いとは思いますが、まあ実験ですしね。今後サイクルトレインを定期的に運行する上での参考にして頂けるのならなんでもやりますよ(笑)。最後に改札をスムーズに通れるかどうかの確認をして実験は終了。
■ 粟生駅に到着し、自由行動で押部谷駅へ向けてサイクリング!
「粟生駅」は、神戸電鉄粟生線の終点です。この駅では JR加古川線と北条鉄道に連絡していますが、相互乗り入れなどは行われていないのでサイクルトレインはここまで。駅の横にある広場で「押部谷駅」での再集合時刻の伝達や、安全に気を配って楽しんで下さいとのことで一旦解散。各自自由行動にて「押部谷駅」へ向かいます。クイズラリーのチェックポイントはここ「粟生駅」と三木市「別所ゆめ街道」の「I TeA HOUSE」さん、「押部谷駅」の 1駅東にある「Cup ~ sweets&coffee ~」さんにあるとのこと。
私はと言うと、そのまま東に向かって押部谷を目指すのでは距離的にも物足りない気がしたので、まずは大銀杏が有名だという北条鉄道の「網引駅」を目指すことに。恐らく見頃は過ぎてしまっているのですが、取りあえず来年に向けての場所確認ということで。グラベルなんかも見つけてウキウキです(笑)。
北条鉄道の「網引駅」に到着。う~ん、やはり遅すぎたようですね。銀杏はほとんど散ってしまっていました。でもさぞかし美しかろうことは容易に想像出来ます。来年は絶対に観に来よう。
この辺りはまだ少しだけ葉が残っていますね。
「網引駅」は無人駅なのでホームの方へ立ち入ることも出来ます。ああ、なんだかいい駅だなあ。
駅舎の中も非常に綺麗にされていました。大事にされているのですね。レトロな感じの駅舎が堪りません。ペットボトルのオブジェ?はちょっと謎ですが。
「網引駅」を後に、播磨中央自転車道を通って「権現ダム」を目指します。北から南に播磨中央自転車道を走るのはこれが初めてです。そのうち北条まで行ってみる予定。まあ来年かな。
権現ダムはまあまあいい感じの紅葉具合でした。当初の予定では播磨中央自転車道をそのまま南に抜ける予定でしたが、思い直して権現ダムの西岸をぐるっと回ることに。
権現ダムの南に出た後、来年 1月末まで開催されている「兵庫 高砂・加古川スタンプラリー」のチェックポイントで回れそうな所(2箇所)を回ってみました。チェックポイントに立てられた看板をスマホの ARアプリで読み込んでクイズに答えるとスタンプが貰えるという形式で、加古川市と高砂市に全 18箇所のスタンプスポットが設置されています。こちらのスタンプラリーについてはまたいずれ改めてご紹介出来ればと。この種のイベントは知らない場所に行くことが出来るのでお勧めです。
その後三木市に入り、ランチは「別所ゆめ街道」に出来た「I TeA HOUSE」さんで。
「油淋鶏ランチ」を頂いてきました。「I TeA HOUSE」さんについては以下の記事でどうぞ。 ランチを食べてゆっくりしていたら 14時を回ってしまいました。ちょっと急いで押部谷に向かわねばならないところですが、ここでスマホのバッテリーダウン(゚◇゚)ガーン。 そしてモバイルバッテリーを持ってくるのを忘れるという痛恨のミス・・・。前の晩まで覚えていたのに💧カメラもちゃんと持って行っていましたが、スマホでもパシャパシャ撮りまくっていたのが祟りました。
■ 押部谷駅で再集合し、長田駅に戻って解散!
再集合の時間や最後のクイズラリーのチェックポイントの場所などはスマホにメモっていたのでそれも見れなくなってしまってちょっとしたピンチです(苦笑)。まあサイコンの方に走行予定ルートは入れていましたし、別所ゆめ街道の辺りはもうサイクリングで何度も来ているので帰り道が分からなくなってしまうことはありませんが、三木の辺りって川があったり道が曲がりくねっていたりして素直に行きたい方向に向かえないのですよね・・・。
最後のクイズ出題ポイントがある「Cup ~ sweets&coffee ~」さんの近くまでは行ったのですが、スマホがダウンしているため詳細な場所がわかりません。集合時刻もうろ覚えであまり時間的な余裕も無さそうだったため、こちらを探すのは断念して押部谷駅に向かうことにしました。迷惑を掛けるわけにもいきませんからねえ・・・。
結局かなり早い時間に「押部谷駅」に到着しました。他の皆さんは結構ギリギリまで走っていたようでしたし、これならお店の場所をもう少し探しても良かったかもとは思いましたが、まあ仕方ないですね。この後「長田駅」まで戻ってそのまま解散となりました。
今回の走行データです。今回は電車に乗っている間サイコンを止めていたので、神戸電鉄長田駅~粟生駅の間の乗車区間は直線で表示されています。もちろん実際の線路はこんな直線で走っているわけじゃないですよ(笑)。
とにかく今回はスマホの予備バッテリーを持っていくのを忘れ、早々にバッテリーを切らしてしまったのが誤算でした。やはり気温が低くなるとバッテリーの消耗も激しくなります。サイコンにももちろんリルート機能はありますが、とっさにルートを検索したり寄り道したりするのはやはりスマホの方が便利なのですよね・・・。” Coke ON ” でコーラも買えないし・・・(苦笑)。
エコバッグやボールペンなどのお土産も色々と頂いてきました。本当はステンレスボトルも頂ける筈だったのですが、スマホの電源が落ちてしまったため最後のクイズの出題ポイントの到達を断念したため残念ながらゲットならず。
今回の私は電車内での自転車の固定方法を探る実証実験にモニター参加していましたので、そのお礼ということで神戸電鉄の 1日乗車券も頂きました。有効期限は 1年もあるので、また折を見て何かを観に行きたいと思います。アンケートと引き換えで頂いた焼菓子は三木市の緑が丘にある「NAOE」という洋菓子屋さんのもの。マドレーヌとミニドーナツ、サブレの 3点が入っていました。また今度寄ってみよう。
人口減少に伴う過疎化の影響などもあって、地方を走るローカル線では財政的に厳しいところも多いようです。利用者を増やすため、色々な施策が考えられているそうですが、「サイクルトレイン」もそうした取り組みの一環。私たちサイクリストにとっても自走では難しい場所へ手軽に行けるようになるので、このような取り組みは是非とも定着して欲しいところです。
北条鉄道の方でも時々サイクルトレインの運行実験をしているようなので、是非何らかの形で神戸電鉄と連携して欲しいですね。正直、小野市や加西市辺りまでは私の自走守備範囲(?)なので、仮に神戸電鉄のサイクルトレインが定着したとしてもあまり乗ることは無いかも知れませんが、北条鉄道や、JR加古川線などと連絡出来るようになれば是非利用してみたいと思います。それはそうと、来年もサイクルトレイン実験が実施されるようであれば是非参加してみたいですね。とても貴重な体験が出来ました。