「神戸新聞 NEXT」の記事で「日本丸」「海王丸」を初めとする「海技教育機構」所属の航海練習船 5隻が神戸港に勢揃いしていると聞いたので、先週末にサイクリングがてら見に行ってきました。記事に拠ると、各船の乗組員が大阪で新型コロナワクチンの接種を受けるためという理由だったそうです。
海側を通って三宮方面に出る際に比較的安全で走りやすいルートは既にほぼ確立しているのですが、毎回同じ道を通っていくのも芸が無い(?)ので、行きは今まで通ったことの無いルートを採ってみることにしました。長田からハーバーランドまでは自転車レーンが整備されている道がある(路駐はそこそこありますが)ので快適に移動することが出来るのですよね。
今回は妙法寺から神戸星城高校(旧 神戸女子商業、現在は共学らしい)を横目に機動隊の隣を抜け、高取山の北をぐるっと回って山麓線から異人館方面に行こうとしたのですが、ちょっと南に下りすぎて県庁裏を通る山手幹線に出てしまいました。ただ、自転車で神戸星城から機動隊横を通って高取山の裏へ出るルートはやめておいた方がいいですね。急坂な上に道幅が狭く、路肩が荒れている上に車も割と通るので、安全にやり過ごせる場所があまりありませんでした。まあそのことが分かったのでヨシとします。
■ 好天に恵まれてのんびり船巡り
ちょっと暑かったですが、この日は非常にいい天気でした。まずは「新港第一突堤」に係留されている「海王丸」から見ていきます。今回見てきた各船の配置と自転車で移動したルートは以下の通り。「青雲丸」「大成丸」については「海王丸」よりさらに東の岸壁に居たらしく見忘れてしまいました。ホテルの影になっていて居たことが分かりませんでした。まあ本命は「日本丸」と「海王丸」でしたし・・・。
それでは「海王丸」から!「海の貴婦人」とも呼ばれる現在の「海王丸」は 1989年に完工した 2代目です。全長 110.09m、総トン数 2,556㌧。4本マストの Barque型帆船ですが、2基のディーゼルエンジンを搭載していて、最大 14.09㏏ まで出すことが可能なのだそうです。
やはり優美な船体ですね。あまりにいい天気だったため船を眺めながら腰を掛けているとウトウトしてしまい、危うく寝落ちしそうになりました。メリケン波止場からも「海王丸」が居ることは見えていますが、歩くとちょっと距離があるためかここまで見に来ている人は意外に少なかったです。
対岸のメリケンパーク広場ではなにやら音楽イベントをやっていたようで、軽快なリズムの曲がこちらにまで届いていました。
「海王丸」の停泊していた「新港第一突堤」の近くには海上保安庁の船艇基地があります。こちらは「はやなみ型巡視艇」の「はるなみ」。全長 35m、総トン数 110㌧、速力 25㏏。
対岸に回って「海王丸」を眺めていると、同じく巡視艇の「ふどう」が帰ってきました。消防機能が強化された「よど型巡視艇」で、全長 37m、総トン数 125㌧、速力 25㏏ 以上。
で、メリケンパークから見た「海王丸」。左側にある建物は「神戸みなと温泉 蓮」という温泉ホテルなんですね。こんなとこに温泉ホテルが出来ていたのは知りませんでした。温泉は地下 1,150m と、だいぶ深いところから掘っているようです。公式HP の言う ” 湧き出た天然温泉 ” ではない気もしますが(笑)。
土曜日という事もあってメリケンパークはまあまあの人出でした。ここには西日本最大級とされるスターバックスコーヒーの店舗があるのですが、ほんとにいい場所に作りましたね。いつも混んでいるのでまだ入ったことはありませんが、売上もかなり凄そうです。
中突堤に接岸していたのは「太平洋の白鳥」こと「日本丸」。対岸に見えているのは川崎重工業の第 4ドックです。 こちらの「日本丸」も 1984年に就役した 2代目です。ちなみに商船三井客船が運航している「にっぽん丸」というクルーズ客船も存在しています。
全長 110.09m、総トン数 2,570㌧。「海王丸」とは姉妹船にあたるためほぼ同じ設計ですが、こちらのほうが僅かに大きく速力も 14.33㏏ まで出すことができるようです。東京港のレインボーブリッジはこの船が通れるように設計されたのだとか。
