少し前になりますが、カメラを SONY の α6400(ILCE-6400)から α6600(ILCE-6600)に買い換えました。α6400 の方は既に手放してしまっていますので、実は先日このブログに掲載していた チューリップ祭り や 桜の写真 は主に α6600(一部は iPhone 13 mini)で撮影したものです。
ご存知の方も居られると思いますが、ソニーも世界的な半導体不足などの影響を受けて α6600 を始めいくつかのデジタル一眼カメラの受注が停止されてしまっています。
なので、マップカメラで中古を調達しました。α6400 の方はオークションに流しましたが、あちらも現在受注停止となっていることもあってか思っていたより高く処分することが出来たので、元々の新品購入時の差額程度の負担ですんだので助かりました。
メインで使っているレンズがレンズ内手ブレ補正機構を搭載した TAMRON の 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070) なので、α6400 との組み合わせで困るような事はありませんでしたが、バッテリーの保ちの悪さが気になっていた事と、カメラ側に手ブレ補正機構があると、今後新たなレンズを入手した際の歩留まりが多少なりとも良くなるのではないかとの期待から買い換えておくことにした次第です。
実際のところ、両機の違いは僅かです。買い換えに値するものなのかどうなのか気になっている方も居られるんじゃないかと思いますので、触って感じた両機の違いをレビューしておくことにします。
■ α6600 と α 6400 を改めて比較してみる
α6400 が発売されたのが 2019年2月。α6600 は約 8ヶ月遅れの 2019年11月に登場。ほぼ同じ時期に発売された APS-Cサイズのイメージセンサーを搭載した両機は、基本的に似通った性能を備えていると言ってよいでしょう。両機の主な共通点については以下のようになります。
α 6600(ILCE-6600) | α 6400(ILCE-6400) | |
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撮像素子 | APS-Cサイズ(23.5x15.6 mm)、Exmor CMOSセンサー | |
画素数 | 有効画素数:約 2,420 万画素 総画素数:約 2,500万画素 | |
フォーカス検出 | ファストハイブリッドAF (位相差検出方式 / コントラスト検出方式) | |
測距点数 | 425点(位相差検出方式)/ 425点(コントラスト検出方式) | |
AFモード | AF制御自動切り換え (AF-A) / シングル(AF-S) / コンティニュアス (AF-C) / ダイレクトマニュアルフォーカス(DMF) / マニュアルフォーカス(MF) |
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測光モード | マルチ測光、中央重点測光、スポット測光(標準/大)、画面全体平均測光、ハイライト重点測光 | |
露出補正 | ±5.0EV (1/3EV, 1/2EV ステップ選択可能) | |
ファインダー形式 | 1.0 cm(0.39型)電子ビューファインダー(視野率 100%) | |
ファインダー倍率 | 約 1.07倍(35 mm 換算 約 0.70倍) | |
液晶モニター形式 | 7.5 cm(3.0型)ワイド TFT駆動 タッチパネル(画素数:約 92万画素) | |
シャッター速度範囲 | 静止画撮影時:1/4000-30秒、バルブ 動画撮影時:1/4000-1/4(1/3ステップ)、AUTO 1/60まで、オートスローシャッター1/30まで |
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連続撮影速度 | Hi+時:最高約11コマ/秒、Hi時:最高約8コマ/秒、Mid時:最高約6コマ/秒 、Lo時:最高約3コマ/秒 | |
連続撮影可能枚数 | JPEG Lサイズ エクストラファイン:99枚, RAW:46枚, RAW+JPEG:44枚 | |
記録媒体 | メモリースティック(PRO/PRO-HG/M2)、SD/SDHC/SDXC、microSD/SDHC/SDXC | |
Wi-Fi | IEEE 802.11b/g/n | |
NFC | ○ | |
インターフェース | microUSB、HDMIマイクロ端子(タイプD)、マイク |
一方、相違点は以下の通り。やはりボディ内手ぶれ補正機構の搭載とバッテリーの強化がメインです。
α 6600(ILCE-6600) | α 6400(ILCE-6400) | |
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ISO感度 | ISO 100-32000、AUTO(100-6400) (拡張:下限 50 上限 102400) |
ISO 100-32000、AUTO(100-6400) (拡張:上限 102400) |
手ブレ補正機能 | イメージセンサーシフト方式 5軸補正、5.0段 | ー |
瞳AF | [静止画] 人物(左右瞳選択可)/ 動物 [動画] 人物(左右瞳選択可) |
[静止画] 人物(左右瞳選択可)/ 動物 |
