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11インチの iPad Pro と ONKYO DAC-HA200 を接続して USB DAC として使ってみました

昨年 11月に発売された第 3世代となる iPad Pro では最近の iPhone と同様にとうとう 3.5mmイヤホンジャックが排除されてしまいました。搭載されているスピーカーの音質は十分視聴に耐えうるレベルなのですが、やはり夜間などではイヤホン・ヘッドホンを使用したいと思うもの。

Apple としては Bluetooth接続のイヤホン・ヘッドホンを推奨しているようで、実際 beatsX などを使用してみても映画を観たり音楽を聴いたりする分には遅延が気になるようなことはありません。とはいえさすがに重厚感のあるサウンドを楽しむというわけにはいかず、より高音質で聴いたり音ゲーなどのタイミングにシビアなゲームをしたりする場合にはやはり有線接続は必要になってくるだろうと思います。

第三世代の iPad Pro と今まで愛用していたイヤホン・ヘッドホンを有線で接続して引き続き使う為には、USB Type-Cコネクタから音声を取り出して 3.5mmイヤホンジャックに変換することのできるアダプタなどが必要になります。ただし、アダプタを購入される際には「USB DAC」を内蔵したものかどうかという点にだけは注意してください。というのも、USB Type-Cコネクタを搭載した iPad Pro 2018 年モデルは USB DAC 機能を内蔵しておらず、USB Type-Cポートからのアナログオーディオ信号出力 (Audio Adapter Accessory Mode) には対応していないらしいのです。

できるだけ安く上げたいというのであれば、Apple が純正品として 1,000円程度で発売している下の「USB-C - 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ (MU7E2FE/A)」を使用するのがいいかと思います。

類似品が色々と Amazon などで販売されていますが、市販されている変換プラグには DAC 内蔵のものとそうでないものが混在しています。特に安価な製品は DAC を搭載していない物も多いようなのですが、こうした製品を接続した所で当然ながら音は出ません。必ず事前に確認してから購入するようにして下さい。上で紹介した Apple純正品や、Google から Pixel 3 用に発売されている「Google USB-C - 3.5 mm アダプター」などであれば大丈夫です。勿論 PC などでも使えますし、このような簡便なアダプタもひとつ持っておくと便利でしょうから私もそのうち購入してみたいと思います。


イヤホンジャックが無くなっってしまった代わりに iPad Pro 2018 モデルの USB Type-Cコネクタには実に様々な機器を接続する事が出来るようになっているのですが、「USB Audio Device Class」に準拠したポタアンなどの機器も接続できるようになっています。そこで今回は ONKYOの「DAC-HA200」を接続して実際に使用してみました。DAC-HA200 自体については以下の記事で軽くレビューしていますのでよろしければ併せてご覧頂ければと思います。 iPad Pro + DAC-HA200 iPad Pro と DAC-HA200 を接続するにあたって、aukey から発売されている「CB-CD2」という USB Type-C から Type-A へ変換するケーブルを使用しています。充電などにも使いたかったので 1m の物を購入しましたが、ポタアンを接続するだけならもっと短いものの方が使い勝手はよいかも知れません。ONKYO の DAC-HA200 には Micro B の USB端子も装備されているので USB Type-C から Micro B への変換ケーブルでも同様に使えるのか気になります。そのうちこちらのケーブルも購入して試してみたいと思っています。

USB DAC認識状況 iPhone 8 から Lightningコネクタで接続した場合は iOS のコントロールセンター上できちんと DAC-HA200 として認識されますが、USB Type-C で接続した iPad Pro 2018 年モデルの場合には機種の認識はされず、ただのヘッドホンとして認識されました。音楽など音声の再生に支障はありませんが、この認識上の問題が後述する「ONKYO HF Player」というアプリを使用する際に若干の制限事項を生じさせることとなります。

