自転車に乗る場合、夜間に前照灯(ヘッドライト)を点灯させることは道路交通法で定められた義務ですが、尾灯(テールライト)については義務とまではされていません。代わりにリフレクター(反射板)が装着されていれば、尾灯は点灯させていなくても法律上は問題ありません(どちらかは必要です)。
ですが、事故の防止には自身の存在をアピールし、少しでも早くドライバーに知ってもらうことが重要です。リフレクターより高価が望めるのは間違い無いので、深い霧が出ている時や夜間は尾灯も点灯させておいた方が良いでしょう。
ヘッドライトと同様、テールライトも実に様々な種類のものが販売されていますが、今ならやはり充電式のものか、eneloop などが使えるものが経済的で便利でしょう。暗くなってくると自動的に点灯する機能を持った製品なども販売されていますが、今回は下記の防犯ブザー機能を併せ持った ” スマートテールライト ” なるものを TREK の FX 3 Disc に取り付けてみましたのでレビューしてみます。
このライト、どうやら Laopao という、中国・江西省にあるメーカーの製品のようです。主に LED を使ったライトや照明器具などを製造・販売しているようですね。中国メーカーの製品は言うまでも無くピンキリですが、こちらのメーカーのものは概ね評判も上々のようです(Amazon はサクラレビューも多いので信用できるかどうかまでは分かりませんが)。
ライト本体の他に操作用のリモコンと取り付けパーツ一式(下の白い箱)が入っていました。マニュアルは英語と日本語で記述されているので取付に困るような事は無いでしょう(やや日本語は微妙ですが)。ライト本体はシートチューブかサドル下部に取り付けられるようになっています。固定してしまうのはブラケットだけなので、手回しねじを外せばライトを取り外して充電することができます。
主な仕様は以下の通り。ライトの明るさは 50ルーメンだそうです。
光源 | 高輝度COB(Chip on Boards)赤色LEDx1 |
点灯時間 | ラピッド:約 40時間 呼吸点滅:約 30時間 常時点灯:約 20時間 |
バッテリー | 本体:700 mAh 3.7V リチウム電池 リモコン:12V / 27A アルカリ電池 |
アラーム音量 | 105~120 dB |
防水性能 | IPX65(?) |
サイズ | 本体:46x43x41mm リモコン:58x35x15mm |
重量 | 本体(ブラケット除く):66g リモコン: |
防水等級の ” IPX65 ” というのはなんなんでしょうね(苦笑)。IP65 の間違いなのか、本体が IPX6 でリモコンが IPX5 という意味なのでしょうか。まあ恐らく IPX6 の間違いなのでしょう。一応雨の中でも大丈夫そうです。リモコン用の電池がかなり特殊なモノのようなのでちょっと注意が必要です。
リモコンのボタン配置は左の写真の通りです。説明書にはハンドルバーへの取付方法が書かれていたので何も考えずそのまま指示に従って取り付けましたが、よく考えたら別にどこに取り付けても構いませんよね?走行中に操作することはほぼ無いと思われるので、シートポストなどに取り付けておいた方がスマートだったかなと思っています。「警笛」と書いてますが、鳴らされたらかなりうるさくてビックリすると思うので使わない方がいいです(笑)。
ライトの点滅パターンは、リモコンの該当のボタンを押す度に ラピッド→呼吸点滅→フラッシュ→常時点灯 の順で切り替わります。また、走行時の振動を検知しているらしく、振動が無い状態が 30秒続くと自動的に消灯し走り出すとまた点灯するようなのですが、消えっぱなしの事もあるようなので、休憩などの後は点灯するか確かめてから走りだした方が良さそうです。
■ ライト本体の充電とリモコンの電池交換方法について
ライト本体の充電は、本体横のカバーを開けて直接 USBケーブル(Micro B)を挿して行います。充電中はライトが点灯し、充電が終わると消灯するのでここは分かりやすいですね。写真では 1W 程度での充電になっていますが、これはほぼ満充電に近い状態で撮った写真のためバッテリーが減っていればもう少し早くなる可能性があります。説明書によると、ほぼ空の状態から約3時間で満充電となるそうです。
リモコンの方は、リモコンサイドにある窪みにマイナスドライバーを突っ込んでちょっとこじってやれば簡単にカバーが外れます。使われている電池はスペック表にも書いた通り 12V / 27A という日本ではあまり見かけない特殊なアルカリ乾電池が使われています(一応 Amazon でも買えるようです)。電池の寿命は約 15ヶ月とのこと。
ライト本体のバッテリー残量が少なくなると光量が半分になって暗くなるそうです。また、リモコンの方は操作できる範囲が狭くなったり反応が悪くなってきたら替え時とのこと。ちょっと分かりにくいかも?