アンチダスト機構 | 帯電防止コート、イメージセンサーシフト | 帯電防止コート、超音波振動 |
内蔵フラッシュ | ー | ○ |
ヘッドホン端子 | ○ | ー |
バッテリー | NP-FZ100 | NP-FW50 |
静止画撮影可能枚数 | 約 720枚(ファインダー使用時) 約 810枚(液晶モニター使用時) |
約 360枚(ファインダー使用時) 約 410枚(液晶モニター使用時) |
連続動画撮影可能時間 | 約 250分(ファインダー使用時) 約250分(液晶モニター使用時) |
約 125分(ファインダー使用時) 約125分(液晶モニター使用時) |
外寸 | 120.0x66.9x69.3 mm | 120.0x66.9x59.7 mm |
重量(バッテリー込) | 約 503g | 約 403g |
α6600 ではバッテリーが上位機種と共通の「NP-FZ100」に変更されたことに伴ってボディのグリップが深くなり、ホールドし易くなりました。反面、ボディは若干大型化され、重量も増えています。
ボディに手ブレ補正機構が搭載されたからといってレンズ側の持つ手ブレ補正機能が無駄になってしまうわけではなく、手ブレ補正機能を持つレンズと組み合わせた場合は、望遠レンズ使用時に起こりやすいとされる「角度ブレ(Pitch / Yaw)」の補正をレンズ側で行い、マクロ撮影時に現れやすい「シフトブレ(X/Y)」、夜景撮影時などに起こることのある「回転ブレ」についてはボディ側で分担することで、最適な 5軸手ブレ補正を実現してくれるそうです。
画像:ソニー
イメージセンサーの刷新を望む声は多く、α6600 の後継機に関しては何度か噂にはなっているようですが、まだフルサイズ機の方の更新が一巡していませんし、登場するとしてももう数年は掛かりそうですかね・・・。世界的な半導体不足も影響しているのかも知れません。
■ マップカメラで中古美品をゲット!
今回はマップカメラで α6600 の「中古美品」を購入しました。マップカメラで購入する場合、本家サイトで購入すれば中古カメラであっても 1年間の保証が付いてくる(別途追加の保証を付けることも可能)点が非常に魅力的です。配送はクロネコさん。驚くほどのスピード配送でした。
梱包は非常に丁寧でした。外箱と説明書類がありませんが、ポチった瞬間に気付いたものの時既に遅し。商品説明には書かれていたのですが、同じ状態の商品がいくつか出品されていて、シリアル番号の新しいものを選ぼうとして見落としていました。将来的に売却する際に影響が出るかも知れませんが、まあ自分で使う分には問題ありません。
元々簡易的な説明書しか付属しませんので、詳しく知ろうとすれば Web を見るしかありません。
上記 Web取扱説明書は、右上のボタンから「印刷用 PDF」をダウンロードして PC やスマホに入れておくと外出先でもすぐに見ることが出来て便利でしょう。
「美品」とされていた個体ですが、触れ込み通り非常に状態の良いものでした。目立った傷など全くありませんでしたし、シャッターカウント数を知ることの出来る「SONY Alpha shutter/image counter」というサイトで確認してみたところ、シャッターカウント数は僅か 1,596回でした。α6600 のシャッター寿命は約 20万回ということらしいので、まだまだ全然大丈夫でしょう。箱と説明書関係こそありませんでしたが、バッテリーやストラップなど他の付属品も揃っていました。
「マップカメラ」には楽天市場店もあります。ポイントアップセールなどと併用して本家サイトよりお得に買える事もあるでしょう。ただ、中古保証の期間が本家サイトで購入した場合は 1年間あるのに対して楽天市場店で購入した場合は 6ヶ月間となる点だけは気に留めておいて下さい。尚、いずれの店舗で購入した場合でも落下事故などにも対応してもらえる「MAP 安心サービス」に加入することは可能です。
液晶保護フイルムはやはり貼っておいた方が安心できるかと思ったので、別途 Kenko の製品を購入して貼っておきました。α6600用としては下の「KLP-SA6600」という製品が正しいのでしょうが、実は私、あちこち見ていたせいで「KLP-SA6400」という製品を間違って買ってしまいました。とは言え α6600 と α6400 の液晶画面は同じものが使われているようなので、幸いこちらでも全く問題ありませんでした。
■ α6600 の初期設定
α6600 のファームウェアは最新版が Ver.1.10 となっていますが、既に更新されていました。このバージョンは、主に SONY の Aマウントレンズ用アダプター「LA-EA5」を使えるようにするもののようですが、動作安定性の向上もあるようなので、まだ入れていない方は早めに入れておく方がよいでしょう。
購入直後や初期化後初めて電源を入れた場合は日付・時刻とエリア設定が必要です。続いて Wi-Fi 経由で PC に撮影データを転送出来るようにするため、Wi-Fi アクセスポイントの登録と、α6600 に用意されているソフトウェア群(PlayMemories Home、Imaging Edge)も準備しておきました。
USBケーブルの接続や、抜き取った SDカードから直接読み込むことも出来ますが、帰ってきたらカメラの電源を入れて「Menu」→「ネットワーク1」→「パソコン保存」と辿って放置しておくだけで勝手にファイルを転送してくれるので圧倒的に便利です。
