ようやく涼しくなって来たかと思いきや、ちょっと急に気温下がりすぎじゃないですかね?もう夜は長袖でないと自転車で走るには寒くなって来てしまいました。サイクリングに最適な季節って短いものです。
それはともかく、今年の夏は暑すぎたのであまり遠出する気にはならなかったのですが、これからどんどん日が短くなってきますし、ロングライドしたいなら今しか無い!ということで、兼ねてから一度行ってみようと思っていた加西市にある「sora かさい」という歴史博物館に行って来ました。
■ 稲美町を抜け、播磨中央自転車道を北に
三木・小野方面にサイクリングに出掛ける際によく使ういつものルート(神戸ワイナリー前を通る県道 65号線)を通って稲美町から加古大池経由で権現ダムの側を通り、「播磨中央自転車道」を使って加西市方面にアクセスすることにしました。
稲美町を抜けて権現ダムへ居たる県道 65号線は迷う要素が無くて良いのですが、そこそこの交通量があってところどころで路肩のすぐ横がドブになっているので、走行にはやや注意が必要です。
加古大池を過ぎて権現ダム方面に向かっていると神輿に遭遇。収穫期のこの時期はあちこちでこうした光景を見かけますね。
この辺りの米は山田錦なんだろうと思います。刈り取りが進められていました。
坂を登れば「権現ダム」です。1年前にここに来た 時はまだ Checkpoint を手に入れる前で、FX 3 Disc に乗ってきたのでした。天気が今ひとつなのが残念。まあダム湖としては「衝原湖」の方が好みですが。
権現ダムからは「播磨中央自転車道」を進んでいくことにします。「神出山田自転車道」の方は結構荒れてきているのですが、こちらの自転車道は路面も綺麗ですね。利用者も多いのでしょうか。
「万願寺川」の辺りまでやって来ました。ここも土手に沿って桜並木が続いているようなので、花見にはなかなか良さそうな場所です。というか、護岸工事のされていない川がいいですね。最近はめっきりこういう自然な感じの川が少なくなってしまいました。
少しですが彼岸花が咲いていました。今年は確かにちょっと少ない気がします。
こちらはツユクサでしょうか?こういうのを見つけながら走れるのがサイクリングの楽しいところ。写真を撮りつつしばし休憩して先へと進みます。
■ 「sora かさい」へ到着!
なんだか急に広い空き地に出たなと思ったら、今回の目的地の「sora かさい」がある「鶉野(うずらの)飛行場」の滑走路跡地でした。この辺りには防空壕や機銃座跡などの史跡が点在しているそうです。
こちらは鶉野筆耕場にあった 1200m の滑走路跡地。元はコンクリート舗装された滑走路だったそうです。現存しているこの 1200メートルの滑走路の他に 1500メートルのものもあったらしい。
「sora かさい」に到着しました。この建物の裏にサイクルラックが設置されていたので、自転車はそちらに停めて中を見学させて頂くことにします。「sora かさい」は、平和学習が出来る体験型ミュージアムとして 2022年4月にオープンしたばかりの施設です。「紫電改」や「九十七式艦上攻撃機」の実物大模型や、飛行場があった当時の様子を示す貴重な資料が展示されているとのこと。特別展示などがされている場合を除いてなんと無料で見学させて頂くことが可能です。
1階に「紫電改」、2階に(というか宙吊りで)「九十七式艦上攻撃機」の実物大模型が展示されています。日本に現存する唯一の本物の「紫電改」の機体は、愛媛県南宇和郡にある「紫電改展示館」に新明和工業(旧川西航空機)の手によって最小限の復元がされたものが展示されているそうです。
操縦席部分だけの実物大模型も機体の側に展示されていました。計器類はともかく、操縦桿やレバーなどは軽量化の目的もあったのでしょうが、かなり簡素な作りになっていたことに驚きました。
「紫電改」には「誉(ほまれ)」というエンジンが搭載されていました。設計性能では当時の欧米の最新式エンジンに勝るとも劣らぬものだったそうですが、戦況の悪化から粗悪な燃料と潤滑油の使用を余儀なくされ、熟練整備員の不足なども相まって性能低下や故障頻発に悩まされたのだとか。着陸装置の作りにもビックリ。こんな簡素なバネで引っ張って収納するようになっていたのですね。
「紫電改」は、水上戦闘機「強風」を陸上戦闘機化した「紫電」の後継機として誕生した機体です。「紫電」は「強風」の中翼型式を継承していたため、長さの必要な着陸装置を伸縮する構造になっていたことからトラブルが多発し、前方の視界不良や敵機に対する速度不足など問題の多い機体だったのだとか。このため低翼化し胴体全体を「誉」の直径に合わせて再設計、防弾装備や自動消火装置の追加などがされた「紫電改」の開発・製造が急がれたものの、空襲などによって製造設備が破壊され、終戦までに 420機ほどしか製造されなかったそうです。
こちらは「九七艦攻」こと「九十七式艦上攻撃機」の実物大模型。
