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何かの参考にして頂ければ幸いです。

フランス発の非常に高品質なロスレス音楽配信サービス「Deezer HiFi」を試してみたのでレビュー!

「Apple Music」や「Amazon Music」などサブスクリプション制の音楽配信サービスはすっかり日本でも定着したようですね。” ハイレゾ ” での配信が始まるなど音質も劇的に改善され、年間に音楽CD を 4枚ほど買っていた金額で懐かしの曲から最新のヒット曲までの多くが聴き放題になるのですから当然と言えば当然なのでしょう。今まであまり聴いてこなかったジャンルの楽曲も気軽に試すことが出来るので、新境地を開拓する楽しみも得られるのですから。

そんな音楽配信サービスから今回は「Deezer」というフランス発祥のロスレス音楽配信サービスについてご紹介してみたいと思います。ソニーの「LinkBuds」を購入した時のキャンペーンを利用してこの 3ヶ月間ほど実際に利用してみました。「LinkBuds」に興味のある方は以下のレビュー記事もどうぞ。

■ 「Deezer」とは?

「Deezer」は、2007年にフランスの Deezer社が始めた定額制の音楽ストリーミングサービスの名称です。2022年6月の時点で世界 180カ国以上で展開されており、実に 9,000万曲以上の楽曲やポッドキャスト、オーディオブック、ラジオチャンネルといった世界最大級のオーディオカタログを提供しています。

日本市場へは 2017年末に「Deezer Hi-fi」という形で ” ロスレス再生 ” という看板を引っさげて上陸してきました。当時はまだ Amazon Music も Apple Music もハイレゾ配信を開始していなかったため、CDクォリティの音質で定額音楽配信を受けることの出来るサービスとして耳目を集めたそうです。

既に日本では Spotify や Apple Music、Amazon Music といった音楽配信サービスが定着していたため日本での知名度はまだまだ低いサービスだと言えますが、提携している SONY が自社の高音質音楽配信サービスを諦めてしまったこともあって今後普及に力を入れてくるのではないかと思われます。

プラン

海外では Spotify と同じく時折広告が挟まれる「Deezer Free」と、広告無しでダウンロード再生も可能な有料サブスクリプション制の「Deezer HiFi」、家族向けで 6人まで同時に利用することの出来る「Deezer Family」、学生向けの「Deezer Student」などのプランがあるようですが、日本では月額 1,470円の「Deezer HiFi」のみ契約可能で、残念ながら課金せずに利用することは出来ません。1ヶ月の無料体験が可能なので判断はそれからでよいでしょう。

無料体験を行う場合でも「Deezer HiFi」の登録にはクレジットカード(PayPal も可)が必要です。解約は簡単。解約ど同時に契約終了となるわけではなく、無料体験期間中であれ、サブスクリプション契約をしている状態であれ、解約しても残りの有効期間が切れるまでは聴き続けることが出来ます。

今回この記事でご紹介する「Deezer」という音楽配信サービスは所謂 ” ハイレゾ ” 配信サービスではありません。ですが、「Deezer」では 16-bit・1411 kbps の FLAC形式での楽曲配信を行っているということなので、CD音源相当の音質での配信サービスだと思って良さそうです。

■ 再生環境について

PC の Webブラウザを使って再生する場合は「こちらの URL」 へ、Windows または Mac のデスクトップアプリを使う場合は「こちら」からダウンロード下さい。デスクトップアプリの動作環境は、Windows版が Windows 7 以降、Mac版が macOS 10.13 以降となっています。他にスマートスピーカーの HomePod や Amazon Alexa デバイス、Sonos などにも対応しているようです。

スマートフォンやタブレットを利用する場合は、以下のリンクから専用アプリをどうぞ。それぞれのアプリストアで「Deezer」で検索して下さっても結構です。


また、先日入手した Pioneer の XDP-20 では直接「Deezer HiFi」を再生可能でした。ただ、XDP-20 は検索機能が使いにくいので、PCアプリなりスマホアプリなりで予めお気に入りに登録しておいた方がよさそうでした。既に中古か流通在庫しかありませんが、XDP-20 に興味のある方は以下の記事もどうぞ。

また、スマートフォン・タブレットを利用する場合は「360 by Deezer 」というアプリも利用可能です。「Deezer HiFi」のアカウントがあれば追加料金が掛かること無く利用することが出来ます。


「360 by Deezer 」は、「360 Reality Audio」を提唱している SONY と提携して 2019年に始まったばかりの新しい音楽配信形態です。