「PlayMemories Home」や「Imaging Edge」の使い方については以前 α6400用に書いた記事を参照ください。初めて PlayMemories Home に接続する時だけは USBケーブルでの接続が必要になります。
続いて iPhone とも連携させることが出来るように「Imaging Edge Mobile」のセットアップも行いました。スマホと連携させて置くことで撮影データの exif に位置情報を書き込めるようになったり、リモートシャッターを使ったり出来るようになるのでお勧めです。こちらも α6400 の時と変わりません。
また、カメラの「Menu」ボタンから設定に入り、モニターの表示画質を「標準」から「高画質」に変更しました。多少バッテリー消費は増えますが、α6600 は大容量のバッテリーを搭載しているので問題になることはまず無いでしょう。撮影時のファイル形式は「RAW + JPEG」にしました。これなら露出やホワイトバランスでミスっても RAW現像することでリカバリー可能です(笑)。JPEG 画質は「ファイン」から「エクストラファイン」に変更。
ファイル名は標準状態では「DSC00001」のようになりますが、先頭 3文字は変更可能です。区別しやすくするために α6600 で撮った写真は「A6600001」のようになるようにしておきました。これで Xperia などで撮った写真とファイル番号が被ったりする心配が無くなります。
レンズ補正は全て「オート」でカメラに任せました。色空間は「sRGB」を指定。うちのメインモニター(FlexScan EV2785)では AdobeRGB にまでは対応できませんので・・・。
フォーカスモードは基本的に「DMF(ダイレクトマニュアルフォーカス)」にしています。この設定ならオートフォーカスでさっとピントを合わせた後手動で微調整することが出来ます。手前の枝にピントが欲しかったのに奥に合ってしまったといった時に非常に便利な機能です。カスタムボタンの「C2」にフォーカスモードの切替を割り当てているので、いつでも簡単に変更出来ます。
ISO感度は「AUTO」にしておくとカメラ側で最適なところを選んでくれますが、あまり高感度になってもらってもノイズが増えるだけなので、上限を 12800 にしておきました。6400程度でも充分かなとは思いますが。α6600 の場合、特にレンズ側に切替スイッチがある場合を除いて、手ブレ補正のオン・オフでボディ内/レンズ内の設定が同時に切り替わるそうです。特に意識しなくても最適な結果が得られるということですね。尚、三脚使用時は誤作動防止のためオフにした方がよいそうです。
α6600 には ACアダプタと USBケーブルは付属していますが、バッテリーチャージャーが付いていません。本体と ACアダプタを USBケーブルで接続すれば一応充電することが出来るのですが、あまりにも使い勝手が悪いので、「BC-QZ1」という純正のバッテリーチャージャーを購入しました。
バッテリー容量からして違うので仕方ありませんが、α6400 で使っていた「NP-FW50」用のバッテリーチャージャーとは互換性が無いのですよね。やや値が張りますが、こちらはほぼ必需品と言ってよいと思います。
■ α6600 と α6400 に使い心地の違いを比べてみた
α6600 と α6400 を並べて見比べてみました。外観から目に付くのはやはり大容量バッテリーが採用されたことから来るグリップの大型化ですね。握ったときの深みが増して非常にホールド感が良くなりました。また、シャッターボタン横にあった「C1」ボタンがボディ上部に移動して「C2」ボタンが追加され、ボディ背面ではフラッシュボタンが廃止された代わりに「C3」ボタンが追加されています。
また、α6400 では Menuボタンなどはちょっと爪先で押し込まないといけないような感じだったものが、α6600 ではより立体的になって押しやすくなるなど、細かな部分での操作感の向上が図られています。
バッテリーとメモリーカードを入れた状態の重量が 403g から 503g へと 100g ほど増えてしまったのは確かですが、バッテリー容量の倍増 + 手ぶれ補正機能の搭載と、重量増によるデメリットを補うに値する付加価値は持っていると思います。カスタムボタンが増えたことで操作もしやすくなりました。
価格差を許容できるかどうかは購入した方の使い方に拠るでしょう。少なくとも私にとってはカメラボディ内に手ぶれ補正機構が搭載されたことで、薄暮やマクロ撮影時の歩留まりが良くなることを期待できるかなと思います。レンズも気にせず買えますしね。既に何度か撮影に持って出ていますが、少なくとも私は思いきって買い換えてしまって良かったと思っています。というか、最初から素直にこっちを買っておくべきでした。予備バッテリーを持ち歩かなくていいですしね。
世界的な半導体不足の影響で長らく受注停止となってしまっていた α6600 ですが、2022年9月30日からようやく販売が再開されることになったようです。1年近くもの間新品購入が出来ない状態が続いていましたが、ほんとにようやく・・・という感じですね・・・。
新品購入は、「3年ベーシック」保証が無償で付いてきたり、「α あんしんプログラム」へ加入することで点検・整備費用の割引を受けたりする事の出来るソニーストアを利用するのもお勧めです。宜しければ一度検討してみて下さい。
(2022.10.2)