「 ONKYO HF Player 」というアプリにはアップサンプリング機能があるのですが、アプリの設定で「48kHzモード」に指定することで機能が有効となり、96kHz での再生が可能になる点は Lightning コネクタで繋いだ時と同じようです。アップサンプリング機能自体はなかなか高性能なようで、多くの場合よりクリアに聞こえるようになるように感じましたが、アコースティックライブ音源など比較的静かな環境で若干のノイズが入っているような音源にはあまり向いていないかも知れません。どうもノイズが強調されてしまうように感じました。この点も Lightning コネクタ接続時と同じ傾向のようです。 →こちらについては iOS のバグだったらしく現在は解消されています。

HF Player また、全ての楽曲に対応している訳ではありませんが、このアプリにはカラオケのように曲に合わせて歌詞が表示されていくというちょっと面白い機能があったりします。「プチリリ」というサービスを使った機能のようで、詳しく調べたわけではありませんが対応していない曲でも自分で作成して投稿するという事もできるようです。(歌詞作成・投稿は要会員登録)

「ONKYO HF Player」は iPad用の専用アプリが用意されているわけでは無く、iPhone用のものを拡大して使うということになるのと、端末のストレージにダウンロードした曲しか扱えない(DLNA再生機能などはない)のは惜しいところです。


iPad Pro 2018年モデルに DAC-HA200 を接続して使う上でひとつ残念なことがあります。本来であれば DAC-HA200 接続時には ONKYO HF Player の「HD Playerパック」という有料プラグインが無料で利用できるようになり、flac などのハイレゾ音源の再生が出来るようになるはずなのですが、USB Type-C で iPad Pro 2018年モデルと接続した際には iPad Pro が DAC-HA200 として認識してくれないため、この機能のロックが解除されません。この点について ONKYO のサポートに問い合わせてみましたが、現状動作保証外、対応予定も未定とのことでした。まあ発売されたのも 2014年7月と随分前の機種(未だに継続販売されていることは驚きですが)なのでこの辺りはやむを得ないかも知れません。flac などの再生に関しては「foobar2000」などの別のアプリを使えば良いだけですしね。

他の USB DAC を持っていないので他機種と比較することはできませんが、Lightningコネクタ経由で iPhone 8 と DAC-HA200 を接続した場合と比べると USB Type-C で iPad Pro に繋いだ場合の方が低音の出が少し控え目になるように感じました。ただ、音の傾向が変わるというだけで音質自体は非常にクリアです。私はこちらの方が自然に感じましたが、この辺りは好みの問題もありますし今後の iOS のアップデートなどで変化する可能性があります。遅延などはありません。イヤホンは ONKYO の e700m を繋いで、ヘッドホンは SONY の MDR-100A と audio-technica の ATH-A900 で試してみましたが、とりあえず普段使っている機器が問題無く使用できることが確認できてよかったです。あ、ちなみに USB Type-C で接続している際に DAC-HA200 から iPad Pro が充電されるというようなことはありませんでした。

USB Type-C用に設計された USB DAC というものは簡易的なもの以外で既に発売されているのでしょうか?今後 iPhone などでも USB Type-C が採用されるようになれば一気に出てきそうではありますね。

※ 追記 ※


ちょっと上でも触れていた以下の USB Type C - マイクロB の変換ケーブルを購入してみました。

iPad Pro 2018 との接続自体は問題ありません。iPad Pro と接続して DAC-HA200 後部の入力切り替えスイッチで USB Micro B を選択してやれば鳴ります。ただ Type-C ケーブルで接続した時と同じく「ヘッドホン」として認識されるので ONKYO HF Player 上で「HD Playerパック」機能のアンロックはできませんでした。また、電源を入れると iPad Pro から DAC-HA200 への給電が行われるようです。残念ながら iPhone と iPad 用のケーブルを両方 DAC-HA200 に繋いでおいて背面のスイッチで切り替えたいというような理由でもない限り積極的にこちらの接続方法を選ぶメリットはないと思います。