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「インストールアシスタント」を使って Windows 10 の PC を Windows 11 にアップグレードしてみました

2021年10月5日に予定されていたとおり、Microsoft Windows の次期バージョンとなる「Windows 11」が正式にリリースされました。動作要件を満たしている PC には順次 Windows Update を通じた配信が行われるほか、後述の方法を採ることで自発的にインストールすることも可能です。また、Windows 11 がプリインストールされた PC も順次発売されてくるでしょう。

現在自分が使用している PC が Windows 11 の動作要件を満たしているかどうか確かめる方法については以下の記事で書いていますので、併せてご覧頂ければ幸いです。

Windows Update PC の側で Windows 11 をインストールする事の出来る要件を満たしていれば、Windows Update の画面で右の様な表示が出るようです。配信は順次行われているようなので、しばらく待っていれば(数日から数週間程度?)こちらからもアップグレードできるようになるはずです。Windows 10 は 2025年の 10月まではサポートされることが決まっていますし、UI が大きく変わって最初は戸惑う可能性もあるので、とにかく早く触ってみたいというのでなければ特に急ぐ必要は無いでしょう。今のところ Windows 11 でしか動作しないというソフトはまだ存在していませんしね。

ですが、私は「とにかく早く触ってみたい」という方なので(笑)、Microsoft公式サイトの「インストールアシスタント」を利用してアップグレードしてみることにしました。さすがにいきなりメインPC に入れてしまうのは躊躇したので、まずはサブPC の方に入れてみて使い勝手や使いたいソフトに問題無さそうであればメインPC もアップグレードするという形にします。

今回ここでは、「インストールアシスタント」を使用した Windows 11 へのアップグレード手順と注意点について書いておくことにします。

■ Microsoft の公式サイトから「インストールアシスタント」を入手する

まずは Microsoft公式サイトから Windows 11 の「インストールアシスタント」を入手します。下記の画像をクリックして頂くか、「こちら」からダウンロード可能なサイトへ行く事が出来ます。

インストールアシスタント入手

「Windows11InstallationAssistant.exe」というファイルがダウンロードされるので、ダブルクリックして起動します。尚、「インストールアシスタント」の実行にはストレージに 9GB以上の空き容量が必要です。今回は CPU が AMD Ryzen 7 PRO 4750G 、マザーボードが MSI MAG B550 TOMAHAWK の環境でアップグレードを行ってみます。

インストールアシスタント 後は Windows 11 インストールアシスタントの指示に従って行くだけです。ライセンス条項に同意すると自動的にプログラムがダウンロードされ、何事も問題が無ければそのままインストールされます。何か問題が起きそうな場合は自動的に停止されるので、恐れる必要は無いでしょう。今回時間が結構掛かります。30分~1時間程度は見ておいた方が良いでしょう。インストール完了後に再起動が必要です。念のため重要ファイルのバックアップは取っておく事。

Windows のユーザーアカウントや、PIN、壁紙の設定などは Windows 10 で使っていたものがそのまま引き継がれます。特に初期設定が必要になるということはありません。

■ マザーボード独自のユーティリティソフトに注意!

実は私の場合、インストール途中で「cFosSpeed Driver」というドライバーが Windows 11 に対応していないというメッセージが出てインストール作業が止まってしまいました。更新を促すようなメッセージも表示されていたので、まずは「cFosSpeed Driver」とは一体なんなのか調べてみます。

すると、どうやらマザーボードの「MAG B550 TOMAHAWK」用の管理ソフトである「MSI Center」が怪しいという事が分かりました。どうもその中の「LANマネージャー」が引っかかっているようです。

そこで MSI のサイトに行って、「MAG B550 TOMAHAWK」の 製品サポートページ を覗いてみたところ、ユーティリティのページに現在のものより新しい Ver.1.0.27.0(2021-8-30)がありました。試しにそちらに更新してから再度 Windows 11 のインストールアシスタントを実行してみたところ、無事に Windows 11 へのアップグレードを完了させることが出来ました。

ASRock のマザーボードでも専用ユーティリティの「A-Tuning」が引っかかることがあるようなので、インストール途中で止まってしまうような場合は一度こうしたマザーボード独自のユーティリティソフトを疑ってみて下さい。一旦削除することで Windows 11 のインストールが進むこともあるようです。

■ 特に大きな問題は無さそう

再起動が完了すると、無事 Windows 11 が立ち上がりました。写真はダークモードに設定してみた様子です。タスクバーが真ん中に集まっていますが、これだけでも随分と印象が変わるものですね。

Windows 11

Windows 11 は 基本的に Windows 10 の延長線上の OS です。上記の様なマザーボードのユーティリティなど、システムに近い部分に関わる一部を除いてアップグレードによってこれまで使っていたソフトが使えなくなるということは少ないでしょう(セキュリティソフトはこういった際にちょくちょく問題を起こしているので、事前にメーカーの HP などを確認しておいた方がいいと思います)。

ライセンス認証状態 Windows の「設定」から「システム」→「ライセンス認証」と辿り、Windows 11 のライセンスがどうなっているのか確かめてみたのが右の画面です。Windows 10 の時と同様、「デジタルライセンス」という仕組みでアカウントに紐付けられたものがそのまま有効になっているようですね。この状態になっていればマザーボード変更などをしない限り OS のクリーンインストールを行っても問題無いはずです。マザーボード変更の場合は恐らく Windows 10 と同じく、手持ちのプロダクトキー(Windows 7 や 8 のものなど)を使った再認証が必要になるでしょう。

とりあえずこのまましばらく使ってみてからクリーンインストールを行ってみたいと思います。メインPC への導入はそれからですね。使用できないソフトなどありましたら追記して行きたいと思います。


※ 追記 ※


AMD プロセッサを使用している環境で Windows 11 を使用した際に L3キャッシュへのアクセス遅延と CPUコアへ処理を割り振るスケジューラーが適切に動作しないケースがあるようで、特にゲームなどでパフォーマンスが 10%程度落ちるという問題が出ているそうです。今のところ私自身がパフォーマンス低下を感じる事はありませんが、Micorsoft と AMD が協力して 10月中の修正を目指しているとのことなので、まだ Windows 11 にアップグレードしていない方は少し待った方がいいかも知れません。
(2021.10.7)

※ 追記 ②  ※


しばらく触ってみて大きな問題が無さそうだったのと、Internet Explorer 11 が無くなった影響でうまく動くかないかも知れないと気になっていたメールクライアントソフトの「Shuriken 2018」の htmlメールの表示に特に影響が無かったこと、Microsoft Edge で Edy Viewer を使う方法 に目処が付いたので、メインPC の方も一旦アップグレードアシスタントで Windows 11 に更新しました。最後に Windows 10 をインストールしてから色々とハードウェアの変更などを行っていたので、落ち着いたらクリーンインストールしてスッキリさせるつもりです。
(2021.10.10)

※ 追記 ③  ※


Windows 11 と AMD の Ryzen プロセッサとの組合せで生じていたパフォーマンス低下の問題ですが、解決されたそうです。Windows Update で「x64 ベースシステム用 Windows 11 の累積更新プログラム(KB5006746)」を適用し、AMD の HP から最新のチップセットドライバである「AMD Chipset Drivers 3.10.08.506」をインストールする事で件の問題が解消されるとのこと。対象の組合せで使っている方は早めに適用しておくと良いでしょう。
(2021.10.22)