「360 Reality Audio」は所謂 ” 空間音響 ” というやつなのですが、専用にリミックスされた音源を SONY のヘッドホン・イヤホンと「Headphones Connect」というアプリによって耳の形に応じてカスタマイズされた複数の仮想スピーカーから流すことで 360° どこからでも包み込まれるような音の世界を楽しむことの出来る技術です。

実際に「360 by Deezer 」も聴いてみましたが、確かに前後左右から音が聞こえて来る感じですね。これはなかなか面白い。包み込まれるような臨場感を味わうことが出来るので、ライブ音源などは是非これで聴いてみたいなと思いました。課題は対応している楽曲数の少なさ。ここはまだサービス開始から間が無いのでやむを得ない部分があるかと思うので、今後に期待といったところでしょうか。

■ 「Deezer HiFi 」を使ってみて

トラフィック スマホで聴く場合は通信量にご注意下さい。右は Deezer HiFi を PC版のアプリで利用してみた時のトラフィックの様子ですが、Deezer HiFi では 1曲毎にバッファしつつ楽曲を再生しているようです。ハイレゾ配信でこそありませんが、CDクオリティのビットレートの高い楽曲配信サービスなだけのことはあって、通信量は馬鹿にならないようです。
先日テストがてら 2時間ほど LinkBuds で聴きながら散歩してみたのですが、あっという間に 1GB 消費していました。スマホ回線で無制限プランを契約していれば気にする必要はありませんが、そうでない場合は気をつけて下さい。プランで規定されている通信量を超えて回線速度に制限が掛かった場合はまともに聴けなくなってしまうと思われます。LinkBuds の Bluetoothオーディオコーデックは AAC 接続止まりですが、散歩には十分な音質だと感じました。

次に、iPhone から ONKYO DAC-HA200 に接続し、更に SONY MDR-1AM2 へという有線接続でも聴いてみました。DAC-HA200 と MDR-1AM2 の音の良さの影響が大きいのだろうとは思いますが、こちらは音の厚みからして素晴らしいですね。「360 by Deezer 」の再生も問題ありませんでした。

PC版 こちらは Windows のデスクトップ版アプリ。自作 PC に組み込んでいる Sound Blaster AE-9 の ACM(Audio Control Module)からのヘッドホン出力を MDR-1AM2 に接続して聴いてみましたが、こちらも大変優秀。AE-9 は最大 32bit/384kHz での再生に対応しており、ディスクリート構成のヘッドホンアンプが搭載されているので「Deezer HiFi」の再生にも充分過ぎる能力を有しています。

私が試した組合せの中で最も高音質に感じたのは Pioneer の XDP-20 に SONY の MDR-1AM2 を組み合わせて「Deezer HiFi」を聴いた状態でした。XDP-20 は最早全くサポートを期待出来ない状態なので SDカードに楽曲ファイルを入れて楽しめれば十分だと思って買ったのですが、「Deezer HiFi」をストリーミング再生させてみてびっくり。豊かな低音から細かなニュアンスまでしっかり再生されていて、エントリークラスとは言えさすが専用設計された DAP だなと驚きました。この組合せは完全に ” アリ ” です。

「Deezer HiFi」の課題はやはり邦楽曲の充実でしょう。洋楽やクラッシック、ジャズなんかは「 9,000万曲以上の幅広いコレクション」との触れ込み通り、不満を感じることはあまり無いかと思います。日本ではあまり聴く機会の無いアフリカ音楽なんかも充実していて、新境地を開拓する楽しみが味わえます。

ただ、「360 by Deezer 」ほどでは無いにせよ、「Deezer HiFi」も邦楽曲の数はまだまだ少ないと言わざるを得ないですね。徐々に聴くことの出来るアーティストは増えているようですが、邦楽を中心に聴いている方にとっては「使えないな!」と感じても仕方ないだろうと思います。

「Deezer HiFi」は、確かに ” ハイレゾ ” 対応ではありませんが、非常に高品質な音楽配信サービスであることは確かです。「360 by Deezer 」はともかく、「Deezer HiFi」の各アプリの UI も取り立てて不便に感じることはありません。XDP-20 のように他のストリーミング配信サービスに対応していない機器ではかなり魅力的なサービスに映りました。

とは言え、Apple Music や Amazon Music がハイレゾ配信を始め、再生可能な楽曲数でも追い迫っている今、月額 1,470円というのはやはり少し高いですね。「360 by Deezer 」も非常に興味深い取り組みだと思いますし、今後邦楽曲のカバー率が上がり、もう少し料金が安くなるようであれば使ってみたいという人は増えるでしょう。これから試してみようという方が居られましたら、せっかくの高音質を堪能するためにも是非有線接続のヘッドホン・イヤホンを繋いで聴いてみて下さい。