私もグラベルロードの Checkpoint ALR 5 や、クロスバイクの FX 3 Disc でお世話になっている TREK から 6月27日に開催された新車発表イベントのご案内を頂いたので参加して来ました。「シークレットイベント」という形式でしたが、TREK 車のオーナーの方には案内メールが届いていたかと思います。日本各地にある TREK の直営店で各店先着予約によりイベント参加が出来るというものでした。
私はもう歳を取ってビール腹も出てしまっている(苦笑)ので、チェアリングをしたり写真を撮ったりしながらゆるゆるとサイクリングを楽しんでいる程度のサイクリストです。競技には一切出ませんし、自転車レースに関しても 7月にスカパー!に入ってツール・ド・フランスを観戦するほかは無料で観れる範囲で楽しむ程度ですが、バイクを見るのは大好きです。こんな機会を逃す手はありませんからね!
既に多くのメディアや YouTube、ブログなどで新生 ” Madone ” に関する情報が公開されていますが、せっかくバシャバシャ撮りまくってきたのでうちのブログでもご紹介しておきます。本来ならば 28日の朝には記事を公開したかったのですが、眠気に負けて出遅れました(笑)。
今回発表されたのは第 8世代として生まれ変わるにあたってヒルクライム向けバイクとして数々の実績を上げてきた ” Emonda(エモンダ)」と統合された ” Madone Gen8 ”。年初辺りから Lidl-Trek(リドル・トレック) のジュリオ・チッコーネ選手が何やら新しいバイクのテストをしていると噂になったり、先月のクリテリウム・デュ・ドフィーネでマッズ・ピーダースン選手が勝利を飾った際に乗っていたバイクです。モデル名が ” Emonda ” になるのか、或いは Emonda と統合されて第8世代の ” Madone ” としてもうモデルチェンジするのかとも話題になっていました。
上の写真はその ” 新生 Madone ” の最上位モデル「Madone SLR 9 AXS Gen 8」。” Interstellar ” という某映画を彷彿させるカラー名が付けられたこのバイク、特殊塗装によるアップチャージ(50万円!)込みでお値段なんと ¥2,500,000 也。まあフラッグシップですしね。時間になってバイクを覆っていた幕が取り払われた際、輝きに思わず「おお!」という声を上げてしまいました。
ちなみにこちらが前モデルとなる第 7世代の「Madone SLR 7 Gen7」。第 7世代の Madone で衝撃的だったこの ” IsoFlow ” と呼ばれる独特のシートポスト構造。誰もが目を惹かれたのではないでしょうか。また、トップチューブの形状も今にも獲物に襲いかからんとする豹のようなイメージ(私個人の感想です💦)でしたが、Madone が第 8世代となって ” Emonda ” と統合されたことによりこれらの部分に大きな変化が生じました。
” IsoFlow ” と呼ばれる部分の開口部が小さくなり、シートステーがもの凄く細くなっています。” IsoFlow ” の形状変更により垂直方向のしなやかさが向上し、振動吸収性も高まることでロングライド時の身体への負担も軽減されているそうです。そして、なんでしょう、この妖艶さ溢れる造形美と色の変化は!
” IsoFlow ” については発売された当初強度面での不安をちょくちょく見掛けました(私もそう思った)が、これまでのところ事故以外が原因で折れたりしたという話は出ていないようです。まあそりゃ TREK だって十分なテストはしているでしょうし、やはり問題は特に無いようですね。
「SLR 9 AXS Gen 8」のコンポは ” SRAM RED AXS E1 ” というこれまた米国 SRAM社の最新コンポセットがアセンブルされています。フロントディレイラーには ” オートトリム機能 ” が実装されていて、リアディレイラーの位置に合わせてフロントディレイラーの羽根の角度が変わってケージと擦らないようになっているのだとか。リアディレイラーの方も前作から軽量化され、ビッグプーリーも搭載することでドライブトレインの駆動効率を高めているのだとか。
また、ディレイラーハンガーにも ” UDH(Universal Derailleur Hanger)” が採用されています。” UDH ” は、SRAM が提唱するディレイラーハンガーの規格で、メーカーや車種によって異なっていたディレイラーハンガーの規格を統一して整備性が大きく向上します。また、大きな衝撃が加わった時に後方に回転して破損を防いだり、チェーンがフレーム側に落ちないようにしたりする機構も備わっているとのこと。
規格が共通化されるということは、出先で万一破損させてしまったとしてもパーツの調達が容易になるということですから、ユーザーとしても有り難いことこの上ないですね。さらに ” UDH ” の採用に伴ってスルーアクスルのシャフトの規格もある程度限定され、好きなメーカーのものに交換し易くなるそうです。
” RED AXS E1 ” のクランクはパワーメータ内蔵だそうです。BB は ” T47 ” でメンテ性も問題無し。リムハイト長 51mm の「Bontrager Aeolus RSL 51」ホイールにこれまた新作のレースタイヤ「 Aeolus RSL TLRタイヤ」を履いていました。フックドとフックレスの両タイプのリムに対応しているそうです。