日本海軍初の全金属製低翼単葉機で、先代の「九六式艦上攻撃機」と比べて最高速度が 100km/h も向上したそうです。太平洋戦争初期の主力攻撃機で、空母に搭載されて真珠湾攻撃にも使用されました。
鶉野飛行場で使用された機体が模型と共に紹介されたパネルの裏は「歴史ゾーン」として、実際に使われていた当時の飛行服や、手記などが展示されていましたが、この奥は撮影禁止ゾーンとされていたため写真はありません。
「sora かさい」の館内にはミュージアムショップとカフェスペースが併設されています。加西産のフレッシュな野菜が使われたバーガーなどが楽しめるようですよ。土産には山田錦から作られた煎餅や地醤油、記念グッズなどが販売されていました。
「sora かさい」のすぐ側には姫路海軍航空隊鶉野飛行場跡の平和記念碑があり、とても綺麗に手入れされていました。終戦間際には姫路下院軍航空隊に於いても神風特別攻撃隊が「白鷺隊」として編成され、63名もの命が鶉野飛行場から飛び立って儚く散っていったのだそうです。
「sora かさい」では、年に数回「紫電改」の実物大模型を屋外のエントランス広場に引き出して展示しているそうです。加西市の HP で告知されるそうなので、興味のある方はチェックしてみて下さい(但しこの日は撮影禁止)。予約は必要ですが、地下防空壕の見学も出来るそうです。
「sora かさい」
住所 : 兵庫県加西市鶉野町2274-11
電話 : 0790-49-8100
開館時間 : 9:00 ~ 18:00
休館日 : 第2・第4 月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始
駐車場 : メイン:自家用車 50台、大型バス 8台 サブ:自家用車 200台
備考 : 入館無料、敷地内禁煙
アクセスですが、鉄道なら最寄りの駅は北条鉄道の「法華口駅」になります。但し、駅からは 3km ほどあるそうなので散策のつもりでちょっと覚悟して歩く必要があります(土日祝はシャトルバスがあるそうです)。もしくは「北条町駅」から出ているコミュニティバス(20~30分の距離だそうです)を利用するかですね。
駐車スペースはかなり余裕があります。大きなイベントでも無い限り問題になることは無いでしょう。ロードバイク用のサイクルラックは 15台分程度はあったかと思います。
■ 食事をし、小野から三木を回って帰宅
「sora かさい」で 1時間ほど過ごした後、帰路に付くことにしました。この時点で時刻は 15時半。日没もかなり早くなってきていますから早く戻らねば・・・。でもその前にどこかで食事をしないと。ラーメンが食べたい気分だったのですが、加西市の東の方には無さそうだったので小野の「天下一品」を目指すことに。そのまま「はなみずき街道」を登って三木の方から帰ることにしました。
加古川近くの線路を渡ったところで踏切が鳴り出したので少し待っていると、JR加古川線の 103系がやって来ました。JR加古川線は西脇から丹波の谷上駅までの区間の財務状況が特に厳しいらしく、存続が危ぶまれているそうです。サイクルトレインなんてやってくれたら是非利用させて頂きたいところですが、その程度では微々たる影響ですかね・・・。
小野の市役所前まで来たところで何やら登りがあるなと思ったら田中希実選手!私も興奮しながら観ていましたよ!今年の世界陸上で女子 5000m の日本記録を 15秒近くも縮める様を!西脇工業出身なのは知っていましたが、小野市生まれだったのですね。今後の活躍も大いに楽しみな選手です。
久々の「天下一品 小野店」です。迷わず「ラーメンこってり 大 ニンニク入り」をオーダー。これこれ!このこってり感が堪りませんな!チェーン展開している「天下一品」ですが、ここ「小野店」は中でもかなり旨い方じゃないかと個人的に思っています。さすがにちょっと値段は上がってきましたね・・・。
ぜえぜえ言いながら小野の坂を登った先でコスモスが咲き乱れている畑に遭遇。
それ程大した規模ではありませんでしたが、坂を登ってきたご褒美だななどと独りごちながらしばしの撮影&休憩タイム。いやあ、癒やされました。
今回の走行データです。別に測ったわけではないのですが、今回は事前にだいたいのルートを設定してサイコンに入れておき、スマホの Google MAP を補助に使っていたのですが、Google MAP のせいでちょっと迷ったり(田舎はたまに道の無いところを道だと言い張られたりします💦)寄り道したりしていたらちょうど 100km になりました。行き帰りで同じルートを使っていたら獲得標高は半分くらいで済んだかなと思いますが、小野から三木を通って押部谷に抜けるルートはまだ探索中なのでこれはこれで。
「sora かさい」でお土産に「山田錦せんべい」を買って来ました。実は「sora かさい」よりもう少し先に行きたい場所があるのですが、今回はそこに至るルートの下見も兼ねていました。そちらは来年の春先にでも挑戦してみたいと思います。