ちょっとレポートするのがが遅くなってしまいましたが、23日の「スマアワ Ship & Cycle」に参加して淡路島に行って来ましたので、その様子をご紹介しておくことにします。
「スマアワ Ship & Cycle」は、須磨の港と淡路島を結ぶ新たな海上航路を設置するにあたって需要がどの程度あるのかを調べたり課題となる点を洗い出すための「実証実験」です。2022年の秋にも同様の実験が実施されたのですが、当時は参加するかどうか迷っている間に予約があれよあれよと席が埋まってしまって参加することが出来ませんでした。2ヶ月近く前の段階での予約開始だったため、天候が気になって踏み出せなかったのですよね・・・。
2023年度の実証実験では淡路島側の発着地が「交流の翼港」と「津名港」の 2港となり、1便辺りの参加人数も最大 150名(2022年度は 1便あたり最大 100名)まで増やされました(これに伴って自転車の持込可能台数も 30台まで → 50台までに増加)。私が電話で問い合わせした時は最大で 150台まで積めると説明されましたが、さすがにあれは何かの間違いだったと思われます(苦笑)。
「スマアワ Ship & Cycle」実証実験自体の詳細については以下の記事で詳しくご紹介していますので、併せてお読み頂ければ幸いです。
■ 乗船場所がちょっと分かりにくかった
須磨港の出港予定時刻は朝の 8時30分。出港 15分前までに乗船受付を済ませておく必要があるとのことでしたので、余裕をもって朝 7時半過ぎに須磨海岸に到着。予約を入れたのが 3週間ほど前だったので天候だけは不安だったのですが、どうやら素晴らしい 1日になりそうです。
乗船受付開始までまだだいぶ時間がありましたが、元々須磨海岸に新しくできたスタバで珈琲の調達と軽い朝食を摂っておく予定でした。ところが・・・なんとここのスタバの営業開始は朝 8時からだったのです(苦笑)。端から珈琲はここで調達するつもりだったのでドリンクボトルの 1本は空の状態。淡路島に渡ってから調達することも考えましたが、” ワンモアコーヒー ” で帰りにも寄りたかったので、8時のオープンを待って駆け込んで珈琲だけはゲットしました。
しっかり確認しておかなかった私が悪いのですが、おかげで時間がギリギリになってしまったので急いで乗船場所に向かいます。「スマアワ Ship & Cycle」の HP で地図を見て大体の場所は把握していたつもりだったのですが、須磨海岸方面からアプローチするには余りに簡略化されすぎた地図でした。途中で抜ける必要のある駐車場のせいでややこしくなっていて迷う迷う・・・。
結局下図の青いラインのように、高架を潜って少し迂回する必要があったのですが、受付締切 5分前になんとか間に合いました。乗り遅れたらどうしようと焦った焦った💦
国道 2号線の方から入ってくる場合はほぼ案内図の通り真っ直ぐな道なので迷う要素は無いと思うのですが、私の様に須磨海岸の方から乗船場所に向かった方はかなり分かりにくかったんじゃ無いでしょうか。駐車場側から入ってくることをあまり想定していなかったのかも知れませんが、もう少し案内の看板などが出ていれば良かったのではないかと思います。
本当なら乗船手続きの様子なども写真に撮っておくつもりだったのですが、とてもそんな余裕はありませんでした。なので、別の日に乗船場所の様子だけ別撮りしてきました。奥に立っているテントが乗船受付場所なのですが、普段は立ち入り禁止となっているのでこの程度の写真でご容赦を。
受付完了時に送られて来たメールの画面を受付で提示して本人確認をする形でした。輪行スタイルにする必要は無いので、そのまま自転車を押して乗船。
■ 「boh boh KOBE」号の乗り心地は快適!
自転車は「boh boh KOBE」号の船内に設置されたサイクルラックにサドルを引っ掛け、ロープでサドルとラックを固定するようになっていました。固定作業は係の方が行ってくれます。ただ、船だと波で大きく揺れる可能性もあるので、この固定方法で万全だと言えるのでしょうかね?岩屋から出ている「ジェノバライン」では駐輪場のようなラックにタイヤをはめて更にロープで固定という、もっとしっかりした形だっただけにちょっと気になりました。まあこの日は波も穏やかだったのですが。
手前に MERIDA の SCULTURA 4000 の方が居ますが、こちらの方もかなりカスタムしてますね。他の方のカスタムされたバイクを見るのも楽しいものです。この日は月曜だったこともあって、自転車の持込は私を含めて 3人くらいだけだったようです。「交流の翼港」では 10台程度の自転車が出ていたので、淡路側でレンタサイクルを利用された方も多かったのでしょう。
今回乗船した「boh boh KOBE」号は 3階建ての船です。普段はメリケンパーク近くの中突堤に停泊していて、神戸港クルーズに利用されている船のようです。1階のカフェテリアではドリンク類の他にもローストビーフサンドやナポリタンなどの食事メニューも用意されていました。
2階へ上がってみます。最大定員 550名というだけのことはあって、多数の座席が配置されています。もちろん 1階のカフェで買ってきたものをこちらに座って景色を眺めながら楽しむことも可能。
2階の最前列はパノラマビューが楽しめるよう「Yogibo」などが置かれた特別スペースとなっています。普段は別料金(500円?)の有料席となっているそうですが、この日は開放されていました。