ハンドルも Madone Gen8 に合わせてステムと一体化したハンドルバーを新開発。「Trek Aero RSL Road Integrated Handlebar / Stem」は、OCLVカーボン構造でバー先端に向かって 6度開くフレア形状のハンドルバーとなっています。ブレーキレバーもピストンの配置を見直したことで非常に引きの軽いブレーキングを実現しているそうです。Madone SLR Gen8 の最大タイヤサイズは 32mm とのこと。
トップチューブのロゴも第 8世代であることと無限の可能性をイメージさせる ” ∞ ” をうまくデザインしたなと思います。ちょっと audi っぽい?(笑)。更にエアロ効果を高めるべく「TREK RSL Aero Water Bottle & Cage」も新開発されています。既にお使いの方からは持ちにくいという意見も出ているようですが、通常のスクイズボトルも挿すことが出来るそうです。Madone SLR Gen8 には最初からこのボトル&ボトルケージが 2セット付属するとのこと。
Madone SLR Gen8 はフレームセットのみでの販売もされます。こちらの「Navy Smoke」というカラーのフレームを使った Madone SLR 9 AXS Gen 8 は高額商品にもかかわらず既にサイズによって長期の欠品となっているようで、人気の高さが覗えます。私も好きです。このカラーリング。
こちらは「Madone SLR 7 Gen 8」。ベースカラーは私が今乗っている Checkpoint ALR 5 と同じ ” Era White ” という少しクリーム色掛かった白ですが、大理石をイメージしたペインティングが施されているようです。フレームは同じですが、コンポに Ultegra Di2 の 12速を搭載して少し価格を抑えたモデルとなっています。まあそうは言っても 140万円ですけどね・・・。
” SLR ” グレードではこのほかに、Dura-Ace Di2 12速を搭載した「Madone SLR 9 Gen 8」、SRAM の ” Force AXS D2 ” を搭載した「Madone SLR 7 AXS Gen 8」がラインナップされています。このグレードでは ” Project One ” によってペイントをカスタムし、自分だけの 1台に仕上げることも可能。
■ ” SLR ” だけでなく ” SL ” グレードも一気にラインナップ
さて、当然目を惹かれる ” SLR ” モデルから見てきましたが、” Emonda ” と ” Madone ” が統合ということで、カーボンエントリーモデルにあたる ” SL5 ” からフラッグシップモデの ” SLR9 ” までの幅広いグレードが一気に投入されてきたので ” SL ” グレードの方もチェックしておきます。
” SLR ” と ” SL ” というグレードの差による違いは、” SLR ” モデルが「900 SERIES OCLV(Optimum Compaction , Low Void:超高密度圧縮、低空隙)」という TREK が新規開発したカーボン素材の成形製法を使用してフレームが作られているのに対し、” SL ” グレードでは「500 SERIES OCLV」が使われているくらいで、フレーム形状に差は無いようです。後は組み合わされているコンポの違いによる価格差ということですね。
こちらは Simano の ” 105 Di2 12速 ” を搭載した ” Madone SL 6 Gen 8 ”。「Aeolus Elite 35 TLR」という前後で 1,665g のカーボンホイールに 28mm 幅の「Bontrager R3」というタイヤも履いています。
上の 2つは ”Madone SL 5 Gen 8 ”。今回の第8世代 Madone では最廉価のモデルですが、OCLV500 のカーボン製で機械式の ” 105 12速 ” を搭載して重量も MLサイズで 8.7kg に抑えられています。44.9万円という価格は決して安いとは言えませんが、円安や Simano のコンポの値上げなどが相次いだ中、結構頑張った価格設定になっている方じゃないかと思います。
お土産にオリジナルサコッシュを頂いて来ました。38cmx28cm と大きめでのキャンバス地のサコッシュで、内ポケットやジッパーまで付いている非常にしっかりしたものでした。
19時スタートで約 90分間ほどのお披露目会でしたが、いつもお世話になっているショップの方々の他に西宮の本社の方から応援にきている方などと色々なお話を聞かせて頂き、充実した一時を過ごすことが出来ました。参加されていた方々も皆さんそれぞれ楽しんで居られたようです。
今回の ” 第8世代 Maodne ” は、もともと ” Emonda ” の次期モデルとして開発が始まっていたそうです。チッコーネ選手がヒルクライムしているところを目撃されたりしたのはそのような経緯があったのですね。あちこちでのチラ見せはわざとやっていたらしい(笑)。
私はカメラを積んだり椅子を積んだりと、パニアバッグなどを取り付けて重量物を積んで走る事が多いので Madone を買う事は無いと思いますが、近いうちに試乗くらいはさせて頂こうかと思っています。興味のある方も是非お店に行って試乗させてもらって下さい。あ、試乗を希望する場合は身分証だけは持参して下さいね。目の保養にもどうぞ?