ライト本体はともかくとして、リモコンも一応防水とはされていますが、う~ん、どうなんでしょう。中を見る限りちょっと頼りない感じがするので、雨が降ってきたらリモコンはホルダーから外してポケットなどに入れておいた方がいいような気がします。
■ アラーム機能について
リモコンのロックボタンを押すと、「ドレミ~♪」と音が鳴り、更に 5秒後に「ビー」と短く鳴って振動検知アラームの動作状態に入ります。この状態でバイクに振動を感じると、最初に「ビービー」と短い警告音を発します。それでも振動が続くようだと大音量で 30秒間アラームが鳴り響きます。
さて、本製品のウリの機能の一つであるこの盗難防止アラーム機能ですが、はっきり言って非常にうるさいです。105〜120dB というのは伊達ではありません。というかあまりにうるさすぎます。
なので、レビューで見かけるように、本体裏の溝の部分にちょうど手元にあったブチルゴムの両面テープを一部を除いて詰め込みました。この状態でも威嚇するには十分な音量を発してくれます。
振動検知アラームのセンサーがかなり過敏らしく、ちょっとした振動でもアラームが鳴ってしまいます。自転車の密集している自転車置き場などでアラームを作動させていると、隣の人が自転車を出し入れしようとした程度でも反応してしまう可能性があるので、そうした場所ではあまり使わない方がいいかも知れません。また、音量の調節機構もありません。上で紹介したようになにか詰め物をして音の出口を塞いだりするくらいしか対処法は無さそうです。この辺りはちょっと残念なところですね。
■ 意外に使えるかも?
価格は 3,000円をちょっと下回るくらいです。クーポンが出てたりすることもあるので、タイミングが良ければもう少し安く買えるかも知れません。自転車用のテールライトとしてはやや高めですが、振動検知アラームまで付いている製品は他にあまり見かけません。
窃盗犯は厳重な鍵を使われていたりして窃盗に時間が掛かる事や、目立ってしまうことを嫌がるそうです。当然大音量でアラームが鳴ったりしても怯むと思われるので、人気の少ない場所に駐輪したりする場合にはそれなりの防犯効果はあるんじゃ無いでしょうか。
結局このライトはシートポストに取り付けたのですが、残念ながら私の FX 3 Disc にはリアキャリアとサドルバッグを取り付けているので、取付場所としてはかなり微妙な感じになってしまいました。まあ夜間は結構明るく光ってくれるので、ライトの点滅で後続車に何か居ることくらいは報せることはできると思います。ただ、パニアなどを取り付けるとさすがに厳しいかな。。。
リアキャリアにはライトを取り付けるための場所が確保されてはいるのですが、このライトのキットにはシートポストとサドル下に取り付けるためのパーツしか付いていないので、その場所への取付は諦めました。実際に防犯効果がどのくらい期待出来るかは分かりませんが、少なくとも威嚇にはなると思うのでこれはこれでそのまま使うとして、安全のために近いうちに何か別のテールライトを買ってリアキャリアの方にも取り付けておこうと思います。
う~ん、故障してしまったようです。充電ケーブルを繋いでも充電されなくなってしまいました。とりあえず中を開けて見てみましたが・・・これはバッテリーが妊娠したっぽいですね・・・。恐らく安全回路が働いたのでしょう。危険なので取り外した上で破棄する事にします。2年は保ちませんでしたが、まあ安いしこんなもんでしょうかね・・・。今から買うなら「こちら」の方がお勧めです。
(2023.8.9)