「日本丸」のお隣に居たのは航海練習船「銀河丸」。平成16年就航と比較的新しいこの遠洋航海練習船は、低公害エンジンの搭載、毒性の少ない船底塗料の採用など環境へ配慮された設計になっていて、海運界で多用されている装置を搭載し、実際に即した実習が出来るようになっているそうです。最大搭載人員 246名(うち実習生定員 180名)、最大速力 20.5 ㏏。
ぐるっと神戸ハーバーランドモザイク側に回って神戸メリケンパークオリエンタルホテルをバックにパシャリ。別に隠している訳では無いのでしょうが、このホテルが影となってしまってメリケンパーク側から「日本丸」は見えなくなっていました。
川重の第4ドック横には潜水艦が接岸して整備中でした。こちらは「おやしお型」でしょうか。艦橋付近の検査かなにか行っているようです。船首付近も何か擦ってますね・・・。3月に神戸港で漂泊中に漁船と接触したという「おやしお」だったのかも知れません。
こちらは「そうりゅう型」のようです。ぱっと見目立った外傷はなさそうですから定期検査か何かでしょうか。21年2月に貨物船とぶつかってラダーを損傷した 1番艦の「そうりゅう」は三菱造船所で修理中のようですからこれは別の艦ですね。囲いで覆われた奥のドックにも潜水艦が入渠しているようでした。ひょっとしたら昨年秋に進水した「はくげい」かも知れません。まあ私の勝手な妄想ですが(笑)。
新港第一突堤から中突堤を通ってモザイク前まで歩くと結構な距離になります。こうして写真を撮りながら気軽にウロウロすることが出来るのは自転車の特権ですね。
■ 実は遠くからでも見分けることの出来る「日本丸」と「海王丸」
さて、「日本丸」と「海王丸」ですが、船首両舷と船尾に書かれている船体名以外にも見分ける方法はちゃんとあります。まず遠くからでも見分けることの出来るポイントとして・・・。
「救命艇」の色に注目!「海王丸」が白色、「日本丸」がオレンジ色になっています。どちらがどっちという事は覚えておかなければいけませんが、これなら遠くからでもどちらの船か判別可能ですね。
さて、お次は船首部分。ここに 2箇所見分けるポイントがあります。舳先を拡大して見ると・・・。
お分かりでしょうか?まず船首から船尾に伸びている青いラインに着目すると、「海王丸」は舳先だけの濃い青い線の下に船尾まで伸びたライトブルーの線が 2本、一方「日本丸」では舳先だけ濃い青の線の下にライトブルーの線があり、更にその下の濃い青の線が船尾まで延びています。
また、船首像をよく見比べてみると、「海王丸」では典雅な気品を備えた「紺青(こんじょう)」という女神像が笛を奏でているのに対し、「日本丸」では気高さと優しさのうちに凜々しさを秘めた「藍青(らんじょう)」という女神像が祈りを捧げています。古くから船の船首像には様々な願いが込められて来ました。病気や暗礁、嵐などから守ってくれる精霊や妖精、神々を象ったものが取り付けられてきましたが、「紺青」像と「藍青」像は共に航海の安全と実習生・乗組員の幸を祈る女神像なのだそうです。
■ 垂水を回って帰宅
帰りは定番となっている、ノエビアスタジアム神戸(そろそろヴィッセル勝ってくれ!)の前を通るコースで改装中の須磨海浜水族園前まで行き、その後は 2号線沿いに走って垂水へ。TREK の須磨店はちょうど水族園の向かいにあるのですよね。
これまた定番の休憩場所となっている平磯の「恋人岬」で一人ベンチに座って(笑)橋を眺めつつ持参していた珈琲を飲みながらしばしボーッとして帰ってきました。
ここの北側は長いこと工事で通れなくなっていましたが、綺麗に整備されて垂水方面に抜けれるようになっていました。横の建物は「垂水体育館」です。この 4月に垂水駅の北からこちらに移転してきたようですね。中でジムの機械を使って汗を流している方が居られました。調べてみたところ先着予約制で利用料は 1回 300円(2時間まで)と安いですね。さすが市営?(笑)。
途中でケイデンスが 0 になっているところは TREK のお店に寄っていたところです。停車時はカウントを止めるように設定していましたが、歩いてウロウロしている間は意図的に止めておかないと記録が止まらないようですね。今回はとにかく一旦妙法寺に降りてから高取山の裏へ登るところでヘロヘロになってしまいました。走りにくいし、もうあそこを通るのは止めておこう、そうしよう(苦笑)。