新しい船なだけのことはあってトイレも綺麗。トイレを抜けると 3階の展望デッキへ上がる階段。
3階は見晴らしのいいテラス席となっています。30名~250名の間で「boh boh KOBE」号を丸ごと貸し切ることも出来るそうなので、結婚式の二次会で利用する方も居るらしい。
須磨港の岸壁と boh boh KOBE号の乗船口にはかなりの落差があるらしく、浮き桟橋と手組みのタラップが組み合わされていました。定常運行するためにはこの辺りの改修も必要になりそうですね。岸壁では係の方が ” Bon Voyage ” ならぬ ” Boh Voyage ” という看板を持って見送ってくれています(笑)。
風も無く正に航海日和!朝の海というのも気持ちのいいものですね。
こちらは「ブラタモリ」でもその「乗り心地の悪さ」が紹介された「カーレーター」のある鉢伏山。
「須磨港」と「あわじ交流の翼港」を一直線で結ぶ航路だったため、明石海峡大橋にはそれ程接近しません。なので迫力は「ジェノバライン」の勝ちですね。
「boh boh KOBE」号の航行速度はどんなものかと、Garmin の Forerunner 955 を使って計測してみました。公称 14kt(時速 25km)とのことですがそれより少しだけ速度が出ていたようです。
須磨のスタバの開店時間を見誤ったことによって当初の予定が狂ってしまい、朝食を取る時間が無かったため、取りあえず何か口に入れておこうと船内のカフェテリアへ。ただ、ちょっと写真を撮ったり船内をウロウロし過ぎたせいでもうすぐ到着してしまいそうな予感・・・。なのでハッシュドポテトと珈琲だけ注文しましたが、これで 800円はちょっと・・・(苦笑)。調理には時間が掛かるようなので、サンドイッチとか頼もうと思っている方はご注意を。
「須磨港」と「あわじ交流の翼港」を結ぶ航路の所要時間は 1時間となっていましたが、体感ではかなり短く感じました。もっと長く乗っていたかった(笑)。
「あわじ交流の翼港」は、「グランドニッコー淡路」や「淡路夢舞台」などのある「国営明石海峡公園」の目と鼻の先の小島にあります。「道の駅」ならぬ「海の駅」として、普段はプレジャーボートやヨットなどが立ち寄れる場所として整備されているらしい。釣り人も多数訪れていました。
こちらの港では「boh boh KOBE」号の乗降口と岸壁の高さがだいたい揃っていましたが、タラップが如何にも急ごしらえといった感じです。まあこの辺はまだ ” 実験 ” ですからね。
乗船時はバタバタしてしまって撮影出来ませんでしたが、ようやく「boh boh KOBE」号の全貌を写すことが出来ました。2020年9月に運行が開始されたばかりの真新しい船です。双胴船になっていたのですね。道理で揺れが少なかったわけだ。
この見えている山の上辺りにはアニメパークの「ニジゲンノモリ」や、少し南下すれば「あわじ花さじき」などの観光施設もあります。紅葉にはまだ早かったようですが、ちょうどコスモスが見頃を迎えていたようですね。
■ 「スマアワ Ship & Cycle」に参加してみて
2023年10月現在、明石港と淡路島の「岩屋」を結ぶ「ジェノバライン」に自転車を持ち込んだ場合の片道料金が 880円。一方、今回の「スマアワ Ship & Cycle」では 2,000円と、料金だけ見ればとても太刀打ち出来ません。まだ実験段階とは言え、便数も「ジェノバライン」の方が遥かに多いですしね。
一方、「ジェノバライン」の明石川乗り場と JR須磨駅の間の距離は約 12.5km。淡路島の「岩屋」から「あわじ交流の翼港」までの距離は約 4km です。自走した場合は往復 30km 程度カット出来るわけで、三宮・大阪方面からの利用や、余り距離は走りたくないけど淡路島は走ってみたいという方にとってのメリットは充分にあるでしょう。
また、今回のもう 1つの発着地である「津名港」まで行く場合は、淡路島内での走行距離を 50km 程短縮することが出来るので、特に淡路島南部の方を走ってみたいという方にとってはかなり魅力的なのではないかと思います。こちらのルートなら 2,000円という料金設定も個人的に割高感は抱きません。
気になったのは下船時。接岸する様子を見届けて下船するため 1階に降りてみると私のバイクが無い!事前には何も聞かされて無かったのですが、なんと勝手に船外に降ろされていたようです。ビックリしますし、ちょっとこれはあり得ないのでは?私のバイクはまあいいとしても、これ、人に拠ってはかなり激怒される方も出てくるだろうと思います。100万、200万のバイクに乗っている方も居ますし、仮にこれが単車だったとして勝手に触って動かしたりしますかね?
多分動かした人は気を利かせてくれただけのつもりなんだと思いますが、これは絶対にやめた方がいいと思います。傷でも付けたりしたらえらいことになりますよ?
まあ驚いた事もありましたが、「スマアワ Ship & Cycle」自体には参加して良かったと思いますし、もし来年もあるようでしたら津名港の方でも降りてみたいと思います。あとは運行本数次第ですかね。今回私は帰りの便の時間に縛られたくなかったので「スマアワ Ship & Cycle」は片道利用とし、帰りは岩屋からジェノバラインを利用して明石まで戻って来ました。
淡路島に上陸したのは 1年ぶり!淡路をサイクリングで巡った場所については近日中に別記事にて!